タクティクスオウガ_リボーン
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前作、伝説のオウガバトルでは、キャラクターの集合体が(実際に行動可能な)一つの「ユニット」として扱われていたのに対し、本作では個々のキャラクター自体が独立したユニットとして扱われ、前作のユニットに該当する集合体の概念を「ユニオン」と位置付けている。デニムをリーダーとするユニオン(所属部隊)は、ユニットを最大30人(本人を含む)まで保有する事が可能で、1つの戦闘マップでは、基本的にアタックチームとして最大でユニット10体まで出撃させる事ができる(Lサイズユニットは2体まで)。戦場で傷つき、HPが0になったユニットは、「戦死者」として扱われる。ただし、その戦闘マップ中に限り、死亡者をアイテムや魔法「リザレクション」で復活させることは可能である。また例外的に、スケルトンゴースト等のアンデッド系は、死亡後に何度も復活する不死身のユニットに該当するため、このセオリーに当てはまらない。

『運命の輪』では、Lサイズユニットも1体として最大12人まで出撃可能(ただしマップにより最大出撃数は変動)となり、ユニオンの最大ユニット数も50人に拡張された。また、ライフの要素が登場し、バトル中にHPを失い、放置されるとライフを失う。そしてライフを3つ失うことによって、ユニットは死亡する、といったように、ユニットの死亡条件が緩和された。また、ユニットの個性演出として、ファイナルファンタジータクティクスのアビリティに類似するスキルというシステムが登場している。
キャラクターメイキング
NEW GAMEを選んでゲームを始めると、既存のRPG等と同様に主人公のファーストネームデフォルトはデニム)と、出生日を任意で決める事ができる。次に、風、火、土、水を司る4人の女神から3つの質問があり、それらに回答した後、加護を受けたい守護属性を決めるとメイキングは完了する。この女神からの12の質問は、主人公の初期パラメーターと、カチュアやヴァイス等、数名の主要キャラクターのエレメントを決定するものである。『運命の輪』では、『伝説のオウガバトル』のように、ゲームスタート時に、5つのタロットカードの問題の選択肢を選ぶことによって、デニムの初期ステータスが変化するようになっている。主人公の所属するユニオンの部隊名も任意で決める事ができる。
チュートリアル、オンラインヘルプ
本作の取扱い説明書は、ごく基本的な事柄のみしか記載していない。その代わりに、ソフトのデータ内に「チュートリアル」という項目がゲーム本編とは別に設けられており、ゲーム内で必要となる知識をプレイヤーがここで詳しく学ぶ事が可能である。また、「オンラインヘルプ」も設けられている。これは、ゲーム本編で何時でも(戦闘時であっても)使用でき、出現するカーソルで忘れた項目や、不明な項目の解説や意味をリアルタイムで知る事が可能である。このヘルプメッセージで得られる情報の種類は、ゲームを通して非常に重要な事柄から、ネタ的な意味のない事柄まで膨大な物である。

本作を象徴するもう一つの側面として、エクストラステージ「死者の宮殿」の存在が挙げられる。地下100階という全ステージ最大の規模で構成されており、一度外へ出てしまうとまた1階からの挑戦となる上に、あらゆる面で通常進行上の最終ステージとは比べ物にならないほどの凄まじい難易度を誇るため「真の最終ステージ」として広く認知されている。ただし、ある場所で地下4階への通路の手がかりを見つけない限りは地下3階で探索が打ち切られ、強制的にワールドマップへ戻されてしまう。ここでしか見つからないキャラクターやゲームバランスを崩すほど強力なアイテム、特定キャラクターのストーリーが存在し、特に各ルートのアイテムコンプリートには欠かせない場所である。また、このステージではイベントバトル・ランダムバトル共に経験値が一切入らず、MVPによるレベルアップも起こらない。ただし、敵を倒した場合の殺害数はカウントされる。
HERMIT[ソースを編集]

マップは画期的な2Dで描かれた立体的なオブジェクトを配置する形で描かれており、HERMITと称されたクエスト独自開発のゲームエンジンを使用して構成されている。これは、「高さ」や「パネルの種類」などの各種データから秒間19,000ブロックのグラフィックを自動生成するもので、極めて少ないデータ量で三次元的なマップを作ることができる[5]

これに従う形で「高さ・ユニットの向き」の概念も導入している。低い場所から高い場所には攻撃が届きにくかったり、高台から低地へ矢を撃つと射程が伸びたり、ユニットの背後から攻撃すると命中率がアップしたり…などと戦術にダイレクトな影響を与えるため、戦闘に投入するユニットの選択・運用も奥深いものとなっている。

このシステムの導入によって、高所を確保し投射武器である弓で攻撃するという戦法が非常に強く、逆に近接戦を挑むメリットに欠けることになった[4]
ウェイトターンシステム[ソースを編集]

この作品での戦闘で最も特徴的なのは、「ウェイトターンシステム」と呼ばれるシステムである。開発元のクエストでは、本システムのことを「NATSシステム(Non-Alternate Turn System)」とも呼称している。また、戦闘時はリアルタイムで時間経過の概念があった前作と異なり、本作では、個々のユニットが行動する際、一旦時間が止まり、他のユニットは待機状態になるため、落ち着いて戦略行動を吟味する事が可能である。

このシステムはプレイヤーやコンピュータが、自軍全体→敵軍全体→自軍全体…というように交互に行動を指示する集団ごとのターン制ではなく、各敵味方のユニットがそれぞれ持っている「ウェイト」という数値をすべて消費した順番に行動する、いわば個々のキャラクター単位のターン制である。なお、ウェイトが減少していく過程の時間は、待ち時間がある訳ではなく、瞬時に次に行動可能なユニットへとスイッチしていくシステムである。ウェイト値が0になり行動可能になったユニットは「移動」と(移動以外の)「行動」を順不同で行える。「移動」と「行動」の両方を行えばそのユニットの最大ウェイト値の分待たないといけない。これが「移動」か「行動」どちらかのみの場合は最大ウェイト値の3/4待つだけでよく(ウェイト値上限が400のユニットなら300から減っていく)、何もしなければ1/2のウェイト消費で再び次の行動順番待ちとなる(上限が400なら200から減っていく)。これによりプレイヤーは常に変わり続けるユニットの行動順を意識して戦略を立てなければならない。(典型的なターン制では、それぞれの集団内の行動順は「素早さ」などの数値によりあらかじめ決まっていて、小規模な戦闘の勝敗が決するまでは行動順はほぼ変わらないものが多い)。

ウェイト値は、クラスやAGI(素早さ)のパラメーターで基本値が、装備する武具の重量などで補正値が算出され、レベルアップ時には他のパラメーターと異なり値が減少する。戦闘時、ウェイト値は各ユニットの上限値から同時に減少していき、より早く0になったユニットから行動可能になるというシステムなので、値の少ない(素早い)ユニットのほうが多い(鈍重な)ユニットよりも、より多く行動できる。ただし、魔法行使の際に必要となるMPに関しては、時間経過でMPがチャージされていくため、行動可能となってもMPチャージ量がこれに追随できず(足りなくて)魔法が使えないことがある。詳しくは後述の「魔法」の項を参照。

ウェイト値における装備品の重量の影響は著しく、装備品の付け方で自軍ユニットの行動順をある程度、意図的に操作する事もできる。

このシステムの性格上、戦闘に多方面から影響を与えるAGI(素早さ)はユニットの最重要パラメーターの一つとなっている。戦闘時にトレジャーとして、キャラクターのパラメーターを上昇させるカードが出現することがあるが、AGIを強化するカードのみ存在しないのも、その影響力の大きさから、ゲームバランスが破綻しないよう考慮しての事である(ただし、ゲーム内には没データとして存在している)。
ユニット(キャラクター)[ソースを編集]

各ユニットにはHP(体力)、MP(魔力)、WT(ウェイト)、STR(力)、VIT(生命力)、INT(知力)、MEN(精神力)、AGI(敏捷性)、DEX(器用さ)、LUK(運の良さ)のパラメーターが設定されている。これらの数値を基に、クラス別の補正がなされ、物理攻撃力、間接攻撃力、魔法攻撃力、物理防御力、魔法防御力が(シンボルマークで)数値化される。この他に個々のステータス画面では、基本的に変動しない、またはクラス別に固定された「move(移動力)」、「移動形態」、「ユニオン(所属部隊)」、「レイス(民族や人種)」の確認ができる。またユニットは、一般の人間系などに該当する「Sサイズユニット」と、魔獣やドラゴン等のウェイトが重く、武具を装備不可(消耗品などの、装備箇所が「袋」のマークであるアイテムのみ所持可能)な「Lサイズユニット」に分けられる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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