ダークファンタジー
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ダーク・ファンタジーの特徴

一般的なファンタジーおよび幻想小説とダーク・ファンタジーとの明確な線引きは難しく、作風によって出版社が判断してジャンル分けしたり、読者が独自に判断したり、作者がコメントなどで明確に打ち出したりするなど、様々である。

東京創元社を例に挙げると、同社レーベル内ではタニス・リージョナサン・キャロルの作品群などを「ダーク・ファンタジイ」ジャンルとして扱っている[7]。なお、同社では「ファンタジイ」ジャンルを細分化して、「ファンタジイ」のほか「ダーク・ファンタジイ」「ヒロイック・ファンタジイ」「ユーモア・ファンタジイ」「ロマンティック・ファンタジイ」「異世界ファンタジイ」などに分類をしている[8]

他方、論創社叢書「ダーク・ファンタジー・コレクション」では、ミステリーSF・ホラーと幅広いジャンルを網羅したシリーズとなっている[9]

ハイ・ファンタジー、いわゆる異世界ファンタジーの分類としてのダーク・ファンタジーでは、ストーリー全体がシリアスなトーンで進行しているのが大きな特徴で、その中で人間の残酷な心理や内面をえぐった表現や、予定調和的なハッピーエンドを嫌った展開(バッドエンド方針)、過激な戦闘とグロテスクな描写、性描写などに特徴的な作品を指すことが多い。

異世界ファンタジーとしてのダークファンタジー作品では、トールキンの亜流作品や児童文学などで描かれる中世ヨーロッパ「風」世界のメルヘン・幻想的=非現実的なイメージに対するアンチテーゼとして、現実の醜汚を世界観に反映させており、史実に基づいた戦争とそれに伴う略奪魔女狩り拷問飢饉疫病、政治の腐敗といったガジェットがリアリズム(場合によってはある程度の誇張表現も含む)により生々しく描写されることもある。

一方、より広義のファンタジーとしての幻想文学の作品群でダーク・ファンタジーというラベリングをした場合、幻想と怪奇、ホラーの味付けの強い作品、ゴシック小説の流れを汲む作品などを指して呼ぶことが多い。現実世界に非現実の存在がクロスオーバーする現象、あるいはその体験を、恐怖として表現したもので、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトホルヘ・ルイス・ボルヘスらの作品に特徴的である。
出典^ a b c d e f 「真夜中のセクシュアリテイ〈第6回〉 久米依子 闇の時代と〈少女〉の任務」『闇のファンタジー』青弓社、2010年、177頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4787291950。 
^ “映像美にLiLiCoも納得 14世紀のダーク・ファンタジーが映画化”. AERA dot. (2022年11月24日). 2023年7月17日閲覧。
^ "The Woman Who Invented Dark Fantasy" by Gary C. Hoppenstand from Nightmare and Other Tales of Dark Fantasy by Francis Stevens, University of Nebraska Press, 2004, page x. ISBN 0-8032-9298-8.


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