テキサス州
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これら岩塩堆積物はドーム状ダイアピルを形成しており、東テキサスのメキシコ湾岸地下に見ることができる[27]

東テキサスの露頭は白亜紀古第三紀の堆積物であり、始新世褐炭の重要鉱床である。北部のミシシッピー紀やペンシルベニア紀の堆積物、西部の二畳紀の堆積物、および東部のメキシコ湾海岸沿いとテキサス州大陸棚の白亜紀堆積物には石油が含まれる。漸新世火山岩がテキサス州最西部ビッグベンド地域に見られる。西部高原地域のオガララ帯水層と呼ばれる中新世堆積物層は重要な帯水層である[28]。テキサスは活動的なプレートテクトニクス境界から遠く、火山が無く、地震もほとんど無い。
気候詳細は「テキサス州の気候(英語版)」を参照

東部は温暖湿潤気候(ケッペンの気候区分:Cfa)、西部はステップ気候(北部はBSk、南西部はBSh)。南西部にチワワ砂漠の北東部が含まれる。州南部では亜熱帯性の気候が見られる。複数の気候区が交っているため、動植物相は多様である。乾燥した西部では、湿地や河川、泉に生息する動植物の中に絶滅危惧種が多い。

テキサス州はそのサイズが大きいことと多くの気候帯が交差する場所にあるために非常に変化しやすい気象である。州のパンハンドル地域の冬は州北部よりも寒く、メキシコ湾岸では温暖である。降水量についても地域での変化が大きい。州最西端のエルパソでは年間降水量が8インチ (200 mm) にしかならないが、南東部のヒューストンでは54インチ (1,370 mm) にも達する。北中部のダラスでは年間降水量37インチ (940 mm) とそこそこの量である。

パンハンドル地域や州西部の山岳部では舞冬雪が何度も降るが、州北部では年に1・2度、中部と東部では数年に1度しか降らない。サンアントニオより南、すなわち海岸部では極少数の例外を除いて降雪は稀である。最近の降雪例としては2004年のクリスマスイブにヒューストンでは初めてのホワイトクリスマスを記録し、12月の平均最高気温が 65°F(18℃) である南のキングズビルでも6インチ (15 cm) の降雪があった[29]

夏の最高気温は西部山岳部やメキシコ湾のガルベストン島で 80°F(26℃) 台、リオ・グランデ渓谷で 100°F(38℃) 近辺となるが、テキサス州の大半の地域は 90°F(32℃) 程度である。

夏の夜の気温は西部山岳地での50°F(14℃) 台後半[30]から、ガルベストンでの80°F(26℃) まで変化する[31]

雷雨は特に州東部と北部で多い。竜巻道がテキサス州北部を通っている。アメリカ合衆国内でも竜巻の発生回数が多い州であり、年平均139回となっている。竜巻は北部とパンハンドル地域で多く発生している[32]。年間では4月、5月および6月に発生回数が多い[33]

アメリカ合衆国史の中でも破壊度の大きいハリケーンの幾つかがテキサスを襲った。1875年のハリケーンではメキシコ湾岸インディアノーラで約400人が死亡し、1886年にもう一度インディアノーラを襲ったハリケーンは町全体を破壊し、現在はゴーストタウンになっている。このためにガルベストンが主要港湾市の地位を引き継いだ。1900年のガルベストン・ハリケーンでは、ガルベストン市民約8,000人(12,000人の可能性もある)が死亡し、アメリカ合衆国史で最大の自然災害になっている。その他大きな被害を出したハリケーンとしては、1915年のガルベストン・ハリケーン、1957年に死者600人以上を出したハリケーン・オードリー、1961年ハリケーン・カーラ1967年のハリケーン・ビューラ、1983年のハリケーン・アリシア、2005年ハリケーン・リタ、および2008年ハリケーン・アイクがある[34]熱帯低気圧も大きな被害を出すことがあり、1989年2001年のアリソンと1979年クローデットが特に大きなものである。

テキサス州はアメリカ合衆国で最大の温室効果ガスを排出している[35][36][37]。毎年の二酸化炭素排出量は1.5兆ポンド(6.8億トン)近くに上っている。世界の国と比較したとき、テキサス州は第7位の排出量となる[36]。この膨大な排出量の原因は、多くの石炭焚き火力発電所があることと、石油精製業があることである[36]
人口動勢テキサス州の人口密度マップ詳細は「テキサス州の人口動態(英語版)」を参照

テキサス州民を指す英語の呼称は「テクサン」(Texan)であるが、かつてはテクシャン(Texian)と呼ばれていた。スペイン語ではテハーノ(Tejano)といい、英会話ではヒスパニック系のテキサス州民のことを指す。

2009年現在、テキサス州は人口24,782,406人である。前年より1.97%、2000年より16.1%増加した[38]。2000年と比較して出生数から死亡数を引いた自然増では1,389,275人が増加し、国外からの移民で801,576人、国内移動で451,910人が増加した[2]。2004年時点で350万人の外国出身者がおり(州人口の15.6%に相当)、このうち120万人が不法在留外国人 (不法在留外国人はテキサス州内の外国生まれの3分の1以上及び総計州人口の5.4%と計算する) であると見込まれる。2000年から2006年の間の不法移民増加率では国内最大である[39]。2010年、不法移民は州人口の6.0%となっている。これは国内の50州では5番目に高い数字となっている[40][注 1]

テキサス州の人口密度は1平方kmあたり34.8人であり、全国平均の31人より幾らか高くなっている。テキサス州とフランスは国土の大きさが接近しているが、フランスの人口密度は1平方kmあたり110人とかなり高くなっている。

テキサス州民のうち3分の2はヒューストンのような主要都市圏に住んでいる。テキサス州ではダラス・フォートワース都市圏が最大である。ヒューストンがテキサス州最大、かつアメリカ合衆国で第4位であるが、ダラス・フォートワース都市圏はヒューストン都市圏よりかなり大きくなっている。
人種構成

テキサス州の人口動勢2004年2003年2002年2001年2000年
総計22,490,022人22,103,374人21,723,220人21,334,855人20,851,790人
白人 (ヒスパニック以外)10,986,937人11,049,172人11,094,951人11,138,076人11,190,222人
49.8%50.4%51.1%51.8%52.7%
ヒスパニック (民族問わず)7,781,211人7,519,603人7,258,302人6,993,458人6,669,666人
34.6%34.0%33.4%32.8%32.0%
黒人 (ヒスパニック以外)2,535,285人2,500,125人2,463,047人2,426,088人2,378,444人
11.3%11.3%11.3%11.4%11.4%
アジア系 (ヒスパニック以外)695,293人666,261人636,223人604,846人567,526人
3.1%3.0%2.9%2.8%2.7%
インディアン77,662人76,071人74,538人72,762人70,405人
0.3%0.3%0.3%0.3%0.3%
混血/他210,349人203,238人196,159人188,529人178,812人
0.9%0.9%0.9%0.9%0.9%

すべてのデータはアメリカ合衆国統計局 州人口見込みからの情報である[41]

テキサス州内で祖先グループと報告された最大の民族は:メキシコ人 (24.3%)、アフリカ系アメリカ人 (11.5%)、ドイツ系アメリカ人 (9.9%)、アメリカ白人 (7.2%)、及びアイルランド系アメリカ人 (7.2%)。

国勢調査データはテキサス州の人口の7.8%が5歳以下、28.2%が18歳以下および9.9%が65歳以上と報告している。女性はおおよそ人口の50.4%である。

ドイツ人の子孫は州中部と南東部に多い。テキサス州民の3分の1以上がヒスパニック系であり[42]、最近入ってきた者が多いが、テハーノの中には18世紀のテキサスから数世代を経る者もいる。アフリカ系アメリカ人の場合、元奴隷の子孫に加えて最近の新大移動によって州内に仕事を求めてきた学卒者も多い[43]。最近は特にヒューストンとダラスでアジア系アメリカ人の人口が増加している。その他の都市ではオースティン、コーパスクリスティおよびマッカレンに近いシャリーランドでアジア系アメリカ人の人口がかなり増加している。


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