タジキスタン
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アフガニスタンへの支援に適している地政学的重要性からインドが海外初の軍事基地を設置しているほか[7][8]中国人民解放軍の駐留基地も存在していることを、米国の『ワシントン・ポスト』は衛星写真や現地取材などをもとに報じている[9]
21世紀

ラフモン政権下の同国は自国民の愛国心を高めるためとして、2007年、大統領自らペルシア風の名前に改名すると、ほぼ全ての公務員が倣ってペルシア風の名前に改名した[10]。また、ソ連時代から用いられ続けていた(公用語としての)ロシア語を2009年に廃止。2016年には出生届に関する新法を施行し、産まれてくる子供に外国名を名付けること(特にロシア語での命名)を禁止している[11]。最近では、テレビ番組に外国風の衣装を身に着けたキャラクターを登場させることを禁止するほか、仕事で海外から渡ってきた人間の母語を含む多言語の使用にも制限が設けられる事態が起こっている[12]

このほかには、ソ連の名残を払拭する目的から祝祭を規制する法律を厳格化したことが挙げられる。新年を祝うことを禁じ、ヒンドゥー教ホーリー祭を祝う行事に参加した若者を「ハラームに該当する行為」だとして強制的に解散させるといった取り締まりが執行されたほか、学校の卒業パーティーを禁止する方針が固められたり、個人の誕生日を「自宅だけで祝う」ようにさせるなどの措置がとられたりしている[13]

2018年7月29日、首都ドゥシャンベからアフガニスタン国境に向かう道路を南に約150キロメートル下った付近の地域で、観光目的で現地を訪れていた外国人グループが襲撃され4名が死亡する事件が発生した[14]

キルギスとの国境線は半分近くが確定しておらず、水資源の奪い合いなどの住民同士のトラブルが国境紛争に発展する危険性をはらんでいる。2021年、2022年には死傷者が生じる軍事衝突が発生した[15][16]。2022年の衝突は両国首脳が参加して行われた上海協力機構首脳会議の期間中に発生しており、互いに部隊を撤収させることで合意を見たが現地では戦闘は続いた[17]

2022年10月14日にカザフスタン首都アスタナで開かれた、ロシアと中央アジア5カ国の首脳会議では、ラフモン大統領がロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンに、中央アジア諸国を、ソ連時代のように軽視し、属国のように扱うべきではないと要求する一幕があった[18]
政治首都ドゥシャンベにある大統領官邸
「タジキスタンのホワイトハウス」「タジキスタンのパレ・デ・ナシオン」の異名を持つエモマリ・ラフモン大統領詳細は「タジキスタンの政治(タジク語版、英語版)」を参照
政治体制

タジキスタンの政体共和制をとる立憲国家である。現行憲法1994年11月に採択されたもの。
行政府

タジキスタンの大統領国家元首として強大な権限を憲法により保障されており、国民の直接選挙で選出される。大統領は首相を任命する。副大統領(英語版)職は1992年に廃止されている。大統領の任期は7年だが、2016年の国民投票で、現職のラフモン大統領に限り任期制限が撤廃される憲法改正案が承認された[19]

内閣に相当する閣僚評議会のメンバーは、最高会議の承認のもとに大統領が任命する。「タジキスタン共和国内務省(タジク語版)」も参照
立法府詳細は「最高議会 (タジキスタン)」を参照

立法府二院制最高会議(マジリシ・オリ)で、国民議会(上院、マジリシ・ミリー)と人民代表議会(下院、マジリシ・ナモヤンダゴン)で構成される。国民議会は33議席で、うち25議席は地方議会による選出枠、残りは大統領が任命する。人民代表議会は63議席で、そのうち41議席は小選挙区制、22議席は比例代表制で選出される。両院とも任期は5年。

2015年3月1日には下院選挙が行われた[20]
政党

主要政党には大統領エモマリ・ラフモン2007年4月14日、ラフモノフから改名)率いるタジキスタン人民民主党、旧ソ連時代の政権党であったタジキスタン共産党、そしてイスラム主義宗教政党タジキスタン・イスラム復興党の3つがある。この3党は、比例代表制での5%障壁を超えることができた。タジキスタン人民民主党以外は野党つまり反政府派であり、当初の和平協定では反政府派に政府閣僚級ポストの5%が所定枠として当てられ、「民主的国家」を目指すことになっていたが、2006年11月の大統領選挙で現大統領が再選すると野党反政府派は主要ポストからほぼ退かされた状況にある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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