ノースブリッジには、CPUインタフェース、メモリコントローラ[8]、グラフィックインタフェース(90年代 - 00年代前半はAGP、その後PCI Expressの一番上のx16スロット)が含まれ、更にGPUの機能を統合した統合チップセット(後述)などが存在した。現在では集積化が進み、従来のノースブリッジの機能はCPUに統合されていき、インテルプラットフォームでは2010年のNehalemマイクロアーキテクチャのLGA1156版より、AMDプラットフォームではAPUでは2011年のLlano(Socket FM1)、CPUでは2017年のRyzen(Socket AM4)にてすべての機能がCPUに統合されたため、現在では中古市場を除くパーソナルコンピューターのマザーボードにノースブリッジは存在しない。
サウスブリッジには、かつてのPCIやその後の一番上のPCI Express x16スロットを除くPCI Expressスロット、ATA、USB、EthernetなどのI/Oやサウンド機能が搭載されている。前述の通り現在のパーソナルコンピューターにはノースブリッジが存在しないため、旧来のサウスブリッジは単純にチップセットと呼ばれるようになり、拡張スロット及びオンボードデバイス用のPCI Expressコントローラ、SATAやNVMe及びそれらに接続されたストレージを管理するRAIDコントローラー、高速なUSBインタフェースが主な機能として搭載されている。初期には汎用のI/OバスであるPCIバスでノースブリッジとの接続が行われる事もあったが、その後は米インテル社のDMIや、米AMD社のUnified Media Interface、VIA社のV-Linkなど、ノースブリッジ接続用の高速バスを排他的に用いて高速化が図られていた。ノースブリッジがCPUと統合された後も、サウスブリッジとCPU間は専用の高速バスで接続されている。
高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなレガシーデバイス(PS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、シリアルポート、パラレルポート、ISAバス[9])をサポートする回路を組み込むことは、チップセット自体の高速化の足かせとなるため[要出典]、1980年代後半以後はサウスブリッジのチップから分離させ、スーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIに担当させることが増えている。スーパーI/Oチップは、CPUから見ればサウスチップのさらに向こうにつながっていることになる。スーパーI/Oチップもチップセットの重要な一部であるが、その役割がPCの性能向上に寄与せず、現在ではあまり利用されることのないレガシーポートの管理であるため、マザーボードのスペックなどではあまり注目されない。
2チップ構成のチップセット模式図
2チップ構成チップセットを用いたマザーボードブロック図
ノースブリッジの一例。インテル製G45チップ
サウスブリッジの一例。インテル製ICH5R
統合チップセット統合チップセットの例 (SiS760)「オンボードグラフィック#グラフィックス統合チップセットによるオンボードグラフィックス」も参照
かつて製造販売されていたノースブリッジにグラフィックス機能を統合したチップセットを、統合チップセットと呼ぶ(「グラフィックス」または「ビデオ」を冠することもある)。オンボードグラフィックスに分類される。
一般的にGPUチップを搭載するよりも低コストであり、また省スペース性・省電力性にも優れていたため、それらのスペックが重視されるノートパソコン等では特に採用が多かった(たとえばMacBookで、多くの時期のモデルにおいてそうである)。
ビデオメモリはメインメモリの一部領域を共有するUnified Memory Architecture (UMA) が主流であったが、専用の外部メモリをサポートする製品もあった。