フレームドラムはヨーロッパの中世には広く見られた。バロック・古典派の時代には通常使われなかったようだが[3]、グルック『エコーとナルシス』やモーツァルト『6つのドイツ舞曲』K571などはタンバリンが使われた早い例になっている[3]。19世紀にはいるとエキゾチックさを演出するために使われ[3]、とくにスペインの、あるいはジプシー音楽の雰囲気を出すために使用された[3]。ベルリオーズは『ローマの謝肉祭』で2台、『イタリアのハロルド』で3台のタンバリンを使用している[3]。 各国で様々に呼ばれているのは、タンバリンの原義が「小さな太鼓(タンブール+指小辞イン)」というに過ぎないからであり、他にもタンバリンと呼びうる楽器があるからである。それで、「バスク風」(baskische、de basque)とか「シンバルの付いた」(Becken-)ということばを添えているのである。
タンバリンが活躍する曲の例
ジョルジュ・ビゼー:歌劇『カルメン』
エマニュエル・シャブリエ:狂詩曲『スペイン』
ニコライ・リムスキー=コルサコフ:『スペイン奇想曲』、『シェヘラザード』
アントニン・ドヴォルザーク:序曲『謝肉祭』
ピョートル・チャイコフスキー:『くるみ割り人形』よりトレパックおよびアラビアの踊り、『イタリア奇想曲』
リヒャルト・シュトラウス:『サロメ』より「7つのヴェールの踊り」
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ペトルーシュカ』より二人のジプシー娘、『春の祭典』
グスターヴ・ホルスト:組曲『惑星』より「木星」
オットリーノ・レスピーギ:『ローマの松』(タンバリンをスネアドラムのスティックで叩く珍しい技法が使われる)
カール・オルフ:カルミナ・ブラーナ
田村文生:『アルプスの少女』
山田康太:だんだんよりシジミジルのテーマ
タンブリンの輪:童謡 作詞:山下武夫 作曲:岩河三郎
ヘイ!タンブリン:童謡 作詞:吉岡治 作曲:湯山昭
真実一路のマーチ:水前寺清子の楽曲 作詞:星野哲郎 作曲:米山正夫
ぐるぐるカーテン:乃木坂46の楽曲 作詞:秋元康 作曲:黒須克彦
イエロー・タンブリンマン:NHK「うたっておどろんぱ」より 作詞:吉田仁美 作曲:大森俊之
アレクサンドル・ボロディン:交響曲第2番 ロ短調
バリンタン:関ジャニ∞の楽曲 作詞:村上信五 作曲:安田章大
全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ:サンボマスターの楽曲 作詞・作曲:山口隆
各国語の呼び名
独:Tamburin, Schellentrommel, Schellentamburin, baskische Trommel, Beckentamburin
仏:tambour de basque, bedon de Biscaye
英:tambourine
伊:tamburino, tamburo basco, tamburello
タンバリン教本(タンブレロ奏法含む)