吹き替えフジテレビ版日本テレビ版ソフト版 製作者マーティン・ジュロウとリチャード・シェファードは彼らのプロダクションで映画にできる作品を探していた[5]。彼らは最初に手がけた『縛り首の木』の製作途中に、発売前の『ティファニーで朝食を』の試読レポートを受け取った[5]。「映画化には推薦せず」とレポートには書かれてあったが、ジュロウもシェファードもその作品には惹かれていた[5]。ベストセラーになる類の本ではなかったが、原作者のトルーマン・カポーティはニューヨークの社交界を支配していた[5]。たとえ自分のところで映画化しなくても、良い投資対象であることをジュロウは見抜いており、権利獲得のためにカポーティのエージェントと連絡を取り、すぐさま飛行機で飛んだ[5]。ジュロウ?シェファード・プロダクションにはまだ実績はなかったが、ジュロウはシェファードと組む前からショービジネス界の大御所であり、シェファードは過去にマリリン・モンロー、グレース・ケリー、マーロン・ブランドなどのエージェントをやっていた[5]。もともとジュロウはカポーティのエージェントと良好な関係を保っており、シェファードの人脈でどんな超大物のスターにも電話1本で連絡がつけられるという強みを持っていた[5]。カポーティとの話し合いが始まったが、カポーティは、マリリン・モンローはあれだけセクシーなのに純真で、ホリー・ゴライトリーを演じるために地上に遣わされたのだ、ホリー役の第1候補はモンローだと語った[5]。ジュロウは本への賛辞を挟みながら聞き役に徹していたが、カポーティが「わかってるだろうけど、男の主役を演じるのは僕だから。」と言ったときには息を飲んだ[5]。ジュロウは「あなたがあの役を演じるのはもったいないですよ。」と言い、「映画ではすべての目はホリーに注がれるんですよ。あの男の主役はホリーがもたれかかる肩でしかないのです。あなたにはもっとダイナミックで華々しい役の方が合っています。」と述べた[5]。ジュロウはカポーティに白々しさを嗅ぎつけられたらおしまいだ、と思っていたが、しばらくの沈黙の後カポーティは、「君の言う通りだな。僕にはもっとダイナミックな役の方が合っている。」と答えた[5]。 翌日、ジュロウ?シェファード・プロダクションが契約していたパラマウントの承認の下、6万5000ドルで映画化の契約を締結した[5][6]。 製作者二人はモンローが適役とは考えていなかった[7]。ホリーはシャープでタフでなければならなかったが、モンローはあまりにか弱すぎ、そのような人間がたった1人で大都会でホリーのように生きるとは想像し難かった[7]。さらに現実的にモンローは無責任なことで悪名高く、慢性の遅刻癖と、台詞覚えの悪さも致命的であった[7]。一つのシーンのために、40?50テイクも撮らなければならなかった[7]。 契約の帰りの飛行機で、偶然ジュロウはモンローと隣り合わせになった[7]。『ティファニーで朝食を』に関してモンローはミルトン・グリーンから聞いて知っており興味を示していたが、モンローはポーラ・ストラスバーグと話し合わなければいけないとした[7]。話し合いとモンローは言ったが、よく聞くとそれは許可を得るということであった[7]。後日ポーラはジュロウ宛に「マリリン・モンローは夜の女をお引き受けいたしません」として断りの電話を入れてきたという[7][6]。 しかし同じ製作のリチャード・シェファードが言うには、製作者二人のホリー役の第1候補は初めからオードリー・ヘプバーンであり、そこで一時期モンローのエージェントをしていたシェファードはモンローに直接電話し、「できれば私たちはオードリーを使いたいんだ。」と伝え、モンローは「オッケー」と言ったという[8][7]。ホリーを演じたがっていたモンローに伝えるのはとても辛かったとシェファードは述べている[8]。 どちらにしてもモンローの出演の話はなくなった[7]。
演出中野寛次伊達康将
翻訳飯嶋永昭岩佐幸子杉田朋子
調整前田仁信遠西勝三
選曲重秀彦N/AN/A
効果遠藤堯雄リレーションN/A
録音スタジオ・ユニ
制作担当神部宗之
菊地由香
プロデューサー富岡文枝金井芳広
門屋大輔
制作東北新社
フジテレビ日本テレビパラマウント
製作
映画化権
マリリン・モンロー