映画界でチェレスタはなじみのある楽器である。テーマ音楽のオーケストラ譜に加わった1930年代から1950年代を経て、この楽器を弾いて本編の要所にあて、魔法のような幻想的なシーンを演出するようになった。その好例が『ピノキオ』(1940年)で、妖精が登場するたびに短いモティーフを聞かせた。あるいは1971年作品『夢のチョコレート工場』の挿入曲「Pure Imagination」(ジーン・ワイルダー歌唱[要出典])もあげられる。作曲家ジョン・ウィリアムズは「ハリー・ポッターシリーズ」の第1作、第2作で「ヘドウィグのテーマ」に音色を巧みに配した。
テレビの子供番組シリーズ『Mister Rogers' Neighborhood』もテーマソング「Won't You Be My Neighbor」のイントロで夢の世界を思わせる旋律をチェレスタが奏でて印象深い。歌い手は司会役のフレッド・ロジャース、演奏はジョニー・コスタ Johnny Costa。また番組中でキャラクターの登場と退場のシーンもこの楽器の音色で効果を高め、舞台となる「Make Believe」の町内を走る乗り物キャラクターの「Neighborhood Trolley」ほかに当てた。
テレビドラマの『ザ・ホワイトハウス』の主題歌はエミー賞を取り、オーケストラ譜を作曲した W・G・スナッフィ・ウォールデン W. G. Snuffy Walden はチェレスタを織りこんだという[7]。
使用楽曲の例
室内楽
モートン・フェルドマン:『クリスチャン・ウォルフのために』(1986)
サルヴァトーレ・シャリーノ:『さかさまの宇宙』
協奏曲
ホルンボー:リコーダー、弦楽器、チェレスタとヴィブラフォンのための協奏曲 作品122 (1974) M.276
バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 (1936) Sz.106
プロコフィエフ:チェロと管弦楽のための交響的協奏曲 Op.125
管弦楽曲
チャイコフスキー:バレエ曲『くるみ割り人形』 第2幕の最初の曲から音楽に彩りを添え、『金平糖の精の踊り』では美麗なソロを披露。
チャイコフスキー:交響的バラード『地方長官』 あまり知られていないが、『くるみ割り人形』と共にチェレスタの能力を見事に活かしたといえる作品。
マーラー:交響曲第6番 当時の大交響曲にしては珍しく、チェレスタが音楽表現上、非常に重要な役割を演ずる曲。2名で演奏することが多い。
マーラー:『大地の歌』 ハープ、マンドリン、チェレスタが重要な役割を演ずる曲であると渡辺譲が述べている[要出典]。
バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 タイトルにチェレスタとあるが、実は題名にないピアノの方がより活躍する。
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 終楽章のラストに長いソロがある。この曲の謎めいた終局はこの楽器がなければ成り立たない。第5、6、11、13 - 15番でも、チェレスタに非常に印象的な出番を与えており、特に第13番はそのソロで全曲を閉じるし、第15番の偶数楽章にも短いながらもソロを含んでいる。
グローフェ:組曲『グランド・キャニオン』 第3曲『山道を行く』の終盤、山小屋から響くオルゴールを表すとされる華麗なソロがある。また、第1曲『日の出』、第4曲『日没』でも地味ながら曲に彩りを添えている。
ホルスト:組曲『惑星』宇野功芳が、ハープ、チェレスタ、鐘などの活かし方が素晴らしいと著書[要出典]にて述べている。
矢代秋雄:交響曲(1958年)
ジョエル・メラ:『アレゴリーズ』 最後に長いソロをあてる。
三善晃:響紋 童声合唱とオーケストラのための (1984年)
オペラ
リヒャルト・シュトラウス:『サロメ』
リヒャルト・シュトラウス:『影のない女』
ベルク:『ヴォツェック』
プッチーニ:『トゥーランドット』
ポップス、ロック他
ビートルズ:『ベイビー・イッツ・ユー』[8]
作詞・下山啓、作曲・宮川彬良:『ちょっと』
セロニアス・モンク:『パノニカ』
フランク・シナトラ:『I'll Never Smile Again』
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド:『日曜の朝』(冒頭部)、『ステファニー・セッズ』[9]
supercell:『時間列車』(『ZIGAEXPERIENTIA』収録)
アソシエイション:『チェリッシュ』
カスケーズ:『悲しき雨音』
ローリング・ストーンズ:『シーズ・ア・レインボー』
主題歌、テーマ曲、効果音
ジョン・ウィリアムズ:『ヘドウィグのテーマ』(映画『ハリー・ポッターシリーズ』)
NHKラジオが流すインターバルシグナル
主なメーカー内部の構造(シートマイヤー製)外装を外した機構部