東宝も翌1972年に自社での映画製作を大幅縮小。専属俳優の解雇を実施し、ほぼ外部からの調達に切り替えた。「東宝#映画製作部門の大幅縮小」を参照
このようにして大映こそ、破産という形で五社協定もろとも崩壊したものの、自社専属俳優体制の脱却、経営の多角化などの変化を通じて、自社の興行網を維持した上で斜陽の時代を乗り切っていったのである。 主に ⇒「ラピュタ阿佐ヶ谷・ダイニチ映配ノスタルジア上映リスト」(2007年)より
作品リスト
1970年
日活
ハレンチ学園 身体検査の巻・タックルキスの巻
盛り場流し唄 新宿の女 - 藤圭子のデビュー曲「新宿の女」をモチーフにした歌謡映画。藤本人も出演。
反逆のメロディー
土忍記 風の天狗
戦争と人間 第一・二部 - ダイニチ系ではなく、洋画系を通じて公開された。なお、1973年公開の3作目は日活単独での配給だが、やはり洋画系のルートで公開。
スパルタ教育くたばれ親父
いちどは行きたい女風呂 - 浜田光夫の恋人役として、入社したばかりの夏純子が抜擢。
女子学園 ヤバイ卒業
ネオン警察 女は夜の匂い
新宿アウトロー ぶっ飛ばせ
大映東京
高校生ブルース
ママいつまでも生きてね
おさな妻
可愛い悪魔 いいものあげる
大映京都
怪談累が渕
ボクは五才
おんな牢秘図
皆殺しのスキャット
座頭市あばれ火祭り(勝プロダクション制作)[注釈 12]
1971年
日活
男の世界 - 石原裕次郎最後の日活映画出演。
女子学園 おとなの遊び
喜劇 いじわる大障害
流血の抗争
喜劇 男の顔は人生よ
関東破門状(1971年版) - 渡哲也最後の日活映画出演作品。
極楽坊主
暴力団・乗り込み - 小林旭最後の日活映画出演作品。
八月の濡れた砂 - 『不良少女 魔子』と同時上映。日活側のダイニチ映配最終封切作で、完全新作ではロマンポルノ転向前最後の作品[注釈 13]。
不良少女 魔子 - 夏純子主演。
大映京都
新座頭市・破れ!唐人剣(勝プロダクション制作)[注釈 14][注釈 15]
新女賭博師 壷ぐれ肌
秘録長崎おんな牢
穴場あらし
大映東京
君は海を見たか - テレビ作品の映画化版。
遊び - 関根恵子主演。相手役として大門正明が映画初出演。増村保造監督最後の大映作品。
夜の診察室 - 松坂慶子の映画初主演。『遊び』と同時上映。
ガメラ対深海怪獣ジグラ - ガメラシリーズ第8作目。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 全盛期を支えた専属監督・鈴木清順が、『殺しの烙印』(1967年)に不満を持った堀から解雇された「事件」もあった。
^ 例として、静岡市にあった「静岡日活」が挙げられる。名称はそのままでOPチェーン(大蔵映画)傘下に入りピンク映画封切館に転身、「並木座」と名を改めた後ダイニチ映配の崩壊とロマンポルノ発足をきっかけに日活系へ復帰した。
^ また、東京・新宿地区においては、ダイニチ映配発足からしばらく後に、上映館が「新宿大映」一館となり、日活系上映館だった「新宿日活」(新宿日活劇場・旧「帝都座」)は「新宿日活オスカー」と名を改め、洋画上映館に転身した。なお「新宿日活オスカー」は、『関東破門状』(1971年)のクライマックスシーンの舞台としても使われた。
^ ただし翌1971年には、この興行形態の見直しが行われ、一方の社による新作2本立で一興行を固定、以降は「大映週間」→「日活週間」→「大映週間」…といったローテーションで公開する形に改めた。