ダース・ベイダー
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銀河帝国時代

以降は帝国軍の指揮官として反乱同盟軍によるレジスタンス活動の制圧に従事することとなり、『反乱者たち』ではその反乱軍として働いていたジェダイの生き残りであるケイナンとその弟子エズラを圧倒し、さらにかつての自身の弟子であるアソーカ・タノとも再会、交戦している。『ローグ・ワン』から『エピソード4/新たなる希望』にかけては反乱軍が入手したデス・スターの設計データを奪還のために動き、執拗な追撃の末その設計データを隠し持っていたとされるレイア姫を捕らえ、彼女を救うべくデス・スターに侵入したオビ=ワンも倒すが、結局データは反乱軍本部の手に渡り、攻撃を仕掛けてきた反乱軍に対してデス・スターを守るため自らTIEアドバンストx1に乗ってこれを迎え撃つも最終的にはデス・スターの破壊を許してしまう結果となる。

デス・スターの破壊によって、治安の悪いアウター・リムを統治していたターキン総督をはじめとする権力者たちが一気に死亡、各地で反乱の火の手が上がり、反乱同盟軍が急速に勢力を拡大した。皇帝はこれを鎮圧すべく、『エピソード5/帝国の逆襲』において、ベイダーにあらゆる政治的束縛、手続、規制を受けない特権を与え、また第一級の艦船からなる機動艦隊「死の小艦隊」の指揮を任せた。反乱の追撃・鎮圧にあたるベイダーの行動は冷徹かつ迅速確実で、部下の失態にも容赦がなく、ケンダル・オゼル提督などがフォース・チョークで処刑されている。クラウド・シティで息子と対面してからはその傾向はなくなっており、一度もフォース・チョークで処刑していない(『エピソード6』の第2デス・スターの未公開シーンでは、部下をフォース・チョークで処刑しようとして思いとどまるシーンがある)。

四肢を失い大火傷を負ったことで、皇帝やヨーダをも遥かに超える可能性を秘めたフォースの潜在能力をすべて開花させることはできなくなったが、依然その戦闘能力やパイロット技術は高く、モールですら「俺だけではベイダーに勝てない」と評する[4]ほどであった。そのこともあり長らく皇帝は新たな弟子に乗り換えることはなかった。しかしながら、それは同時に、ベイダー自身では皇帝を超えることが叶わず、自らが銀河を統治し不毛な争いを終わらせるという野望が叶わぬという事実を示すことでもあった。

そんな折、息子であるルーク・スカイウォーカーと出会い、皇帝すらも凌ぐ可能性を秘めた類稀なる才能に目をつける。対決したルークを打ち負かし、自身がルークの父親であることを告げて自らの手ほどきでフォースの暗黒面に引き込み、まだ開花していないルークの潜在能力を解放させようと目論んで、皇帝を倒し親子で銀河を支配しようと誘いかけるも拒否されてしまう。それに対して既にベイダーの野心とルークの高い潜在能力に気付いていた皇帝は、ルークをベイダーに代わる新たな弟子として迎えるべくベイダーとルークの決闘を仕組んだ。この戦いの最中ベイダーは不用意な言動でルークを逆上させ、激情に任せたルークの激しい攻撃によりライトセーバーごと右手首を切り飛ばされ敗れてしまう。ルークが激情に走り怒りと憎しみに任せてベイダーを打ち倒したのを見計らった皇帝はルークに対してもはや完全に戦意を喪失したベイダーを殺害するように教唆する。これはかつて皇帝がベイダーを暗黒面に籠絡するために無力化した相手を殺害させたのと全く同じ計略である。しかしルークのとった行動は、追い詰められたドゥークー伯爵の命を奪った若き日のベイダーとは全く違う、ジェダイの騎士としてあくまでも毅然としたものであり、その証拠にライトセーバーを投げ捨てて一切の攻撃の意思がないことを証明した。そしてルークの、「僕は暗黒面には入らない。僕はジェダイだ、かつて父がそうだったように。」という真摯な言葉と、皇帝の放つ強烈なフォース・ライトニングに撃たれながらも、なおも父の良心を信じ続ける必死の叫びに心を打たれて、かつてのジェダイの騎士であった頃のアナキン・スカイウォーカーとしての心をようやく取り戻したベイダーはついにジェダイ騎士への帰還を果たし、捨て身の覚悟で皇帝を第2デス・スターの原子炉へと続く中央動力ケーブル坑に投げ落として倒した。ここにかつてクワイ=ガン・ジンにより見出されたフォースにバランスをもたらす「選ばれし者」としての使命を果たしたのである。

しかしその最中、皇帝のフォース・ライトニングを受けて生命維持装置を破壊されてしまったことで、ベイダーの命も風前の灯となってしまう。息も絶え絶えに、もはや立つのもやっとの状態のままルークに肩を預けての脱出の最中、マスクを外せばすぐに絶命するような危険な状態にも係わらず「直接、自分の目でお前の顔を見たい」[注 2]と瀕死のベイダーはルークにマスクを外してもらい、自身の肉眼でようやく息子の成長した姿を見届けて、自身を暗黒面から救い出してくれたことに深く感謝を示しながら、息子の腕の中で静かに息を引き取った。この際「娘に愛していたと伝えてくれ」とルークに頼んでいることから、もしも普通の“父親”となっていれば、愛情を持って子供を育てていたと思われる。遺体はルークの手で第2デス・スターから無事に運び出されてエンドアで荼毘に付され、その霊魂はフォースと一体となる。オビ=ワンやヨーダと共にダース・ベイダーではなく本来あり得たであろう“父親”としての姿で戦いを終えたルークたちを静かに見守ることとなった。この時遺体と共にベイダーの装甲服やヘルメットは燃やされたが、ヘルメットの残骸だけは燃え残ったようであり、エンドアの戦いから約30年後の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』ではハン・ソロとレイア・オーガナの息子にしてベイダーの孫であり、祖父ベイダーのようにフォースの暗黒面に堕ちたカイロ・レンが、自身の宝物として密かにヘルメットの残骸を所有していた。
帝国軍における地位

銀河帝国成立時から長らく皇帝の右腕として活躍した彼であるが、その地位は最初から必ずしも高いものではなかった。かつてターキンは存命中に皇帝に次ぐ帝国第二位の絶対的地位に留まり続け、ベイダーにとっては明確な上位者として君臨していた。ベイダー(アナキン)はかねてジェダイの頃からターキンに優れた軍人としての敬意を表しており、以前は良き友好関係を築いていたのである[5]。デス・スター喪失によるターキンの死はベイダーにとっても大きな痛手であった。ヤヴィンの戦いにおける指揮官の一人であったベイダーは度重なる失態によって皇帝の大きな不興を買っていた。皇帝はデス・スター司令官の中で唯一その脆弱性を指摘していたカシオ・タッグを大将軍(銀河帝国最高司令官)に任命し、ベイダーをその配下に格下げした。

その一方『ローグ・ワン』劇中においてはムスタファ―のベイダーの居城においてはベイダーが浸かっているバクタ・タンクの両脇をインペリアル・ガードの隊員2名が警護のために控えており、これは皇帝以外で彼らを配下に置いていた珍しい例である。また、この居城にはベイダーの従者であるヴァネーが詰めている。さらにベイダーの死後に判明した新事実として『エピソード9』にあたる『スカイウォーカーの夜明け』において居城の一角に銀河系の未知領域に存在する惑星エグゼゴルへの導きとなる存在であり、銀河帝国では2つしか存在しないウェイファインダーの片方が隠されていたのが判明した。なおもう片方のウェイファインダーは皇帝が所持し、第2デス・スターが破壊された後もその残骸の中に残されたままとなっていたのを発見されるがこのウェイファインダーの件を見る限り帝国軍の地位とは別にシスの暗黒卿の師弟としての関係からシス絡みの重要事項については皇帝から信頼を置かれた上で任されていた模様。
能力
戦闘能力
オビ=ワン・ケノービとの決闘で負った重傷と後遺症から皇帝やヨーダをも遥かに凌ぐと予見されていた潜在能力の全てが開花することはなくなってしまったが、シディアスの下で暗黒面の攻撃的なフォースの術技を学んだ事で、持ち前のライトセーバーの剣技やスターファイターの操縦技術は依然として高い実力を誇っていた。その事実からシディアスすらも超える潜在能力を持つとされるルーク・スカイウォーカーという類稀なる才能の若者が現れるまでの長い間、シディアスも新たな弟子に乗り換えることなく自らの腹心として長年に渡り手元に置き続けていた。帝国に対する反乱勢力の中には長年に渡りベイダーを倒せるだけの実力者は現れず、かのオビ=ワンやヨーダですらも“新たなる希望”となり得るルークが成長するまでは長い隠遁を余儀なくされた。アンソロジー・シリーズ第1弾『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』では大勢の反乱軍兵士を単身で一度に相手取り、フォースでブラスターの銃弾を弾き返したりブラスターを強引に引き寄せて攻撃手段を奪う(ただしこれは「丸腰の敵を倒す」というジェダイとしては禁じられた行為である)などをしつつ、ライトセーバーを振るい瞬く間に多くの兵士を斬り捨てて殺害した。スピンオフ作品『スター・ウォーズ 反乱者たち』ではジェダイの生き残りケイナン・ジャラスとその弟子エズラ・ブリッジャーが二人がかりでベイダーに挑むも、その圧倒的な実力の前には全く歯が立たなかった。ベイダーの手を逃れて辛くも逃げおおせた後もケイナンは「レベルが違いすぎる」と吐露していた。ライトセーバー戦では若い頃のスピード重視の戦闘法から、身体のサイボーグ化により大幅に強化された腕力を生かしたパワー重視の戦闘法へと変化している。『エピソード4』でのオビ=ワンとの再戦では以前とは異なり冷静に戦いを進めて勝利しており、『エピソード5』ではダース・シディアスにも勝る潜在能力を秘めたルークを、彼自身がまだ修行中の身でもあってか序盤はライトセーバーを片手だけで操るほどの余裕を見せるなど終始圧倒した。続く『エピソード6』ではルークが修行を積み大きく成長を遂げたことで両者の実力差はほぼ解消され、互角の勝負を繰り広げた。しかし、戦闘終盤ルークの心をフォースで読むことでレイアの存在を知ることとなり、「もしルークが拒むなら代わりにレイアを暗黒面に堕としてやる」と不用意な発言をした事で激しい怒りによって自らの潜在能力を引き出したルークの猛攻であえなく右腕を斬り落とされ、ついに敗れた。他には暗黒面のフォースを用いた戦闘も得意とする。フォースで相手の首を締め上げる、あるいは首の骨をへし折る(フォース・チョーク)、フォースで周囲の物体を操り相手にぶつける、フォースでライトセーバーをブーメランの如く投擲するなどといった巧みな攻撃を得意とする。またクラウド・シティでハン・ソロと対峙した際にはソロの放ったブラスターの光弾を掌から放たれたフォース・プッシュ(斥力)で相殺し、さらにはフォース・プル(引力)でブラスターをソロの手元から引き寄せ奪い取るといった芸当を見せた。『エピソード4』では反乱同盟軍によるデス・スター総攻撃に際して自身の設計した戦闘機「TIEアドバンストX1」に乗り込み自らの戦闘機部隊「ブラック中隊」を率いて反乱軍を迎え撃ち、その卓越した操縦技術で数多くの反乱軍パイロットを撃墜した。『反乱者たち』では反乱軍のフェニックス中隊とその艦隊を自ら操るTIEアドバンストX1単機のみでほぼ壊滅寸前にまで追い詰めた。


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