ソード&サンダル
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その成功で続編『ヘラクレスの逆襲』や、レグ・パーク(Reg Park)、ゴードン・スコット(Gordon Scott)、マーク・フォレスト(Mark Forest)、ブラッド・ハリス(Brad Harris)、ダン・ヴァディス(Dan Vadis)、アラン・スティール(Alan Steel)といった他のボディビルダーを主演とした低予算の模倣作品が作られることになった。ヨーロッパの観客には主役に英国系米国人を好む傾向があり、イタリアのボディビルダーは名前を英語風に変えた。たとえば、「アラン・スティール」はセルジオ・シアーニ(Sergio Ciani)の別名である。

ソード&サンダル映画の多くは、お決まりのプロットを持っていた。それは2人の女性がヒーローをめぐって恋の争いをするというもので、一方はヒーローの助けを求める純真なDamsel in distress(囚われの姫君)、もう一方はファム・ファタールとしてのヒーローの主人である邪悪な女王である。ほとんどのソード&サンダル映画に出てくるシーンには、ベリーダンスやそれに似たバレエがあり、それは狂乱の描写を意味し、また悪役側の(キリスト教から見て)異教的なデカダンスを強調するものだった。不自然なプロットに、オーバーダビングした台詞、主役のボディビルダーの未熟な演技、伝説の生物の描写としては何ともお粗末なSFXといったすべての要素は、現在の視点から見れば、キャンプさを作品に与えている。しかし、当時の一般の観客にとっては多くのソード&サンダル映画は広く楽しまれ、製作価値もあった。
ヘラクレス・シリーズ

1957年から1965年にかけて、19作の『ヘラクレス』シリーズが製作された。ヘラクレスを演じたのは、スティーヴ・リーヴスゴードン・スコット、アドリアーノ・ベッリーニ(チラシでは「カーク・モリス(英語版) Kirk Morris」)、ミッキー・ハージティ、マーク・フォレスト(英語版)、アラン・スティール(英語版)、ダン・ヴァディス(英語版)、レグ・パークピーター・ルーパス(チラシでは「ロック・スティーヴンス Rock Stevens」)、マイク・レイン(英語版)らである。

ヘラクレス(1958年)、原題:Le Fatiche di Ercole(ヘラクレスの功業)、アメリカ公開題:Hercules、主演:スティーヴ・リーヴス

ヘラクレスの逆襲(1959年)、原題:Ercole e la regina di Lidia(ヘラクレスとリディアの女王)、アメリカ公開題:Hercules Unchained、主演:スティーヴ・リーヴス

豪勇ゴライアス(1960年)、原題:La Vendetta di Ercole(ヘラクレスの復讐)、アメリカ公開題:Goliath and the Dragon、主演:マーク・フォレスト

ヘラクレス対ハイドラ(1960年)、原題:Gli Amori di Ercole(ヘラクレスの恋人たち)、アメリカ公開題:Hercules Vs The Hydra、主演:ミッキー・ハージティ

アトランティス征服(1961年)、原題:Ercole alla conquista di Atlantide(アトランティス征服のヘラクレス)、アメリカ公開題:Hercules and the Captive Women, aka Hercules and the Haunted Women、主演:レグ・パーク

ヘラクレス 魔界の死闘(1961年)、原題:Ercole al centro della terra(地球の中心のヘラクレス)、アメリカ公開題:Hercules in the Haunted World、主演:レグ・パーク、監督:マリオ・バーヴァ

Maciste contro Ercole nella valle dei guai(マチステ対悩みの谷のヘラクレス)(1961年)、アメリカ公開題:Hercules in the Vale of Woe、主演:カーク・モリス

Ulisse contro Ercole(ユリシーズ対ヘラクレス)(1962年)、アメリカ公開題:Ulysses Vs. The Son of Hercules、主演:マイク・レイン

ヘラクレスの怒り(1962年)、原題:La Furia di Ercole(ヘラクレスの怒り)、アメリカ公開題:The Fury of Hercules, aka The Fury of Samson、主演:ブラッド・ハリス

ヘラクレス・サムソン・ユリシーズ(1963年)、原題:Ercole sfida Sansone(ヘラクレス対サムソン)、アメリカ公開題:Hercules, Samson and Ulysses、主演:カーク・モリス(ヘラクレス役)

Ercole contro Molock(ヘラクレス対モロク)(1963年)、アメリカ公開題:Hercules Vs. the Moloch, aka The Conquest of Mycene、主演:ゴードン・スコット

Ercole l'invincibile(無敵ヘラクレス)(1964年)、アメリカ公開題:Son of Hercules in the Land of Darkness、主演:ダン・ヴァディス

il Trionfo di Ercole(ヘラクレスの勝利)(1964年)、アメリカ公開題:Hercules Vs. The Giant Warrior, aka Hercules and the Ten Avengers、主演:ダン・ヴァディス

Ercole contro Roma(ヘラクレス対ローマ)(1964年)、アメリカ公開題:Hercules Against Rome、主演:アラン・スティール

Ercole contro i figli del sole(ヘラクレス対太陽の息子)(1964年)、アメリカ公開題:Hercules Against the Sons of the Sun、主演:マーク・フォレスト

Ercole contro i tiranni di Babilonia(ヘラクレス対バビロンの暴君)(1964年)、アメリカ公開題:Hercules and the Tyrants of Babylon、主演:ロック・スティーヴンス

Ercole, Sansone, Maciste e Ursus: gli invincibili(ヘラクレス、サムソン、マチステ、ウルスス:無敵の者たち)(1964年)、アメリカ公開題:Samson and the Mighty Challenge、主演:カーク・モリス(ヘラクレス役)

Hercules and the Princess of Troy, aka Hercules vs. the Sea Monster(1965年)、主演:ゴードン・モリス - 実現しなかったチャールズ・バンド製作のTVシリーズのパイロット版として作られたイタリア=アメリカ合作の45分の映画。

Sfida dei giganti(巨人たちの挑戦)(1965年)、アメリカ公開題:Hercules, the Avenger、主演:レグ・パーク - レグ・パーク主演の2本のヘラクレス映画のストック・フッテージのほとんどを使って構成されたもので、明らかにアメリカでのTV公開のために作られたもの。

三ばか大将(Three Stooges)が1962年に作ったアメリカのコメディ映画『おまぬけ3 ヘラクレスに会う(The Three Stooges Meet Hercules)』では、カナダの肉体派俳優サムソン・バーク(Samson Burke)がヘラクレスを演じた。


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