チュニジア軍は陸軍、海軍、空軍の三軍から構成され、総人員は約35,000人である。三軍の他にも内務省指揮下の国家警備隊と沿岸警備隊が存在する。成人男子には選抜徴兵制が敷かれている。
兵器体系はかつて中国から購入した哨戒艇などを除いて殆ど西側に準じている[13][14]。
地理詳細は「チュニジアの地理(アラビア語版、英語版)」を参照チュニジアの地図チュニジア北部の平原メジェルダ川チュニジア南部のサハラ砂漠
国土は、北端から南端までが約850キロメートル、東の沿岸から西方の国境まで約250キロメートルと細長く、南北に伸び、南端は先の細いとがった形である[15]。東はリビア、西はアルジェリアに隣接する。北岸、東岸は地中海に面する。
国土は北部のテル地域と中部のステップ地域、南部のテル地域の3つに大きく分けられる。北部地中海沿岸にはテル山地があり、その谷間を北東にメジェルダ川が流れている。メジェルダ川流域のメジェルダ平野は国内で最も肥沃な穀倉地帯になっている。東側の地中海に面した海岸線は約1300キロメートルにわたる。北からチュニス湾、ハンマメット湾、ガベス湾と並び、良港も多い。この沿岸部に古くから定住民が集住した[16]。その南には、アルジェリアから続くアトラス山脈中の国内最高峰であるシャンビ山(1,544m)以東がドルサル山地となっている。ドルサル山地は地中海からの湿気を遮るため、ドルサル山地より南はガベス湾までステップ気候になっていて、西部の標高400m?800mの地域をステップ高原、東部の標高400m以下の地をステップ平原と呼ぶ。ステップ高原の南には平方5000kmのジェリド湖(塩湖)がある。この塩湖の北にある町メトラーウィやその西のルダイフでは19世紀の末からリン鉱石の採掘が開始され、現在ではその産出量は世界第5位で、チュニジアの主要な輸出品ともなっている[17]。
ガベス湾の沖にはジェルバ島が存在する。南半分はサハラ砂漠になっており、マトマタから南東にダール丘陵がリビアまで続く。ダール丘陵から東には標高200m以下のジェファラ平野が広がる。この砂漠は風によって絶えず景色が変化する砂砂漠(エルグ)、ごつごつした石や砂利と乾燥に強い植物がわずかにみられる礫砂漠、または植生のない岩肌がむき出しになっている岩石砂漠が広がっており、砂砂漠は一部であり、大部分は礫砂漠と岩石砂漠で占められている[17]。
ケッペンの気候区分によると、北部の地中海沿岸部は地中海性気候となり、地中海沿岸を南に行くとスファックス付近からステップ気候になる。さらに南のサハラ砂漠は砂漠気候となる。春から夏にかけてサハラ砂漠から北にシロッコと呼ばれる熱風が吹き出す。北部では冬に雪が降ることがある。チュニスの年間降水量は470mm前後だが、北部のビゼルトでは1,000mmを超える。
地方行政区分チュニジアの県詳細は「チュニジアの行政区画」を参照
チュニジアには24のウィラーヤ(県)(アラビア語表記:?????)に分かれている。各県の県知事は大統領による任命制。body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper{margin-top:0.3em}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ul,body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ol{margin-top:0}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper--small-font{font-size:90%}
アリアナ県 Ariana
ベジャ県 Beja
ベンナラス県 Ben Arous
ビゼルト県 Bizerte
ガベズ県 Gabes
ガフサ県 Gafsa
ジェンドゥーバ県 Jendouba
ケルアン県 Kairouan
カスリーヌ県 Kasserine
ケビリ県 Kebili
ケフ県 Kef
マーディア県 Mahdia
マヌーバ県 Manouba
メドニン県 Medenine
モナスティル県 Monastir
ナブール県 Nabeul
スファックス県 Sfax
シディブジッド県 Sidi Bou Said
シリアナ県 Siliana
スース県 Sousse
タタウイヌ県 Tataouine
トズール県 Tozeur
チュニス県 Tunis
ザグアン県 Zaghouan
主要都市詳細は「チュニジアの都市の一覧」を参照
チュニス(Tunis):首都
スファックス(Sfax)
カルタゴ(Carthage)
スース(Sousse)
シディ・ブ・サイド(Sidi Bou Said)
ケルアン(Kairouan)
ハマメット(Hammamet)
ナブール(Nabeul)
タバルカ(Tabarka)
経済詳細は「チュニジアの経済(アラビア語版、英語版)」を参照
2000年代からチュニジアは経済の自由化と民営化のさなか、自らが輸出指向の国であることに気づいており、1990年代初期から平均5%の国内総生産(GDP)成長でありながらも、政治的に結びついたエリートが恩恵を受ける汚職に苦しんだ[18]。チュニジアには様々な産業があり、農業や工業、石油製品から、観光にまで及ぶ。2008年ではGDPは410億ドル(公式為替レート)もしくは820億ドル(購買力平価)であった[19]。農業分野はGDPの11.6%、工業は25.7%、サービス業は62.8%を占める。工業分野は主に衣類と履物類の製造や自動車部品と電子機器の生産からなる。チュニジアは過去10年間で平均5%の成長を成し遂げたが、特に若年層の高い失業率に苦しんでいる。
チュニジアは2009年には、世界経済フォーラムによってアフリカにおいて最も競争力のある経済と位置づけられた。全世界でも40位であった。[20]チュニジアはエアバス[21]やヒューレットパッカードなどの多くの国際企業の誘致に成功した [22]。