タルタルソースをかけずに提供する「お食事の店 直ちゃん」を元祖とする説[7]と、タルタルソースのかかっているチキン南蛮を提供する「おぐら」を元祖とする説[8][9][10]があったが、「おぐら」の方が5年ほど前に発売していたことがわかっている。
参考文献によれば、「おぐら」は創業昭和32年でチキン南蛮の発売が昭和40年頃、「直ちゃん」は創業昭和40年頃でチキン南蛮の発売が昭和45年頃である(創業者の妻が証言)。[11]
直ちゃん「直ちゃん」のチキン南蛮
かつて延岡市内にあった洋食店「ロンドン」で昭和30年代に出されていた賄い料理の一つに、衣を付けて揚げた鶏肉を甘酢にさっと浸した料理があった。「直ちゃん」の創業者である後藤直は昭和40年頃に居酒屋「直ちゃん」を開業後、目玉商品を探して「ロンドン」に弟子入りし、チキン南蛮の原型を目にしたと言われ、昭和45年頃メニューとして売り出した。賄いだった時のままタルタルソースは使用せず、秘伝の甘酢を染み込ませている[12][13]。現在は店名も「元祖チキン南蛮 直ちゃん」としている。
おぐら「おぐら」のチキン南蛮
「チキン南蛮」を考案したのは、おぐらの創業者甲斐義光の兄である甲斐照幸とされている。昭和40年頃に発売し、42年には人気を博していた。甲斐照幸は延岡にあった洋食店「ロンドン」のオーナーと古くから家族ぐるみの付き合いをしており、原型がここにあった可能性はあるという。[14]タルタルソースは発売当初からかけられており、スルメイカにマヨネーズをつけて食べるところから発想したという。
どちらの説にしても発祥の地は延岡市であり、地元料理として親しまれ定着していった。延岡市では、2009年(平成21年)7月8日に「直ちゃん」と「おぐら」双方の関係者や大学関係者、料理研究家などによる「チキン南蛮発祥の地宣言シンポジウム」が開催された[16]。
宮崎県内外ではタルタルソースかけのチキン南蛮が広まり、「タルタルソースと甘酢タレを併用する」というイメージが強くなっている[15]。
延岡市のイベント
参考文献
「チキン南蛮発祥の地宣言 延岡」『宮崎日日新聞』 2009年6月27日。ウェブ上で公開されていない箇所に由緒が記載されている。
「チキン南蛮 延岡に活力 きょう7月8日「発祥の地」シンポ開催」 『宮崎日日新聞』 2009年7月8日付 P.15。ウェブでは公開されていない。一面を使って「延岡発祥のチキン南蛮」の特集記事を掲載。チキン南蛮誕生の経緯、直ちゃんと延岡おぐら関係者の声やそれぞれの料理方法、客の声などが掲載されている。
脚注[脚注の使い方]^ a b “チキン南蛮 宮崎県 。うちの郷土料理:農林水産省
^ “タルタルをかけない「元祖チキン南蛮」がスッゲーウマかった! 宮崎県延岡市『直ちゃん』