20世紀後半になると、紙面改革に取り組み始めた欧米の高級紙が、通勤中にも読みやすい小型の判型としてタブロイド判に着目した。1970年代にイギリスの『デイリー・メール』と『デイリー・エクスプレス』がブロードシート判からタブロイド判に移行し、『デイリー・メール』は旧来のレッドトップス紙のイメージから脱却を企図して新しい判型に「コンパクト判」(Compact) の名称を提唱した。
小型の判型は現代的で特徴的な紙面作りに有利で、イギリスでは2007年以降に『スコッツマン』や『タイムズ』などが相次いでタブロイド判へ移行し、紙面デザインを刷新した。アメリカでも『ニューヨーク・ポスト』『フィラデルフィア・デイリー・ニュース』『ボストン・ヘラルド』などがタブロイド判へ移行したが、「地下鉄版」や「地方版」だけをタブロイド判にしている社もある。
タブロイド判の小ささを避け、イギリスの『ガーディアン』やフランスの『ル・モンド』など、タブロイド判より一回り大きいベルリナー判で紙面の小型化を実現する社も増えている。 1947年(昭和22年)、学童用教科書の用紙不足が深刻化したため、同年3月9日、日本新聞協会所属の116社は週2回(日・月)の新聞をタブロイド判で発行することとした。この措置は同年5月まで続けられた[2]。
日本の全紙タブロイド化
タブロイド判の新聞
イギリス
レッドトップス紙
ザ・サン
ニュース・オブ・ザ・ワールド[注釈 1]
デイリー・スター
デイリー・ミラー
サンデー・ピープル
デイリー・スポーツ
コンパクト紙
デイリー・メール - 1971年にブロードシート判からタブロイド判に移行。
デイリー・エクスプレス
インディペンデント
タイムズ
ガーディアン・ウイークリー - 2007年にタブロイド判からハーフ・ベルリナー判 (235mm×315mm) に移行。本紙のガーディアンは2006年にベルリナー判を採用。
スコッツマン
アメリカ合衆国
ナショナル・エンクワイアラー
ウィークリー・ワールド・ニューズ
ザ・スター
ザ・グローブ
ザ・エグザミナー
ニューヨーク・ポスト
デイリーニューズ
ニューズデー
シカゴ・サンタイムズ
ボストン・ヘラルド
日刊サン[注釈 2]
ミラ
日本
夕刊フジ - 大衆紙
日刊ゲンダイ - 大衆紙
SANKEI EXPRESS - ダイジェスト。2016年に休刊
フジサンケイ ビジネスアイ - 経済紙。2021年に休刊
しんぶん赤旗日曜版 - 政党機関紙。週刊紙では発行部数最多
東海日日新聞 - 地方紙
プロスポーツ - 競輪の専門紙。2019年に休刊