製作にまつわるエピソードとして、キャメロンが見た悪夢の話がある。1981年に監督した『殺人魚フライングキラー』が失敗した際、キャメロンは評論家やマスコミにひどくこき下ろされたため、屈辱のあまり熱を出して寝込んでしまったという。そのとき、「炎の中からロボットが現れて自分を殺しに来る」という悪夢を見たことが、本作を製作するきっかけとなったと語っている[要出典]。
作中で「審判の日」 (Judgement day) とされているのは1997年8月29日であるが、この月日は当時アメリカと冷戦を激化させていたソ連による初の原爆実験 (RDS-1) に由来し[4]、映画公開の前年(1983年)には、実際に第三次世界大戦が起きかねない監視システムのコンピュータが核ミサイル発射を誤報した事件も起きていた[5]。キャメロンは本作について、冷戦を意識していたことを述べている[6]。
製作に当たり、キャメロンは「現代の技術では殺人ロボットの実現は不可能であるし、かといって未来の話ではセットに費用がかかるうえに観客にも受け入れがたいと考えた結果、未来の殺人ロボットが現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と語っている[要出典]。
人選『ターミネーター』の公開2ヶ月前に、ロナルド・レーガン大統領と握手を交わすシュワルツェネッガー
主役のT-800について、企画当初の予定では続編『ターミネーター2』(1991年)に登場するT-1000のような、「一見すると貧弱そうな普通の男が異様な強さを発揮する」というキャラクターを構想していた。その候補にはランス・ヘンリクセンが挙がっており、パイロット版も制作されていた。また、O・J・シンプソンをT-800役に配役する構想もあった[7]。
一方、俳優としてのキャリアが浅かったシュワルツェネッガーは、台詞を多く喋りたいという理由や主役を演じたいという理由から、カイル・リース役を望んでいた[7]。しかし、キャメロンはシュワルツェネッガーと会食した際にT-800の設定についての良いアイディアを1時間も力説され、この役には彼こそが相応しいと確信して変更する[7]。その結果、T-800はシュワルツェネッガーを象徴する役柄となり、シリーズを通して出演する名キャラクターとなった[7]。なお、次作『ターミネーター2』以降は悪役から主役へと立場が変化し、人類側(ジョン・コナーを守る立場)として活躍するようになる。
本作以前のシュワルツェネッガーは、『コナン・ザ・グレート』(1982年)のヒットもあって全くの無名というわけではなかったものの、元々オーストリア出身で強いドイツ訛りがあるうえ、当時は英語が不得意なこともあり中々役に恵まれず、苦労を重ねていた。しかし、却ってこの英語の不得手さがロボットであるT-800の非人間感と相性がよく、『コナン』に次ぐシュワルツェネッガーの当たり役となった[8]ことで、一躍国際的なスターへと上り詰めた。
カイルを演じたマイケル・ビーンも、オーディション当時は舞台劇の影響で南部訛りが強かったため、不自然という理由で落とされかけたが、エージェントによって南部出身者ではないと説明され、危機を脱した[要出典]。
なお、主役を交代したヘンリクセンは本作でブコビッチ刑事を演じている。
裁判