ダイヤモンド・アイ
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この番組は変身ブームの中で制作されたが変身ヒーローものではなく、主人公は雷甲太郎とダイヤモンド・アイの2人である[6][2][7]。これは前作『愛の戦士レインボーマン』との差別化を図ると同時に、生身の人間の活躍を描くことで子供たちに純粋な心と人間の勇気を伝えることを目的とし、「変身ヒーロー」ではなく「献身ヒーロー」と銘打っている[5][7]

『愛の戦士レインボーマン』など川内康範原作ヒーローに共通する社会性の強い作風が特徴である。物語には当時のオイルショック公害問題などを反映しており、敵組織も架空団体を用いて資金調達を行うなど現実的な悪を描いている[9][7]

後半では、前世魔人の支配者であるキングコブラこと源海龍の娘であるヒメコブラこと蘭花が登場。ヒメコブラが中心となり人間の心を悪に染めて暴れさせてしまう悪魔の薬ドリームXおよび頭脳改造マシンを用いての日本人を奴隷化させる作戦が展開され、前世魔人の非道さが強調された。その前世魔人との熾烈な戦いを描く中で、前世魔人の長としての使命感と初恋の人である甲太郎との愛との間で苦悩する蘭花の悲哀も描かれた[5][7]

ダイヤモンド・アイのデザインや一部キャラクターの名称など、川内原作の漫画『黄色い手袋X』(作画桑田二郎)を基にしている[7]。ただし、企画者である衛藤公彦は2作品の共通点についてはメインライターである伊東恒久が知っているのではないかと述べており[10]、伊東自身は『黄色い手袋X』と本作品とは密接な関係はなかった記憶であると述べている[11]。また、主人公である雷甲太郎は『七色仮面』の主人公である蘭光太郎から、登場キャラクターであるカボ子と五郎に関しても『月光仮面』の登場キャラクターであるカボ子と五郎八から採られたものではないかと書籍では指摘されている[11]
ストーリー

ルポライター・雷 甲太郎(らい こうたろう)、通称ライコウは、政界を揺るがすとある汚職事件を追っていたが、関わる政治家の意を受けた上層部からの圧力により記事を差し止められ、憤りのあまり辞表を叩きつけてフリーランスとなり、事件を追い続ける。だが、圧力の影には「前世魔人」と呼ばれる怪物たちの姿があった。絶体絶命の状況でダイヤの神ダイヤモンド・アイと出会い命を救われたライコウは、その義侠心に惚れ込んだアイから申し出られた助太刀を「自分の力だけでやりたい」と一度は断るが、彼に「私の力が必要になる時が必ず来る」と言われ、アイを普段は封じてあるダイヤ「アラビアの王」[注釈 1]付き指輪を託される。こうしてアイは、ライコウが自分の力だけでは好転できない事態に追い込まれた時、彼がダイヤを光にかざして呼びかけるとライコウのもとへ現れ、共に戦うこととなった。

アイの「外道照身霊破光線」を浴びると、人間に化けている前世魔人の正体が明らかになる。その際、アイと前世魔人が繰り広げる「汝の正体みたり! 前世魔人○○!」「ウウー、バレたかー」のやり取りが、毎回の定番となった[6][2][注釈 2]
登場人物
雷 甲太郎(らい こうたろう)
本作品の主人公で通称ライコウ
[8]。27歳[7]。第1話時点では「週刊ジャパン」所属のルポライターだったが、同話における大沢山剛造取材に際して上層部から圧力をかけられ、1か月間の取材停止命令を受けたことを契機に「週刊ジャパン」を退社してフリーになる[12]。その後も大沢山の追跡を続け、絶体絶命の危機から救ってくれたダイヤモンド・アイに「アラビアの王」を託され、彼を召喚できる唯一の人間となる。幼いころにパイロットだった父を亡くし、母・勝子からは平和のために働いて死んでいった父を見習うよう教育を受けたため、非常に強い正義感の持ち主である。法の網を掻い潜る社会悪にはペンで、前世魔人に対してはその拳で臆することなく立ち向かっていく。空手の使い手であり、世界有数の殺し屋たちと素手で、しかも互角に戦う一介のジャーナリストらしからぬ超人振りを発揮し、劇中では四角蹴りなる技すら披露している。また、オートバイの腕もセミプロ級であり、第8回東日本200マイル耐久モトクロスレースでは優勝候補の1人[注釈 3]であり、愛用のオートバイ「サンダー号」を取材と戦闘の両面で駆使する。その一方、出前のカレーライスの肉の数が減ったことをぼやくなど、庶民的な感覚の持ち主でもある。物語後半では源海龍の娘・蘭花と心の交流を持つようになり、彼女を悪の道から救うべく尽力するようになる[12]
カボ子
ライコウの仲間の1人。22歳[7]。スナック・サンダーを五郎と共同経営している[12][7]。特技は大型のトランプを用いたトランプ占いで、的中率は高い。トランプ投げの名手でもあり、前世魔人一味とはこれを駆使して戦う[12]。本名は高柳ミユキといい、幼いころ両親を亡くした後に高柳財閥の養女になるが、高柳夫妻に実娘の真理子が生まれたことから養父と養母の間に軋轢が生じ結果として別居。そのことに責任を感じて名前を捨て、高柳の家を離れたことが第24話で判明している。第5話からかけている黒縁メガネ(第1話では茶色いレンズのトンボメガネ)がトレードマークで、眼鏡を外すとかなりの美人である。

本作品と同じ川内康範原作の『月光仮面』『黄色い手袋X』にも、同名の女性が登場する[7]

企画段階では五郎の恋人であるという設定もあった[7]

五郎
ライコウの後輩でカメラマン兼アシスタントである太めの青年。スナック・サンダーを開店してからは同店のマスターも務めている[12]。26歳[7]。三枚目の役割だが[7]、第25話では前世魔人一味の頭脳改造工場を爆破するという、大殊勲を立てている。
海藤警部
ライコウの顔見知りの警部で、東京警察署に勤務している。政治犯の追跡や殺人捜査、現金輸送など幅広い事件を担当している。息子も刑事であり、麻薬ルートを深追いした結果、殺害された過去を持つ。そんな息子の面影をライコウに重ねており、彼を思いやるがゆえに頑固な態度をとることが多い[12]。娘は刑務所官に嫁いでいるが、その娘婿は18話でドリームXで洗脳されて暴徒化している。
早川編集長
「週刊ジャパン」の編集長。ライコウがフリーとなった後も情報提供するなどの協力を続けている[12]
モンちゃん
第1話で大沢山の部下・西田がライコウを襲撃した際に右足を負傷した少年[12]
フーコ
モンちゃんの姉で大沢山の税理士・中村の事務所に勤務していた。中村の死後はスナック・サンダーの手伝いもしていた[12]
大沢山 剛造
財界の黒幕[12]。ダイヤマニアとしても著名であったが源海龍に殺害される[13]
大沢山 京子
大沢山の娘で、大沢山の死後は養護施設「みどりの園」の保母として勤務していた[13]
北見 八郎
大沢山を敬愛していた「アジアの子供が手をつなぐ会」の秘書[13]。総裁の口車に乗せられてライコウが大沢山の死の元凶であると思い込んでいたが、やがて総裁が源海龍と同一人物であることを知り源海龍に立ち向かおうとするが凶弾に倒れた[13]
ダイヤモンド・アイ

ブルーダイヤアラビアの王から出現する正義の精で、全能の神の使い[12][7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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