日本が本格的にチョコレートの事を知ったのは、幕末の頃である。1858年にヨーロッパへ派遣された文久遣欧使節がチョコレートの工場を見学している。他、幕府の命によりフランスに留学していた徳川昭武は、慶應4年(1868年)8月3日、「朝8時、ココアを喫んだ後、海軍工廠を訪ねる」と日記に記しており、これが記録に残る限り、日本人が初めてココアを飲んだ史料である[30]。
また、記録は残っていないが、1613年、慶長遣欧使節がヨーロッパに赴いた時期は、チョコレートを飲む習慣がヨーロッパの上流階層に広がっていた時期と重なるため、これに参加していた支倉常長たちが、初めてチョコレートを口にした日本人ではないかという説もある[31][32]。 2009年にもっともチョコレートを多く生産した国はアメリカ合衆国で、1,569,490 t にのぼる。次いでドイツが多く、1,214,490 t を生産している。以下イギリス、ブラジル、フランス、イタリア、日本、ポーランドと続く。日本は年間 233,880 t を生産し、世界7位である。 2010年のチョコレート消費量(含む観光客による購入)は、ドイツが最も多く年間で一人当たり 11.6 kg を消費しており、以下スイス、イギリス、ノルウェー、デンマークと続く。日本は年間 2.1 kg で世界16位以下。 順位年間チョコレート生産量 日本では、1971年3月、不当景品類及び不当表示防止法第10条第1項の規定に基づき、公正取引委員会の認定を受けた「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」によって規格が定められている。 カカオ分は「カカオ脂肪分」(ココアバター)と「非脂肪カカオ分」を合計したものである。カカオ脂肪分は文字通りカカオの脂肪分のみを示し、カカオマス特有の褐色や風味、ポリフェノール、テオブロミン、カフェインなどカカオの主たる薬効成分は非脂肪カカオ分に含有される。 原料となるカカオマス自体は苦く、日本では砂糖で甘味をつけたものが普通であったが、カカオに含まれるポリフェノールが注目されるようになり、2000年代に入ってリンツ・チョコレートの「エクセレンス」、明治製菓の「チョコレート効果」(カカオ分86%)などカカオ比率の高い商品が各種発売されるようになった。しかしその味は当然ながらカカオマス・ココアそのものの苦味が非常にきつく(コーヒー豆ペーストを食べている感覚に近い)、従来のチョコレートのような甘い風味は期待できない。特にカカオ99%を使ったチョコの包装紙には但し書きが付くほどである。 なお、ホワイトチョコレートにはほとんどポリフェノールは含まれていないため、健康のためチョコレートを摂るのであればできるだけ「非脂肪カカオ分」が高いものにしたほうがよい。
生産と消費
(2009年、単位トン)[33]年間一人当たりチョコレート消費量
(2010年、単位kg)[34][35]
国生産量国消費量
1 アメリカ合衆国1,569,490 ドイツ11.6
2 ドイツ1,214,490 スイス10.5
3 イギリス532,350 イギリス9.7
4 ブラジル517,300 ノルウェー9.4
5 フランス404,880 デンマーク8.5
6 イタリア276,900 フィンランド7.3
7 日本233,880 スウェーデン6.4
8 ポーランド220,000 フランス6.3
9 ベルギー191,530 アメリカ合衆国5.3
10 スイス139,965 オーストラリア4.5
11 スペイン115,945 ベルギー4.4
12 スウェーデン52,282 イタリア3.7
チョコレートの規格
カカオ成分
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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