チャッピー_(映画)
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しかし、予想をはるかに超えて学習を進めるチャッピーは、バッテリーの損傷で自分の「命」が残り少ないことを自覚する。

ディオンになぜ壊れたボディを与えたのかと詰問するチャッピー。仕方のないことであったというディオンに対してチャッピーは激怒し、彼を拒絶する。

ニンジャはチャッピーに「強盗に成功したら新しいボディを買ってやる」と嘯くが、それを真に受けたチャッピーは入手した電子部品で、意識をコピーするソフトウェアを独自に開発してしまう。それはムースに使われている脳波コントロール装置を利用して、人間の意識をコピーすることまでできる代物であり、チャッピーはテストでヨーランディの意識のコピーに成功し、更に自分の意識のコピーも行って意気揚々となる。

一方、ウイルスの対応に追われるディオンらだがムーアの犯行を察知した直後、ニンジャらがチャッピーと共に強盗を行っているニュースが流れたことで、ブラッドリーはムースの出動を許可し、ムーアにチャッピーの破壊を指示。

ディオンはチャッピーを救うべく、攻撃用の重火器を持ってチャッピーの元に赴くが、ちょうどギャングらがチャッピーの能力欲しさに彼を強奪するべく武装して現れ、更にムーアが駆るムースが襲来。三巴の戦いに発展する。

ムースによってアメリカは凄惨な死を迎え、更にギャングらはムースの高火力に次々と殺害されていく。チャッピーはディオンから与えられた重火器で応戦し、ムースにダメージを与え、更に爆薬をムースに取り付けるが、起爆スイッチを押す寸前で銃撃で阻止されてしまう。

ニンジャは襲ってきたギャングのボスを打倒して、ヨーランディらと逃げようとするが、ディオンが銃撃で致命傷を負ってしまう。

空を飛行して襲ってくるムースに対してニンジャはヨーランディらを救うべく、自らおとりになるが我慢できずに応戦したヨーランディはムースの銃撃で死亡する。

チャッピーは取り落とした起爆スイッチを再び手にしてムースを爆破、完全に破壊し、ディオンを救うべく意識のコピーを行うためにムースの操作場に赴く。

そこで待ち構えていたムーアはディオンを殺害しようとするが、それによってムーアがこの惨状の主犯であるということに気づいたチャッピーは激怒し、ブラッドリーや他の社員の目の前でムーアを徹底的に叩きのめす。半死半生状態まで追い込まれたムーアを「なぜ人間同士で傷つけ合うのだ」と罵るチャッピーであったが、最後は「許す」とムーアを見逃す。

そしてチャッピーはディオンの意識と自分の意識を、他のロボットに移植することに成功させるのであった。

一連の事件を経てヨハネスブルグ警察は、Tetravaal社のロボットの使用を取りやめて人間の警官の増員を行うことを決め、さらに姿を消したチャッピーを追う。

チャッピーとロボットとなったディオンは、死闘から生き残ったニンジャから、チャッピーが以前テストでコピーを取っていたヨーランディの意識が入ったUSBを受け取り、ヨーランディを復活させようとする。

そしてチャッピーがTetravaal社の製造ラインにハッキングを仕掛け、ヨーランディのためのロボット素体を組み立て、そのロボットが起動したシーンで物語は幕を閉じる。
キャスト

※括弧内は日本語吹替

チャッピー - 声と
モーションキャプチャ[3][4]シャールト・コプリー川島得愛


ディオン・ウィルソン - デーヴ・パテール羽多野渉

ニンジャ - ワトキン・チューダー・ジョーンズ(英語版)(ダイ・アントワード)(高木渉

ヨーランディ - ヨ=ランディ・ヴィッサー(英語版)(ダイ・アントワード)(新谷真弓

アメリカ - ホセ・パブロ・カンティージョ(英語版)(江川央生

ヴィンセント・ムーア - ヒュー・ジャックマン山路和弘

ミシェル・ブラッドリー - シガニー・ウィーバー幸田直子

ヒッメB- ブランドン・オーレット(英語版)(天田益男

ピットブル - ジョニー・K・セレマ

本人役 - アンダーソン・クーパー

その他の日本語吹き替え‐関雄/大林洋平/綿貫竜之介/中根徹/さかき孝輔/森宮隆/野坂尚也/田村真/大津愛理/西島麻紘/竹内絢子/森千晃/竹内夕己美

製作

本作は2004年にブロムカンプが製作した短編映画『Tetra Vaal 』を長編映画化したものである[5]

主要撮影は2013年10月下旬に南アフリカ共和国ヨハネスブルグで始まり、2014年2月に終了した[6][7]。なお、2014年4月に、カナダブリティッシュコロンビア州で追加撮影が行われた[8]

ダイ・アントワードのニンジャとヨーランディは出演の他、音楽とアートワークにも携わっている。

監督のブロムカンプは、「チャッピーには面白い経緯があるんだ。2004年頃に架空のロボット会社のCMを作ったんだけど、チャッピーのデザインはそこから盗んだものなんだ。そのロボットのデザインは『アップルシード』の“シロウ・マサムネ(士郎正宗)”から影響を受けているよ。その頃、日本のアニメや漫画が大好きだったんだ。」とインタビューで答えている[9]

チャッピーの映像は、シャールト・コプリーがトラッキング[要曖昧さ回避]マーカーを付けたグレーのスーツを着て演じた[10]。その演技を下地に、デジタル技術によりチャッピーの動きを上書きするという手法で作られた[10]
公開

2015年2月6日、本作を配給するソニー・ピクチャーズは、IMAXの形式で上映できるようにデジタル処理を施して、本作をIMAXでも公開できるようにすると発表した[11]

なお、日本版ではPG12区分で放映するために本国版に比べてシーンのカットが行われる[12]

配給元のソニー・ピクチャーズは「監督の賛同を得た上で」編集を行ったと説明している[12]が、ニール・ブロムカンプはそれに対し「何も知らない、ワールドワイド版の1つだけだ」「何も聞いていない…、確認してみる」と述べている[13][14]

同年7月24日、ソニー・ピクチャーズは9月18日にリリースされるブルーレイ版とDVD版がUS劇場公開版と同様の「アンレイテッド・バージョン」であると発表[15]。日本公開版での編集はソニー・ピクチャーズが委託された編集権に基づいての独自判断であり、「監督の直接の賛同を得ていませんでした」と公式ツイッターで謝罪した[16]

初回生産限定のプレミアムエディションには、ブロムカンプ自身が影響を受けた監督・作品であることを公言している押井守荒牧伸志[注 1]、伊藤暢達の3人が描く“チャッピー”のポストカード「Japan meets CHAPPIE ポストカード3枚セット」を封入。
興行収入
アメリカ

2015年3月6日、本作は全米3201館で公開され、公開初週末に1330万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となった[17]。この数字はブロムカンプが以前に監督した作品のオープニング記録、つまり、『第9地区』(2009年公開)の3735万ドル[18]、『エリジウム』(2013年公開)の2980万ドル[19]を下回るものであった。
日本

2015年5月23日に、全国267スクリーンで公開され、オープニング2日間で動員5万8574人、興収8354万9400円を記録し、週末興行収入ランキング初登場8位となった[20]
サウンドトラック

ハンス・ジマーがスコアを手掛けた。ジマーのキャリア史上初となる全編エレクトロ・サウンドとなっており、自ら「ザ・チャッピー・エレクトリック・シンフォニア(The Chappie ElektrikSynthphonia)」と呼んでいる[21]。なお、ギャング役で出演したダイ・アントワードが歌う主題歌は含まれていない。
収録曲
チャッピー Soundtrack#タイトル作詞・作曲時間
1.「危険な都市」(It's a dangerous city)ハンス・ジマー(以下すべて)2:09
2.「スカウト部隊出動」(The only way out of this) 4:58
3.「画期的な人工知能」(Use your mind) 4:04
4.「チャッピーの誕生」(A machine that thinks and feels) 3:03


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