チェ_(間投詞)
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グアラニー語のCheは1人称単数の主格所有格の両方を兼ねる。アルゼンチン北東部のグアラニー語ではt?e/ (che)、?e/ (she)という発音がある。パラグアイではこれが現役発音である[10][11]マプチェ語においては、Cheは「人」「人々」を指し、マプチェ族の様々な地域出身の人々が使うが、しかし口語表現としての起源説は弱い[12][13]ペルー北部のアンカシュからエクアドルに至る山岳地帯のケチュア語では、スペイン語のOye(おい、なあ)に相当する注意喚起の間投詞にCheがある。
アフリカ起源説

アンゴラキンブンド語に同じ意味の、xeという間投詞がある[14]アフリカ系ウルグアイ人バントゥー系がいるため、ニジェール・コンゴ語族としての関連性はある。
地理的分布

スペルCheはスペイン語圏ならほとんど同じだが、ポルトガル語の表記規則などではTche、そしてバレンシア語ではXeとなる[15]。スペインではCheはバレンシア州出身の人物に言及するのに使われる。サッカーのバレンシアCFは「Equipo Che(チーム・チェ)」「Los Che(チェ達)」などと呼ばれる。

Cheはアルゼンチン、ウルグアイ[16]ボリビア南部[17]ブラジル南部のリオグランデ・ド・スル州で使用されている。スペインではバレンシア州と隣接地域、ガリシア州ア・コルーニャ県コスタ・デ・ラ・ムエルテの広い地域で使用されている。
使い方エルネスト・ゲバラ。キューバや中米で「アルゼンチン者」ということでCheの愛称をつけられた。

マドリードに本拠を置くスペイン語学術協会が出版している辞書DRAE(Diccionario de la lengua espanola)によると、「アルゼンチン・ボリビア・パラグアイ・ウルグアイにおいて、他人への呼びかけ・呼び止め・注意喚起または驚きを表現する」とある。

スペインのバレンシア州ではもう少し用途の幅が広い。Oye(ねえ)、Hombre(おまえ)、Mira(見ろ)、Vaya(うわー、なぜだ)に相当する言葉である。Che/Xeは「それはもう話しただろう。チェ」と、確認・強調など。2人称単数代名詞の主格・所有格Tuは、Che/Xeと併用される。「チェ、トゥ。俺たちまた失敗しちまったよ」(驚き・落胆)。また考えの確認としてのCheを「そうだよなチェ。確かに男がいるのを見た。俺は見たんだよな」。明確な目的もなく、ただ単に間投詞・文中のアクセントとして使うことなどもありうる。

中南米スペイン語圏のその他の国では、特にメキシコ中米において、アルゼンチンやウルグアイ出身者の同義語として使われる。間投詞としてCheを頻繁に使う者たちというイメージからである。これはスペインにおいてバレンシア人を呼ぶ・バレンシアのものを話題にする際に呼称とするのと同じ発想である。エルネスト・ゲバラなど以外にも「チェ新聞」「チェ・オベリスク」など、人間以外のアルゼンチン産のものにも使われる[18][19]
文献初出

Cheの文献初出は、ロサス統治時代のブエノスアイレス州1838-39年に書かれ、エステバン・エチェベリア名義で1871年に出版された小説「エル・マタデロ」の中の一文[20]


Che, negra bruja, sali de aqui antes de que te pegue un tajo?exclamaba el carnicero.[21]

肉屋は言った。「チェ、黒い魔女め。ひっぱたかれないうちにここから失せろ」(日本語)

"Hey, you black witch, get out of here before I gash you," said the butcher.(英語)
脚注[脚注の使い方]^ Mario Andrew Pei (1968). "che", The New World Spanish/English English/Spanish Dictionary, p. 159. Salvatore Ramondino, eds 


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