チリ
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2021年のチリの名目GDPは、世界44位であり、3,167.70億USドルである[36]。チリのGDPは、2000年代から大幅に成長しており、4倍以上の著しい伸び率が見られる[37]。2022年9月時点では、経済活動指数の変動も少なく、国民の生活は比較的安定している[38]。しかし、失業率は7.9%と未だに高い水準であり、日本の3倍以上にもなる[39]首都サンティアゴ・デ・チレの景観。サンティアゴ・デ・チレはチリ最大の都市であり、南米有数の世界都市である。

アジア太平洋経済協力(APEC)に加盟しており、メルコスール準加盟国であるゆえに南米共同体にも加盟している。また、ブラジルやアルゼンチンなどともにラテンアメリカで最も工業化された国の一つであり、域内ではベネズエラ、アルゼンチン、ブラジル、メキシコとともに中進国とされ、2007年からOECD加盟に向けて交渉を進め、2010年5月7日に加盟を果たした。

経済はほとんど輸出により成り立っている[40]。輸出品目の第2位は農業関連製品で、第1位は以前より世界一の生産量を誇るである。1970年代初頭は輸出品の70%を銅が占めていたが、現在は40%とその重要度は低下している。最近では、各地で産出される良質なワインサーモン木材パルプの輸出が始められた[41]

チリ北部の主要産業は鉱業であるが、南部には大規模な農業酪農がある。バルパライソといった主要港のある中央部にはサービス業工業が集中している。チリのサービス業部門は大きく、世界で最も自由化され先端をいく通信インフラが整っている。1990年代のにわか景気では、毎年7 - 12%の経済成長を記録したが、1997年アジア通貨危機以降は、年3%にまで落ち着いた。

近年、欧州連合(EU)、アメリカ合衆国カナダ、メキシコ、韓国などと自由貿易協定を結んでいる。日本のほかカナダ、メキシコやニュージーランドオーストラリアシンガポールなど一部の東南アジア諸国とはともにTPP11署名国である[25]
第一次産業色と面積で示したチリの輸出品目(2009年)
農業「チリの農業(英語版)」を参照

農業では、果樹類の生産が特筆される。16世紀からポトシ市場向けにワインの原材料としてぶどうが広く生産されている。1970年代には過剰生産とワインの品質低下がたたって、一時生産量が低迷したが、ワインの品質改良などの地道な努力が功を奏し、1990年代以降は再び生産量を増やしている。日本のワイン輸入量の国別シェアで、フランスなど南欧諸国を上回り首位となっている(2018年)[42]。農業従事者は、2005年にはチリの労働者の13.2%を占めている。ウアッソとトウモロコシ畑(1940年)

チリの主な農産物は、穀物であるオート麦トウモロコシ小麦果物 - リンゴ、ナシやブドウと野菜ニンニクタマネギアスパラガスなどである。果物や野菜の輸出は、アジアと欧州市場である。
林業「チリの林業(英語版)」を参照

林業については、国土の2割が森林となっており木材生産が盛んに行われてきたが、1980年代以降、アメリカ合衆国日本の業者が進出し、パルプ用の木材チップの生産を飛躍的に高めた。南部のパタゴニア地方を中心とした原生林での生産が有望視されているが、無秩序に近い環境破壊を訴える自然保護団体も存在し、先住民マプーチェ人をはじめとする現地の住民も無軌道な乱伐に反対している。
水産業

近年では、チリはノルウェーとともにサケの世界有数の輸出国となっている。漁業については、東太平洋がアンチョビなどの好漁場であり、古くから活発に漁業が営まれてきた。気候地形の類似点から、北半球サケ類の移植が進められたが、自然放流により再生産を図る計画は失敗。しかし、代わりに始まったサケ類の養殖事業は大成功を収め、2005年には世界のサケ類の養殖生産高の3分の1、約60万トンを誇る規模(世界第2位)となっている。
鉱業「チリの鉱業(英語版)」を参照

鉱業については、地下資源、特に金属鉱物資源に恵まれている。2003年時点で、の採掘量は世界一であり、490万トンに達する。これは世界シェアの36.0%に相当する。は1,250トンであり、世界第6位、シェア6.7%である。金の世界シェアも1.5%である。このほか、亜鉛を産出する。

金属以外の無機鉱物資源では、ヨウ素硫黄、塩、カリ塩、リン鉱石が有望であり、リン鉱石以外は世界シェア1%を上回る。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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