タングステンまたはウォルフラム(ドイツ語: Wolfram [?v?lfram]、ラテン語: wolframium、英語: tungsten [?t??st?n]スウェーデン語:重い石)は、原子番号74の金属元素であり、クロム族元素に分類される。元素記号は Wである。 タングステンの原子量は183.84で、その単体は銀灰色で重く、比重は19.3である。比重が金(Au)に近いため[注 1]、金の延べ板の偽造に用いられた事例が有る[3]。 化学的には比較的安定で、常圧における融点は 3380 °C で、沸点は 5555 °C である。金属の単体では最も融点が高く、金属としては比較的大きな電気抵抗を持つ[4]。 なお、タングステンは硬くて脆いというイメージが持たれているものの、これは不純物が混じっている合金である場合であり、高純度なタングステンは柔らかい[5]。ただし、これ以降は特に断りが無い限り、高純度ではないタングステンやタングステンの化合物について記述する。
性質
タングステンの化合物
タングステン酸ジルコニウム(ZrW2O8) - 負の熱膨張を示す。
タングステン酸アルミニウム
酸化タングステン(VI)(WO3) - 鉱物として産出する。
炭化タングステン(WC) - 最も沸点の高い物質で、常圧における沸点は、約 6000 °C である。また、ダイヤモンドに次ぐ硬さがある。
パラタングステン酸アンモニウム - タングステンを鉱石から精錬した際に作られる中間生成物である。
銀タングステンカーバイド(AgWC)、銅タングステン(CuW) - 真空遮断器などのバルブ内の接触子材料として用いる場合がある。
硫化タングステン(IV)(WS2) - 固体の潤滑剤として用いる場合がある。
フッ化タングステン(VI)(WF6) - 常温常圧において、特に密度の高い気体として知られる。水と反応すると分解する。
タングステン酸塩鉱物「鉱物の一覧#タングステン酸塩鉱物」も参照