チキン南蛮
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「タルタルチキン」はこの項目へ転送されています。日向坂46のメンバーについては「丹生明里」をご覧ください。
東京・中央区にある居酒屋のチキン南蛮カリフォルニア州にある店のチキン南蛮丼

チキン南蛮(チキンなんばん)は、小麦粉溶き卵を絡めた鶏肉をで揚げ、甘酢(南蛮甘酢ダレ)に浸した宮崎県延岡市発祥の鶏肉料理である。

タルタルソースを掛けて提供されることも多い。
概要

発祥当初は「鶏から揚げ甘酢漬け」と呼ばれていたが[1]鶏のから揚げと異なり片栗粉は使わず、チキンカツと異なりパン粉も使われない。[1][2][3]鶏胸肉小麦粉をまぶした後、溶き卵をにして揚げ、それを甘酢ダレ(南蛮ダレ、南蛮甘酢ダレ[4])に漬け込んで味付けする。胸肉を使用するのが一般的だが鶏もも肉を使うこともある。

宮崎県では、惣菜屋や飲食店で定番メニューとなっているほか、各家庭でタルタルソースを作るなど宮崎のご当地料理として、また家庭料理として広まっている。スーパーマーケットなど食料品小売店では、チキン南蛮用のタルタルソースや南蛮漬けのタレなどの家庭用商品が販売されている。高知県をはじめとした四国の一部地域では、タルタルソースの代わりにオーロラソースが用いられている。  

九州創業の弁当販売チェーンほっともっとでは、3種のソースの違いで『チキン南蛮弁当』を区別し、限定商品として販売している。店舗手作りソースをかけた「チキン南蛮弁当」は宮崎県限定、企業オリジナルの滑らかな白いソースを後からかける「九州チキン南蛮弁当」は九州と一部地域限定、具の多いタルタルソースをかけた「チキン南蛮弁当」が通常販売となっている[5]

首都圏関西圏において宮崎料理を提供する飲食店のメニューのほか、コンビニエンスストアや持ち帰り弁当チェーン店で弁当おかずとして取り入れられた結果、現在では日本中に広く浸透している。2007年には農林水産省による農山漁村の郷土料理百選の「御当地人気料理特選」にも選定された[6]
発祥の店

タルタルソースをかけずに提供する「お食事の店 直ちゃん」を元祖とする説[7]と、タルタルソースのかかっているチキン南蛮を提供する「おぐら」を元祖とする説[8][9][10]があったが、「おぐら」の方が5年ほど前に発売していたことがわかっている。

参考文献によれば、「おぐら」は創業昭和32年でチキン南蛮の発売が昭和40年頃、「直ちゃん」は創業昭和40年頃でチキン南蛮の発売が昭和45年頃である(創業者の妻が証言)。[11]
直ちゃん「直ちゃん」のチキン南蛮

かつて延岡市内にあった洋食店「ロンドン」で昭和30年代に出されていた賄い料理の一つに、衣を付けて揚げた鶏肉を甘酢にさっと浸した料理があった。「直ちゃん」の創業者である後藤直は昭和40年頃に居酒屋「直ちゃん」を開業後、目玉商品を探して「ロンドン」に弟子入りし、チキン南蛮の原型を目にしたと言われ、昭和45年頃メニューとして売り出した。賄いだった時のままタルタルソースは使用せず、秘伝の甘酢を染み込ませている[12][13]。現在は店名も「元祖チキン南蛮 直ちゃん」としている。
おぐら「おぐら」のチキン南蛮

「チキン南蛮」を考案したのは、おぐらの創業者甲斐義光の兄である甲斐照幸とされている。昭和40年頃に発売し、42年には人気を博していた。甲斐照幸は延岡にあった洋食店「ロンドン」のオーナーと古くから家族ぐるみの付き合いをしており、原型がここにあった可能性はあるという。[14]タルタルソースは発売当初からかけられており、スルメイカにマヨネーズをつけて食べるところから発想したという。


宮崎県内外ではタルタルソースかけのチキン南蛮が広まり、「タルタルソースと甘酢タレを併用する」というイメージが強くなっている[15]
延岡市のイベント

どちらの説にしても発祥の地は延岡市であり、地元料理として親しまれ定着していった。延岡市では、2009年(平成21年)7月8日に「直ちゃん」と「おぐら」双方の関係者や大学関係者、料理研究家などによる「チキン南蛮発祥の地宣言シンポジウム」が開催された[16]
参考文献

「チキン南蛮発祥の地宣言 延岡
」『宮崎日日新聞』 2009年6月27日。ウェブ上で公開されていない箇所に由緒が記載されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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