テキサス州
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1861年南北戦争ではアメリカ連合国に属し[2][21]、戦後1870年に合衆国への復帰が認められた。
地理グアダルーペ山脈詳細は「テキサス州の地理(英語版)」を参照

テキサス州はアメリカ合衆国の南中部に位置している。州境の三方が川で規定されている。西部でニューメキシコ州、北部はレッド川を挟んでオクラホマ州に、及び東部はサビン川(英語版)を挟んでルイジアナ州、およびアーカンソー州に接している。南西部においてはリオ・グランデ川を国境として、メキシコチワワコアウイラヌエボレオン、及びタマウリパスの各州と接している。パンハンドル(州北部をなす長方形の)地域とオクラホマ州との東部州境は西経100度線、北部州境は北緯36度30分線、ニューメキシコ州との西部州境は西経103度線となっている。エルパソ市は州の西端にあり、北緯32度線とリオ・グランデ川に接している[22]。テキサス州の南東部においてはメキシコ湾が展開し、バイユーの流れる湿地が多い。最高地点は、州西部のグアダルーペ山脈国立公園内にある標高2,667mのグアダルーペ峰。北西部にはラノ・エスタカドと呼ばれる平原が広がる。サンタ・エレナ・キャニオンを貫くリオ・グランデ、ビッグ・ベンド国立公園。キャニオンの左側はメキシコ、右側は米国

国立公園、州立公園、その他の保護区には、以下のようなものがある。西部の他州に比べ、公有地の面積比率が低い。

ビッグ・ベンド国立公園

グアダルーペ山脈国立公園

アラモ伝道所アメリカ国定歴史建造物

パロ・アルト戦場国立史跡

テキサス州の面積は696,241 km2で、アラスカ州に次いで全米第2位の広さがある。これは日本の面積の約2倍である。テキサス州を独立国と仮定すると、チリザンビアに続いて40番目に大きな国となる。テキサス・ヒル・カントリー

テキサス州はケッペンの気候区分では10の地域、土壌区では14の地域、また生態地域では11の地域に区分されるほど、土壌、地勢、地質および植物相や動物相における違いで地域を分類するのが大変なところである[23]。一つの区分法として南東部から西に向って、メキシコ湾海岸平原、内陸低地、グレートプレーンズおよび盆地と山脈地帯に分類する方法がある。メキシコ湾海岸平原は州南東部でメキシコ湾を包み込むようにしている。この地域の植生は密な松林である。内陸低地はなだらかにうねる丘の森林地帯であり、大きな松硬材林の一部である。州中央部のグレートプレーンズはパンハンドル地域やリャノ・エスタカードからオースティンに近いテキサス・ヒル・カントリーに跨っている。この地域はプレーリー(丈の高い草原)やステップ(丈の低い草原)が大半を占めている。テキサス州最西部すなわち「トランス・ペコス」(ペコス川より向こうの地域)は盆地と山脈地帯である。この地域は最も変化が激しく、サンド・ヒルズ(砂丘)、ストックトン高原、砂漠の渓谷、樹木のある山岳斜面および砂漠の草地がある。

テキサス州には名前の付いた水流だけで3,700、主要河川は15ある[24][25]。最大の川はリオ・グランデ川である。その他の主要河川としては、ペコス川ブラゾス川、コロラド川およびオクラホマ州との州境になっているレッド川がある。テキサス州には大きな天然湖が無いので、100以上の人口湖を造成してきた[26]

テキサス州のその大きさと特徴ある歴史のためにアメリカ合衆国のどの地域に属するかは議論のあるところである。文献によってアメリカ合衆国南部あるいは南西部のどちらかあるいは双方に入ると考えられることが多い。州内の幅広い地形、経済および文化の多様性のために州全体を一つの地域に含めることは危険である。州の東部、中央部および北部は南西部よりも南部との結び付きが強く、一方最西部や南部はアメリカ合衆国南部よりも南西部との類似性が強い。
地質詳細は「テキサス州の地質(英語版)」を参照リャノ・エスタカードの立体地図

テキサス州はグレートプレーンズの最南端にあり、その南は褶曲したメキシコ・東シエラマドレ山脈で終わる。大陸地殻が安定した中原生代クラトン(剛塊)を形成し、幅広い大陸縁辺と遷移地殻へ変化し、メキシコ湾近くに達する。テキサス州最古の岩石は中原生代の約16億年前のものとされている。これら先カンブリア時代火成岩変成岩が州内の大半に横たわっており、リャノ隆起、ヴァンホーンおよびエルパソに近いフランクリン山脈の3か所で露出している。堆積岩がこれら古期岩石の大半を覆う。最古の堆積岩層は断層ができた大陸縁辺、すなわちカンブリア紀に発達した地質学上のパッシブ・マージンに堆積した。この縁辺はペンシルベニア紀ローラシア大陸ゴンドワナ大陸が衝突し、パンゲア大陸が形成されるまで存在した。ペンシルベニア紀の大陸衝突でアパラチア山脈とウォシタ山地を形成した地殻である。この造山運動地殻は今日ダラス-ウェーコ-オースティン-アントニオ構造線の下にある。

古生代後期の山脈はジュラ紀断層がメキシコ湾を開き始めたときに崩壊した。パンゲア大陸が三畳紀に分裂し始めたが、海洋底拡大によるメキシコ湾の形成がジュラ紀中期と後期に起こった。海岸線がテキサス州の東縁に再度移り、メキシコ湾のパッシブ・マージンを形成し始めた。パロデュロ・キャニオン

今日、9?12マイル (14 ? 19 km) の堆積層がテキサス州の大陸棚の下にあり、アメリカ合衆国の石油埋蔵量のかなりの部分がある。初期のメキシコ湾盆地は形成の初めは限られていて、海水が完全に蒸発することが多く、ジュラ紀の厚い蒸発岩を形成した。これら岩塩堆積物はドーム状ダイアピルを形成しており、東テキサスのメキシコ湾岸地下に見ることができる[27]

東テキサスの露頭は白亜紀古第三紀の堆積物であり、始新世褐炭の重要鉱床である。北部のミシシッピー紀やペンシルベニア紀の堆積物、西部の二畳紀の堆積物、および東部のメキシコ湾海岸沿いとテキサス州大陸棚の白亜紀堆積物には石油が含まれる。漸新世火山岩がテキサス州最西部ビッグベンド地域に見られる。西部高原地域のオガララ帯水層と呼ばれる中新世堆積物層は重要な帯水層である[28]。テキサスは活動的なプレートテクトニクス境界から遠く、火山が無く、地震もほとんど無い。
気候詳細は「テキサス州の気候(英語版)」を参照

東部は温暖湿潤気候(ケッペンの気候区分:Cfa)、西部はステップ気候(北部はBSk、南西部はBSh)。南西部にチワワ砂漠の北東部が含まれる。州南部では亜熱帯性の気候が見られる。複数の気候区が交っているため、動植物相は多様である。乾燥した西部では、湿地や河川、泉に生息する動植物の中に絶滅危惧種が多い。

テキサス州はそのサイズが大きいことと多くの気候帯が交差する場所にあるために非常に変化しやすい気象である。州のパンハンドル地域の冬は州北部よりも寒く、メキシコ湾岸では温暖である。降水量についても地域での変化が大きい。州最西端のエルパソでは年間降水量が8インチ (200 mm) にしかならないが、南東部のヒューストンでは54インチ (1,370 mm) にも達する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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