ダイエー
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20世紀日本の流通・小売業界を発展させた代表的な企業としても知られ、ショッピングセンターゼネラルマーチャンダイズストアを日本で初めて導入する等、ナショナルチェーンの一大企業であった。また、流通・小売業以外の事業分野にも積極的に進出していった。

バブル崩壊後から経営不振になり、21世紀に入ると産業再生機構に支援を仰ぎつつ多角事業の譲渡、本業である小売部門の縮小などのリストラを進め、事業領域をスーパーマーケットに絞り始めた。

イオンによる株式公開買付けを経て[広報 1][広報 2]2015年(平成27年)1月1日から、イオンの完全子会社となり、イオングループに入った。
歴史
創業から過去日本一の流通グループへ新神戸オリエンタルシティに残る中内功による「よい品をどんどん安く より豊かな社会を」の石板

1957年昭和32年)に兵庫県神戸市で創業。創業者である中内?の生まれ育った阪神地区を中心に商圏を築き、1960年代後半から1970年代にかけて大きく発展し、全国展開を進めた。中には赤羽店東京都)や津田沼店千葉県)などのように、西友ストア(現・西友)などの既存店と衝突し、苛烈な価格競争といった「戦争」を引き起こしたこともあった[13]

小売業に関しては、創業以来一貫して「価格破壊」をスローガンとする拡張路線を進めてきた。ダイエー・松下戦争の影響で松下電器(現・パナソニック)製品の納入が停止した事を受けて[13]1970年カラーテレビの価格が10万円前後であった時期に、クラウン(当時存在していた電機メーカー)を巻き込み5万円台で発売するなど話題を集めた[14]。価格破壊とともに質への需要などニーズが多様化すると、「ダイエー」のほかに「トポス」「ビッグ・エー」「Dマート」「グルメシティ」「Kou's」「プランタン」など業態ブランドを拡大化し多様化する消費者ニーズに応えながらも流通革命により価格破壊を志向する「よい品をどんどん安く (GOOD QUALITY BEST PRICE)」「お客様のために (For the Customers)」の方針で事業が進められてきた(一時はグループ企業が300社あり、大阪国際女子マラソンなどでグループ各社の一覧が流れる企業CMも存在した[独自研究?])。

1980年代には「ふれあいさわやかダイエー」というイメージソングがあり、テレビCMで多用され、メインの店内BGMでも使用されていた。しかし、メインの店内BGMは1989年度に福岡ダイエーホークスが本格的に始動した際に、その球団公式応援歌である「いざゆけ若鷹軍団」に取って代わられ、以後は使用頻度が激減した。球団が身売りして消滅となった2005年度以降は、メインの店内BGMを「表参道」に変更した。[独自研究?]

小売業以外にもホテル大学プロ野球出版金融など事業分野の多角化に乗り出し、特に、創業者の故郷である神戸市内[注 1]と所属球団福岡ダイエーホークスの本拠地に定めた福岡市内で、グループ子会社とともに事業を数多く手がけた。
没落?丸紅・イオン資本受け入れへ1995年阪神・淡路大震災により全壊したトポス東山店

1980年代には業績悪化が起きていたが、中内は若手を抜擢したV革作戦によりV字回復させた。しかし、中内と若手が対立するようになり再び中内の個人商店化が進んでしまい、バブル時代になると、いきすぎた拡大路線に陥る[13]

バブルが崩壊し、低成長期が始まった1990年代後半から業績悪化が表面化。このような局面にあっても、基本的にダイエーは不採算店舗を閉店させない方針をとっており[16]1995年阪神・淡路大震災による創業以来初の赤字決算の際に緊急措置として店舗の閉店をとった例外を除けば、原則店舗を閉店させることはなかった。しかし1997年2月にも再度の赤字決算となり収益改善が急務となる[17]。その結果これまでの方針を転換し、1998年から同社初の店舗の大量閉鎖に踏み切り、さらに収益向上のために100店舗では改装費用では最高額となる400億円を投じて改装を行った[18]。しかしこのような様々な改革も功を奏することはなく、ダイエーの赤字決算は続いた。さらには、大規模な出店攻勢をした後の不採算店の閉鎖を行ったこともあり、テナントとして入っていたビルが空き店舗になったままで、同じくテナントとして入っている別の店舗の売り上げが急激に落ちたり、商店街の集客力がなくなったりと、いわば閉鎖の余波とも捉えられる問題が少なからず起きるなど、社会的な影響は甚大だった。


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