テキサス州のその大きさと特徴ある歴史のためにアメリカ合衆国のどの地域に属するかは議論のあるところである。文献によってアメリカ合衆国南部あるいは南西部のどちらかあるいは双方に入ると考えられることが多い。州内の幅広い地形、経済および文化の多様性のために州全体を一つの地域に含めることは危険である。州の東部、中央部および北部は南西部よりも南部との結び付きが強く、一方最西部や南部はアメリカ合衆国南部よりも南西部との類似性が強い。
地質詳細は「テキサス州の地質(英語版)」を参照リャノ・エスタカードの立体地図
テキサス州はグレートプレーンズの最南端にあり、その南は褶曲したメキシコ・東シエラマドレ山脈で終わる。大陸地殻が安定した中原生代クラトン(剛塊)を形成し、幅広い大陸縁辺と遷移地殻へ変化し、メキシコ湾近くに達する。テキサス州最古の岩石は中原生代の約16億年前のものとされている。これら先カンブリア時代の火成岩や変成岩が州内の大半に横たわっており、リャノ隆起、ヴァンホーンおよびエルパソに近いフランクリン山脈の3か所で露出している。堆積岩がこれら古期岩石の大半を覆う。最古の堆積岩層は断層ができた大陸縁辺、すなわちカンブリア紀に発達した地質学上のパッシブ・マージンに堆積した。この縁辺はペンシルベニア紀にローラシア大陸とゴンドワナ大陸が衝突し、パンゲア大陸が形成されるまで存在した。ペンシルベニア紀の大陸衝突でアパラチア山脈とウォシタ山地を形成した地殻である。この造山運動地殻は今日ダラス-ウェーコ-オースティン-アントニオ構造線の下にある。
古生代後期の山脈はジュラ紀断層がメキシコ湾を開き始めたときに崩壊した。パンゲア大陸が三畳紀に分裂し始めたが、海洋底拡大によるメキシコ湾の形成がジュラ紀中期と後期に起こった。海岸線がテキサス州の東縁に再度移り、メキシコ湾のパッシブ・マージンを形成し始めた。パロデュロ・キャニオン
今日、9?12マイル (14 ? 19 km) の堆積層がテキサス州の大陸棚の下にあり、アメリカ合衆国の石油埋蔵量のかなりの部分がある。初期のメキシコ湾盆地は形成の初めは限られていて、海水が完全に蒸発することが多く、ジュラ紀の厚い蒸発岩を形成した。これら岩塩堆積物はドーム状ダイアピルを形成しており、東テキサスのメキシコ湾岸地下に見ることができる[27]。
東テキサスの露頭は白亜紀や古第三紀の堆積物であり、始新世褐炭の重要鉱床である。北部のミシシッピー紀やペンシルベニア紀の堆積物、西部の二畳紀の堆積物、および東部のメキシコ湾海岸沿いとテキサス州大陸棚の白亜紀堆積物には石油が含まれる。漸新世火山岩がテキサス州最西部ビッグベンド地域に見られる。西部高原地域のオガララ帯水層と呼ばれる中新世堆積物層は重要な帯水層である[28]。テキサスは活動的なプレートテクトニクス境界から遠く、火山が無く、地震もほとんど無い。
気候詳細は「テキサス州の気候(英語版)」を参照
東部は温暖湿潤気候(ケッペンの気候区分:Cfa)、西部はステップ気候(北部はBSk、南西部はBSh)。南西部にチワワ砂漠の北東部が含まれる。州南部では亜熱帯性の気候が見られる。複数の気候区が交っているため、動植物相は多様である。乾燥した西部では、湿地や河川、泉に生息する動植物の中に絶滅危惧種が多い。
テキサス州はそのサイズが大きいことと多くの気候帯が交差する場所にあるために非常に変化しやすい気象である。州のパンハンドル地域の冬は州北部よりも寒く、メキシコ湾岸では温暖である。降水量についても地域での変化が大きい。州最西端のエルパソでは年間降水量が8インチ (200 mm) にしかならないが、南東部のヒューストンでは54インチ (1,370 mm) にも達する。北中部のダラスでは年間降水量37インチ (940 mm) とそこそこの量である。
パンハンドル地域や州西部の山岳部では舞冬雪が何度も降るが、州北部では年に1・2度、中部と東部では数年に1度しか降らない。サンアントニオより南、すなわち海岸部では極少数の例外を除いて降雪は稀である。最近の降雪例としては2004年のクリスマスイブにヒューストンでは初めてのホワイトクリスマスを記録し、12月の平均最高気温が 65°F(18℃) である南のキングズビルでも6インチ (15 cm) の降雪があった[29]。
夏の最高気温は西部山岳部やメキシコ湾のガルベストン島で 80°F(26℃) 台、リオ・グランデ渓谷で 100°F(38℃) 近辺となるが、テキサス州の大半の地域は 90°F(32℃) 程度である。
夏の夜の気温は西部山岳地での50°F(14℃) 台後半[30]から、ガルベストンでの80°F(26℃) まで変化する[31]。
雷雨は特に州東部と北部で多い。竜巻道がテキサス州北部を通っている。アメリカ合衆国内でも竜巻の発生回数が多い州であり、年平均139回となっている。竜巻は北部とパンハンドル地域で多く発生している[32]。年間では4月、5月および6月に発生回数が多い[33]。
アメリカ合衆国史の中でも破壊度の大きいハリケーンの幾つかがテキサスを襲った。1875年のハリケーンではメキシコ湾岸インディアノーラで約400人が死亡し、1886年にもう一度インディアノーラを襲ったハリケーンは町全体を破壊し、現在はゴーストタウンになっている。このためにガルベストンが主要港湾市の地位を引き継いだ。1900年のガルベストン・ハリケーンでは、ガルベストン市民約8,000人(12,000人の可能性もある)が死亡し、アメリカ合衆国史で最大の自然災害になっている。その他大きな被害を出したハリケーンとしては、1915年のガルベストン・ハリケーン、1957年に死者600人以上を出したハリケーン・オードリー、1961年のハリケーン・カーラ、1967年のハリケーン・ビューラ、1983年のハリケーン・アリシア、2005年のハリケーン・リタ、および2008年のハリケーン・アイクがある[34]。熱帯低気圧も大きな被害を出すことがあり、1989年と2001年のアリソンと1979年のクローデットが特に大きなものである。
テキサス州はアメリカ合衆国で最大の温室効果ガスを排出している[35][36][37]。毎年の二酸化炭素排出量は1.5兆ポンド(6.8億トン)近くに上っている。世界の国と比較したとき、テキサス州は第7位の排出量となる[36]。この膨大な排出量の原因は、多くの石炭焚き火力発電所があることと、石油精製業があることである[36]。
人口動勢テキサス州の人口密度マップ詳細は「テキサス州の人口動態(英語版)」を参照
テキサス州民を指す英語の呼称は「テクサン」(Texan)であるが、かつてはテクシャン(Texian)と呼ばれていた。スペイン語ではテハーノ(Tejano)といい、英会話ではヒスパニック系のテキサス州民のことを指す。
2009年現在、テキサス州は人口24,782,406人である。前年より1.97%、2000年より16.1%増加した[38]。2000年と比較して出生数から死亡数を引いた自然増では1,389,275人が増加し、国外からの移民で801,576人、国内移動で451,910人が増加した[2]。2004年時点で350万人の外国出身者がおり(州人口の15.6%に相当)、このうち120万人が不法在留外国人 (不法在留外国人はテキサス州内の外国生まれの3分の1以上及び総計州人口の5.4%と計算する) であると見込まれる。