ダンス・ウィズ・ウルブズ
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以降、スー族の面々は頻繁に彼の元を訪れ、またダンバーも先住民族である彼らに白人文化を伝えようと試みることで徐々に互いの友好を深めていった。

言葉がなかなか通じず、もどかしい思いをしていた双方の通訳を買って出たのは、ダンバーが以前助けた「拳を握って立つ女」と呼ばれる青い目の女性である。彼女は幼いころ、スー族と敵対するポーニー族に家族を殺され逃げ延びたところをスー族に拾われ育てられた。そのため、ラコタ語を問題なく話す一方で、幼いころに身につけていた英語はたどたどしくなっていた。それでも彼女の養父である「蹴る鳥」とダンバーの助けにより意思の疎通が図れるようになった。

ある夜、凄まじい物音で目を覚ましたダンバーが外に出てみるとそこにはバッファローの大群が群れを成して移動していた。バッファローはスー族にとって命の糧である。ダンバーは急いでスー族に報告。スー族は歓喜に沸き、目撃者であるダンバーは一躍彼らの知るところとなった。翌朝ダンバーはスー族と共に狩りに出た。毛皮と角だけ剥ぎ取り死体を放置する白人の暴挙に心を痛めながらも、神聖な儀式でもあるスー族様式の狩りに参加する中でダンバーは今まで感じたことのない安らぎを覚えるとともに自分とはどんな存在であるかということに目覚めていく。

交流を深める中でダンバーは「拳を握って立つ女」を愛し、また彼女もダンバーを愛し始めていた。しかし「拳を握って立つ女」は前の夫を殺された後から喪に服していたため仲間の前で想いを悟られないように努めていた。それに気づいた養母は「蹴る鳥」に、「拳を握って立つ女」がダンバーと深く愛し合えるように彼女の喪を明けさせることを提案。「蹴る鳥」も快諾しやがてダンバーと「拳を握って立つ女」は結婚し自らのティピーも授かった。さらに、ダンバーは部族民同様に「シュンカマニトゥタンカ・オブワチ(「狼と踊る男」。砦でトゥー・ソックスがダンバーに戯れていたところを、スー族の男に目撃されたことから)」というインディアン名までもらい、スー族の一員となると同時に一人の人間としての誇りを取り戻す。

やがて冬が到来し、山籠りするために集落を移動する日が来た。しかし、ダンバーはスー族の足取りを白人に知られないよう、日々の出来事を克明に記録した日記を取りにひとりセッジウィック砦に戻った。ところが砦には既に嘗て自らが所属した騎兵隊が大挙しており、インディアンの服装を身に纏っていたダンバーは狙撃され捕虜となってしまう。騎兵隊出身であるということを明かしたダンバーに対し騎兵隊は反逆者として処刑を宣告する。なかなか帰って来ないダンバーの身を案じたスー族の戦士たちがダンバーを捜索すると、彼を護送する馬車を発見。奇襲攻撃を仕掛け、ダンバーの命は救われた。しかし、インディアンの大量虐殺を目論む合衆国軍は目前まで迫っていた。これ以上仲間たちに迷惑をかけるわけにはいかないと感じたダンバーは、別れを惜しむスー族に背を向けながら愛する妻を伴って雪山の奥深くへと分け入っていった。
キャスト

役名俳優日本語吹替
ソフト版
日本テレビテレビ朝日
ジョン・ダンバー中尉
狼と踊る男ケビン・コスナー津嘉山正種
拳を握って立つ女メアリー・マクドネル山田栄子土井美加高島雅羅
蹴る鳥グラハム・グリーン吉水慶坂口芳貞石田太郎
風になびく髪ロドニー・A・グラント島田敏佐藤正治磯部弘
ファンブローモーリー・チェイキン筈見純阪脩上田敏也
ティモンズロバート・パストレリ麦人池田勝安西正弘
バウアー軍曹ラリー・ジョシュア福田信昭
ペッパー軍曹トム・エヴェレット

演出蕨南勝之福永莞爾
翻訳戸田奈津子(ソフト版)

種市譲二(プレミアムシネマ[5]) 武満眞樹たかしまちせこ入江敦子
調整蝦名恭範兼子芳博長井利親
効果南部満治
担当吉富孝明吉富孝明
仲田美歩
プロデューサー奥田誠治
垂水保貴松田佐栄子
プロデューサー補山路裕子
解説水野晴郎淀川長治
制作ニュージャパンフィルム
初回放送1993年1月15日
金曜ロードショー
正味約176分1995年7月30日
日曜洋画劇場
正味約126分

スタッフ

監督 - ケビン・コスナー

原作/脚本 - マイケル・ブレイク
(英語版)

製作 - ジム・ウィルソン、ケビン・コスナー

製作総指揮 - ジェイク・エバーツ

撮影 - ディーン・セムラー

音楽 - ジョン・バリー

編集 - ニール・トラビス(英語版)

美術 - ジェフリー・ビークロフト

エピソード

狩猟のシーンには莫大な数のバッファローが登場するが、そのうちの2頭はロックの殿堂入りも果たしているシンガーソングライターニール・ヤングが飼育し、調教したものを借りている。

グラハム・グリーン演じる「蹴る鳥」は、スー族における聖人であると同時にメアリー・マクドネル演じる「拳を握って立つ女」の養父という設定であるが、実際はマクドネルがグリーンより2ヶ月だけではあるが年上で、養母を演じた女優との年齢差も2つしかない。グリーンを始めインディアンを演じた俳優はラコタ語が話せず、撮影に際して特訓を強いられた。

原作者マイケル・ブレイクはダンス・ウィズ・ウルブズ執筆当時、俳優のヴィゴ・モーテンセン夫妻の家に居候していた。原作は夫妻への新婚祝いとして執筆されたもの。同作の主人公ジョン・ダンバー中尉は、当初はヴィゴを想定したキャラクターだったと言われている。
評価

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは77件のレビューで支持率は83%、平均点は7.60/10となった[6]Metacriticでは20件のレビューを基に加重平均値が72/100となった[7]


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