その後、2箇所の複合閘門(閘門と締切水門)及び堤防上の高速道路が建設され、1933年9月にアフシュライトダイクに関する全ての工事か完了した。
アフシュライトダイクの建設と平行して、最初の干拓地である北ホラント州のウィーリンゲルメール干拓地が1929年に全長18kmの堤防が締め切られて排水を開始し、1930年8月に排水を完了している。
次に行われたのはフレヴォランド州のフレヴォランド北東干拓地の干拓事業で、1940年に全長55kmの堤防が締め切られ、1942年9月に排水を完了している。
最後に行われたのがフレヴォランド干拓地の干拓事業で、東干拓地と南干拓地の2工区に分けて干拓された。フレヴォランド東干拓地は1956年に全長90kmの堤防を締め切り、1957年6月に排水を完了している。またフレヴォランド南干拓地は1967年に全長70kmの堤防を締め切り、1968年に排水を完了している。
5番目の干拓地としてマルケルメール干拓地が計画されていたが、2000年に計画が正式に破棄されたため、ゾイデル海開発は1986年に完全に完了したことになった。
現在、完成した干拓地の土地利用目的は次のようになっている。
干拓地の土地利用状況干拓地名総面積農業用地住宅用地未開発土木基盤用地
ウィーリンゲルメール200 km287 %1 %3 %9 %
フレヴォランド北東480 km287 %1 %5 %7 %
フレヴォランド東540 km275 %8 %11 %6 %
フレヴォランド南430 km250 %25 %18 %7 %
干拓地の排水は造成時だけでなくその後も継続して行われており、複数の排水ポンプ場が干拓地に建設されている。これらのポンプ場はディーゼル機関方式のものと電気方式のものがあり、方式を変えているのは片方の方式のエネルギー供給等が止まった場合を考えての冗長化の思想によっている。
脚注^ 長坂寿久著『オランダを知るための60章』明石書店 2007年 67-68 ページ