ツバキ
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Camellia hozanensis (Hayata) Hayata (1919)[8]

Camellia japonica L. var. hozanensis (Hayata) Yamam. (1934)[9]

亜種


C. j. subsp. japonica

C. j. subsp. rusticana

ツバキ(椿[10]、海柘榴)[注 1]またはヤブツバキ[2](藪椿[11]学名: Camellia japonica)は、ツバキ科ツバキ属常緑樹照葉樹林の代表的な樹木。花が観賞されて庭などに植えられるほか、薬用や食用にもなる。
名称

和名ツバキの語源については諸説あり、葉につやがあるので「津葉木」とする説や[12]、葉が厚いので「厚葉木」と書いて語頭の「ア」の読みが略されたとする説[12]などがあり、いずれも葉の特徴から名付けられたとみられている[12]。数多くの園芸品種が栽培されているツバキの、日本における海岸近くの山中や、雑木林に生える代表的な野生種をヤブツバキとよんでいる[11][13]

植物学上の種(標準和名)であるヤブツバキ(学名: Camellia japonica)の別名として、一般的にツバキと呼んでおり[12]、またヤマツバキ(山椿)の別名でも呼ばれる[14][10]日本内外で近縁のユキツバキから作り出された数々の園芸品種、ワビスケ、中国ベトナム産の原種や園芸品種などを総称的に「椿」と呼ぶが、同じツバキ属であってもサザンカを椿と呼ぶことはあまりない。なお、漢字の「椿」は、中国では霊木の名で、ツバキという意味は日本での国訓である[15]。ヤブツバキの中国植物名(漢名)は、紅山茶(こうさんちゃ)という[16]

「椿」の字の音読みは「チン」で、椿山荘などの固有名詞に使われたりする。なお「椿」の原義はツバキとは無関係のセンダン科の植物チャンチン(香椿)であり、「つばき」は国訓、もしくは、偶然字形が一致した国字である。歴史的な背景として、日本では733年『出雲風土記』にすでに椿が用いられている。その他、多くの日本の古文献に出てくる。ツバキの古名はカタシである[10]

中国ではの王朝の第2代皇帝煬帝の詩の中で椿が「海榴」もしくは「海石榴」として出てくる。海という言葉からもわかるように、を越えてきたもの、日本からきたものを意味していると考えられる。榴の字は、ザクロを由来としている。しかしながら、海石榴と呼ばれた植物が本当に椿であったのかは国際的には認められていない。中国において、ツバキは主に「山茶」と書き表されている。「椿」の字は日本が独自にあてたものであり、中国においては椿といえば、「芳椿」という東北地方の春の野菜が該当する。

英語では、カメリア・ジャポニカ (Camellia japonica) と学名がそのまま英語名になっている珍しい例である。17世紀オランダ商館員のエンゲルベルト・ケンペルがその著書で初めてこの花を欧州に紹介した。後に、18世紀イエズス会の助修士で植物学に造詣の深かったゲオルク・ヨーゼフ・カメルフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介した。その後有名なカール・フォン・リンネがこのカメルにちなんで、椿の属名にカメリアという名前をつけ、ケンペルの記載に基づき「日本の」を意味するジャポニカの名前をつけた[17]


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