『レスラー』は第65回ヴェネツィア国際映画祭で初演した[54]。はじめは注目もされていなかったが、世界最古の映画祭の最も高い賞である金獅子賞を受賞した[55]。『レスラー』は高い評価を受け、ロークと助演のマリサ・トメイは共にゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞を受賞、英国アカデミー賞にノミネートした。ロークは映画でブルース・スプリングスティーンがオリジナルソングを書いたように、ゴールデングローブ賞を受賞した。『レスラー』は6百万ドルの予算で4千万以上の利益を上げ、アロノフスキーにとって最も利益を挙げた映画となった[56]。
2001年から製作していた、次回作『ブラック・スワン』は、ニューヨーク・シティ・バレエ団のバレリーナを題材にした心理スリラーホラー映画[57][58]。アロノフスキーが2000年から知っていたナタリー・ポートマンが主演した。彼女はアロノフスキーにミラ・クニスを紹介し、2009年に参加した[59]。2010年10月、『ブラック・スワン』は第67回ヴェネツィア国際映画祭のオープニングとして初演した。長時間のスタンディングオベーションをうけ、バラエティ誌は「最近の記憶ではベネチアで最も強いオープニング映画だ」とした[60] 。
『ブラック・スワン』は映画評論家から高い評価を受け、第16回放送映画批評家協会賞に12のノミネート、第26回インディペンデント・スピリット賞に4つノミネート、第68回ゴールデングローブ賞に4つノミネート、第17回全米映画俳優組合賞に3つノミネートするなど、他にも多数の称賛を受けた[61][62][63][64][65]。映画は限定公開の興行収入記録を塗り替え、3億ドル以上の利益を挙げた[66][67]。2011年1月25日、映画は5つのアカデミー賞(作品賞、監督賞、主演女優賞、撮影賞、編集賞)にノミネートした。3月にはポートマンがアカデミー主演女優賞を受賞した[68]。アロノフスキーはオスカーで作品賞にノミネートされていた『ザ・ファイター』のエグゼクティブプロデューサーとして仕事をした[68]。 アロノフスキーは2011年3月に製作が始まる予定だった『ウルヴァリン:SAMURAI』に参加したが、スケジュールが合わず離脱した[69]。 2011年12月、アロノフスキーはルー・リードとメタリカのアルバム『Lulu』の1曲The Viewのミュージックビデオを監督した[70]。 2011年、アロノフスキーは、聖書のノアの方舟をリテールした『ノア 約束の舟』の製作に着手した。
より高い予算での製作