ティッシュペーパー
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ただし牛乳パックなど比較的品質が安定している古紙を使う製品も見られる。

こうして作る薄紙に難水溶性の性質を持たせるために、湿潤紙力増強剤と呼ばれる薬品を加えて加工し、この薬品が紙繊維同士を強固に接着することで薄くても一定の強さを持ち、また柔軟なものに仕上がる。

ティッシュペーパーはちり紙と使用目的がほぼ重なることから、ティッシュペーパーをちり紙と呼ぶ例があるが、ちり紙は和紙の低級品であり、パルプから作られるティッシュペーパーとは別物である。

発売当時は高価なことから、従来のちり紙と併用していたが、その後日本では生活にすっかり定着し、スーパーマーケットドラッグストアなどでは客寄せの特売品とされることもあるなど、安価な商品として利用されている。
形態
ボックスティッシュボックスティッシュカバーに収められたボックスティッシュ

一般に2枚組で、30×13×6cmほどの大きさの箱に200組400枚入っているのが標準であるが、紙価格の値上がりに伴い量販店などでは120組240枚?180組360枚等に内容量を減らして一箱あたりの単価を上げないようにしている製品が多く見られる。箱から1組ずつ取り出しやすくなっているのがボックスティッシュの最大の特徴である。当初は箱上部中央に開けた穴から取り出しやすいよう中央に開きがある観音折りであった。近年のものは重ね方を工夫し、1枚引けば次の組の一部が穴から飛び出すようになっているもの(ポップアップ)が一般的である。また、埃が箱に入るのを防ぐためとして、穴に薄いビニールを張ったものが多い。最近では環境に配慮し、ビニールではなく箱部分と同様の紙を使用している物もある。また、小型の箱(12×7×4cm程度)に入って提供される場合がある。このサイズはホテルなどの消耗品として使われることが多く、また景品や販売促進用として提供されることもある。

なお、ボックスティッシュは残りの枚数が少なくなると取り出しにくくなるため、底部を押し上げるためのミシン目が入っている製品も多い。また、安定性を高めるためティッシュホルダーなどの専用の箱に収めたり、磁石を利用して鉄板部分(冷蔵庫や事務机など)にくっつける器具を使用することも多い。
ポケットティッシュ「ティッシュ配り」も参照ポケットティッシュ

携帯用のもので、小さなビニール袋の中に10枚程度のティッシュが入っている。日本中に広まったきっかけとして、1970年富士銀行(現・みずほ銀行)が口座開設の粗品として20万個配布したことを挙げる説がある[7]1968年高知県の製紙加工会社が考案し[8]、それまでに宣伝用に配られていたマッチに代わり誕生したとされる[9]

キオスクなどで販売されるものもあるが、ゲリラ・マーケティングの一種として、街頭や店頭等で販売促進用等として配布されたりすること(ティッシュ配り)も多い。ポケットティッシュを広告のために配布する行為は日本ではごく一般的な光景だが、世界では見られない風景である[10]

不況による経費削減の影響で、販売促進用のポケットティッシュの枚数が減っているとの調査もある[11]

ハンカチとともに子供に持たせて通園・通学させている地域や家庭もあるが、一般的なポケットティッシュは摩擦の関係でビニールの包みが滑り、衣服のポケット(特に浅くてルーズな仕様の場合)から落ちやすいという声もある。その打開策として布製のケースに入れ替える方法を取っている場合もある。
歴史

第一次世界大戦中にアメリカのキンバリー・クラーク社が外科手術用脱脂綿の代用品として開発したセルコットンを由来とする[12]。吸収力を高めたものはガスマスクのフィルターとしても使用された。

1921年 - シカゴの発明家アンドリュー・オルソンが、 ポップアップ式の物を開発する[13]

1924年 - キンバリー・クラーク社がセルコットンの製造技術を転用し、コールドクリーム落とし用の使い捨てハンカチとしてティッシュペーパーを開発、「クリネックスティシュー」を発売した。以降アメリカではティッシュペーパー=クリネックスという名前が定着した。

1953年昭和28年) - 日本においてもティッシュペーパーが発売される。

1963年昭和38年) - 山陽スコット(現・日本製紙クレシア)が「スコッティ・トイレットティシュー75m」を発売。クリネックスよりもやや安価で、広く出回る。

1964年昭和39年) - 日本初の箱入りティッシュ(「クリネックス」と「スコッティ」[14])が発売される。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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