1498年にポルトガル王国の航海者ヴァスコ・ダ・ガマがインド航路を開拓し、インド洋におけるポルトガルの覇権が始まった。ポルトガルは1505年にキルワ王国を滅ぼしたあと、東アフリカの各地を制圧した。 アラブ勢力の拡大にともない、ポルトガル勢力はオマーンによって1698年に現在のタンザニア領から駆逐され、南方のモザンビーク島にまで撤退した。その後、19世紀に入るとオマーン帝国(アラビア語: ???????????? ????????)のサイイド・サイード王が在地のマズルイ家
オマーン帝国時代
1880年代にアフリカ分割が始まると、カール・ペータースの活動によって1885年に大陸部にドイツ東アフリカ会社の植民地が認可された(ドイツ領東アフリカ)。19世紀後半からインド洋に進出していたイギリスは、1890年7月1日にドイツとヘルゴランド=ザンジバル条約を締結し、ザンジバル領のうち、沿岸地方はドイツが獲得し、島嶼部のザンジバルをイギリスの保護国とした。1890年に保護国となったザンジバル・スルタン国は、政変にともなう1896年のイギリスとの戦争でイギリスに一方的に敗北し、保護国化当初のザンジバルへの内政不干渉の原則は反故にされ、以後ザンジバルではイギリスによる行政が進んだ。
一方、大陸部のタンガニーカでは、ペータースの植民地会社は沿岸地方で発生したアブシリの反乱の鎮圧に手こずり、会社による統治は不可能と判断され、本国ドイツから総督の派遣を受ける統治形態へと変わった。19世紀末、領域内部には部族国家が複数存在しており、中でもルヴマ州のソンゲア・ルワフ・ムバノ率いるンゴニ族とイリンガ州のムクワワ率いるヘヘ族(英語版)が二大勢力であったが、相争っていたため、数年がかりで各個制圧されていった。しかしながら、指導者ムクワワが率いるヘヘ族(英語版)とのゲリラ戦(1891年 - 1898年)は長期化した。1905年の霊媒師キンジキティレ・ングワレ(英語版)(Kinjikitile Ngwale)が主導するマジ・マジ反乱はンゴニ族も呼応して最大の反乱となったが、ヘヘ族がドイツ側について部族の垣根を越えることはできず、徹底的に鎮圧された。この反乱を受けて、ドイツは統治政策の見直しを行うこととなった。沿岸部からタンガニーカ湖までを結ぶ鉄道(ドイツ語: Tanganjikabahn、現在のタンザニア中央鉄道(英語版))は、1905年にダルエスサラームを起点に着工し、1914年には終点キゴマに到達して完成した。
1914年に第一次世界大戦が勃発すると、東アフリカ戦線ではパウル・フォン・レットウ=フォルベック将軍率いる現地人兵士(アスカリ)を中心としたゲリラ部隊がイギリス軍などを相手に本国の降伏時まで交戦を行った。 第一次世界大戦がドイツの敗北で終結したことによりドイツ領東アフリカは解体され、大半はイギリスの委任統治領タンガニーカ準州となり、東北部のルアンダ=ウルンディはベルギーの委任統治領となった。イギリスは東アフリカで4地域(ウガンダ、ケニア、タンガニーカ、ザンジバル)を支配することとなり、これらには関税同盟が敷かれ、ドイツ領東アフリカルピー
イギリス・ベルギー植民地時代
1939年に第二次世界大戦が勃発するとイギリス領だった東アフリカ地域からは28万人が動員され、タンガニーカからは8万7,000人が出征した[1]。東アフリカ部隊は東アフリカ戦線でイタリア軍と、ビルマ戦線で日本軍との戦いを繰り広げ、インパール作戦で日本軍が対峙したイギリス軍には多くのアフリカ人のアスカリが存在した。
独立と連合タンザニア連合共和国初代大統領ジュリウス・ニエレレ。「ムワリム」(スワヒリ語で「先生」の意)と呼ばれ、タンザニア人の尊敬を集めている。
第二次世界大戦後、世界的な脱植民地化の潮流の中でタンガニーカ=アフリカ人民族同盟(英語版)(TANU)が次第に支持を集め、1961年12月9日に大陸側のタンガニーカがイギリスの合意のもと平和的に独立した。1963年にはザンジバル王国も主権を獲得して独立した。しかし、翌1964年1月にザンジバルで革命が勃発すると国王は亡命し、アラブ人排斥の流血の事態の中でザンジバル人民共和国が成立した。その後、ザンジバルでの政変を経て、ニエレレの汎アフリカ主義の精神の下で両国は連合し、1964年4月26日にタンガニーカ・ザンジバル連合共和国が成立した[2]。同年10月29日、この国家連合は両国の名称とかつてこの地域で栄えたアザニア文化(英語版)の名称を複合し、タンザニア連合共和国と改称した。
独立後、連合共和国の初代大統領となったジュリウス・ニエレレは、内政面ではスワヒリ語を国語とし、1967年のアルーシャ宣言(英語版)発令以後は社会主義の建設を目指し、ウジャマー(英語版)と呼ばれるコンセプトに基づいたアフリカ社会主義を採用した(ウジャマー社会主義)。