チューニングカー
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また、それまでチューニングショップ・チューニングパーツメーカー中心だった東京オートサロンにも大手自動車メーカーが出展するようになり、日産がR33型・R34型のスカイラインGT-Rをオートサロン内で発表するなどの動きも見られた[14]
2000年代

1999年、自動車騒音規制の平成10・11年騒音規制(近接排気騒音)が施行されたことで、排気音量の上限が引き下げられた[注釈 2][15]。これにより、チューニングにおいて古くからポピュラーであるマフラー交換に一定の制限がかかることとなった。一方で、チューニングパーツメーカーやチューニングショップもそれに対応し、排気抵抗の低下や音質向上を果たしながらも騒音規制・保安基準に適合した車検対応のマフラーや、TPOに合わせて排気音量を変化させる可変バルブ[16]、排気抵抗を下げつつも浄化能力は純正同等で車検対応のメタル触媒などが販売されるようになった。

また、チューニング技術や使用するパーツの進化により、チューニングショップが製作したフルチューンマシンの中には、SUPER GTのGT300クラスの車をしのぐ速さを手に入れる車も現れるようになった[注釈 3]。2007年には標準状態で最高出力480PS(のちの改良で570PSまでパワーアップ)を誇るR35型日産・GT-Rが発表され、トップシークレットやパワーハウス・アミューズのチューニングカーは最高速度370km/h以上を叩き出した[17]
2010年代-

比較的コンパクトなFR車のトヨタ・86スバル・BRZ2012年に発売されるとチューニング市場が活況を呈し、2021年の2代目86発表時には、一般発売前にもかかわらずトムスサード・HKSなどの人気チューニングパーツメーカーがデモカーを製作し富士スピードウェイでのイベントで展示する[18]など、かつてのような過激さは薄まりつつも、チューニングの文化自体は現在も盛んである。

近年はメーカー直系のチューニングブランド(「ワークスチューニング」の項も参照)が活気づいており、特にトヨタ直系のGRからは、同社の市販車をベースに走行性能を高めたコンプリートカーが、コンパクトカーからミニバンSUVに至るまでリリースされている[19]
欧米における歴史

この節の加筆が望まれています。

ジョーダン・クラークによれば、イギリスなどで行われている車高を極端に下げる「スラムド」や極端なネガティブキャンバーを4輪に施す「スタンス」などの源流は日本にあるとされている[20]

アメリカでは日本車のチューニングカー・シーンを自国流に解釈したカーアクション映画『ワイルド・スピード』シリーズの影響が大きいといわれている[20]
改造内容

チューニングカーに施す改造は、チューニングの方向性や走行する場所・コース(公道の走行を前提とするか、クローズドコース専用とするかなど)に応じて非常に多岐にわたる。本項では、代表的なものを列挙する。
エンジン「ターボチューン」および「メカチューン」も参照

エアインテークエアクリーナーエキゾーストマニホールドマフラー、触媒装置などの吸排気系の部品を効率の良いものに交換することが多い。また、過給機装着車ではそれらに加えて過給機やインタークーラーを交換したり、過給圧を上げるブーストアップを行うこともある。過給機は比較的簡単に純正のターボチャージャーと交換できるポン付けタービンから、1000PS以上を発揮することもできる大型のターボチャージャーまで様々なものが存在する[21]

また、ECUの制御を変更してエンジン本来の性能を引き出すチューニングもポピュラーとなっている[22]

カムシャフトを交換したり、ポート加工を行ったり、圧縮比を上げたり、ボアアップやストロークアップなどによって排気量を増加させたりといったように、エンジン本体に手を加えることもある[21]

エンジンをより高性能なものに載せ替えるエンジンスワップが行われることもある。直線コースを走行し、停止状態でのスタートからゴールまでのタイムを競うドラッグレースでは、軽量コンパクトなボディに不釣り合いなほどの高出力エンジンを搭載するケース(AE85に、900PSを発揮する2JZ-GTEエンジンを換装する[23])もある。また、D1グランプリフォーミュラ・ドリフトなどのトップクラスのドリフト大会では、シルビア180SXなどに2JZ-GTEなどの高出力エンジンを換装することがポピュラーである[24]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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