2007年にドイツのヴァイマールの研究者が、チューリンガー・ロストブラートヴルスト(Thuringer Rostbratwurst)に関する1432年の法律を発見している。[6]豚肉でつくるソーセージはつくった朝のうちに食べなければならないという法律。[5]
製法ソーセージフィラーを使ったソーセージ作り(ハンガリー)
温度管理に気を付ける
ひき肉は事前まで冷蔵庫に入れて冷やしておき、家庭で手作りする場合には、スタッファーやボウルも冷凍庫で冷やしておき、肉をこねるときにも「氷」を数個入れてミキサーを使うなど、低温を保つ必要がある。肉が温まると、赤身と油がうまく混ざらずパサパサになるためである。
カッターで混ぜる
「ひき肉」に、香辛料、塩、氷のほか、食中毒防止のため亜硝酸ナトリウムを加えて、食品用カッターに入れる。香辛料は、ホワイトペッパーなどをベースに、オニオン、カエンペッパー、ナツメグ、キャラウェイ、コリアンダー等を好みに応じて入れる。3000回転でかき混ぜてから、「ブロック肉」と塩を加えて、さらに混ぜていく。これが「粗挽きソーセージ」の歯応えになる。刃を逆回転にして練っていく。
空気を抜く
上記において完成したものを、何度か叩いて空気を抜く。
ケーシングに詰めて成型する
原則として、肉・塩をケーシングに詰めて成型する(ケーシングを用いないものも存在する)。塩を入れる理由は、有害な微生物の増殖を抑制することと、筋繊維タンパクを溶解させ肉同士を結合させるためである。種類によってはパン、小麦粉、米、オートミール、コーンミール、春雨など、デンプン質の素材を混ぜることもある。調理時にこれらが肉から出る水分や脂肪を吸収することで、ソーセージを縮みにくくさせるためである。肉をケーシングに詰める作業には、絞り袋、もしくは専用の絞り器や「ソーセージフィラー」と呼ばれる機械を用いる。ソーセージフィラーはシリンダー状の本体に何らかの動力が組み合わされたもので、ケーシングを口金にセットして圧力をかけると挽肉が押し出される仕組みになっている。加熱したときに膨張して破裂しないよう、小さい針でところどころに穴を開けておく。
吊るして乾燥させる
上記が出来上がったら、吊るして少し乾燥させてから、燻製などを行う。
保存処理をする
保存食とする場合、こののちにしかるべき保存処理を行う。保存のための加工方法は乾燥、燻製、発酵、煮沸など多岐にわたる。このように、製造過程ですべての処理を済ませ、そのまま食べられるものを調理済みソーセージと呼ぶ。これを行わず、製造後数日経って食べることを想定したものを生ソーセージと呼ぶ[7]。日本のソーセージ業界では、ボツリヌス菌の繁殖を抑える目的で、亜硝酸ナトリウム(発色剤)の添加が食品衛生法により義務付けられている。
種類「ソーセージの一覧(英語版)」を参照
大きさ、原材料の動物、中に詰める肉の粗さ、調味料とその有無、肉と脂肪との比率、血液の有無、保存方法とその有無などは、地域や用途によって大きな差異が存在する。 肉は、食のタブーに合わせた種類が用いられる。北アフリカでは豚肉の代わりにハラールの羊肉を使い赤唐辛子をきかせた腸詰があり、移民の多いフランスでも一般的である。ユダヤ人人口の多いニューヨークでは、牛肉製のフランクフルトやサラミが市販されている[9]。
製造法別
ドライソーセージ
セミドライソーセージ
産地別
ヨーロッパ・ロシアなど
ドイツ - ドイツのソーセージ参照
ドイツのヴルストは、地名を冠して呼ぶことが多い。地方ごとに多種多様な形態があり、フランクフルト産の場合をフランクフルター・ヴルスト(フランクフルト風ソーセージ)と呼んでいる。
細くて長いテューリンガー・ヴルスト、短いニュルンベルガー・ヴルストやミュンヒナー・ヴルストなど、様々な種類がある。
ドイツのソーセージに似た郷土料理に、赤身肉やジャガイモをメス豚の胃に詰めてゆでたプファルツ風のプフェルツァー・ザウマーゲンがある。また、メットをソーセージの中身のように調味して、パンなどに塗りつけ食するという料理法もある(メットヴルスト参照)[8]。
オーストリア - もっとも簡単な食事としてソーセージを茹でて甘いマスタードとパンを添えて出す。茹でるソーセージには数種類ある。日本のウィンナーソーセージを2倍の長さにし、赤く染めていないものであり、子供も大人も好むフランクフルター(「フランクフルトのソーセージ」という意味)が最も一般的である。これはドイツの「ヴィーナー・ヴュルストヒェン」(ドイツ語版)と同類である。伝説ではフランクフルトでソーセージつくりを学んだ肉屋がウィーンで売り出したからお互いに「フランクフルトから来た」「ウィーン名物の」ソーセージと呼ばれるという。日本のウィンナー・ソーセージの長さのものは「ミニ・フランクフルター」、非常に長いものは「ザッハー・ヴュルステル」と呼ばれる。他にはチーズが入った1960年代に考案の ケーゼクライナー(ドイツ語版)や、香辛料のパプリカが入ったハンガリー東部発祥の「デプレツィーナー」(ドイツ語版)などがある。
オランダ - メトヴォルスト
フランス - ブーダン、トゥールーズ、リヨネーズ、アンドゥイエット(英語版)
イタリア - サラミ、チポラータ(英語版)、モルタデッラ(ボローニャソーセージ)
東ヨーロッパ諸国およびイスラエル - キシュカ
スロヴェニア - クランスカ・クロバサ(クランスキーソーセージ)
ポーランド - キェウバーサ(英語版)
ハンガリー - ハンガリーサラミ(コルバース(ハンガリー語版)
ロシア - カルバサー(ロシア語版)
スペインおよびラテンアメリカ諸国 - チョリソ
ポルトガル - リングィーサ
イギリス - ブラックプディング
イギリスのソーセージに似た郷土料理に、羊の内臓を羊の胃袋に詰めてゆでたスコットランドのハギスがある。
南北アメリカなど
アメリカ合衆国・カナダ - ペパロニ、アンドゥイユ、ブレックファスト・ソーセージ(ケーシングを使わないソーセージ)
アジア・中東・北アフリカなど
日本 - カルパス(※ヨーロッパのドライソーセージをアレンジした日本独自の加工食品)、魚肉ソーセージ
中国 - 中国ソーセージ(臘腸(中国語版)、紅腸、香腸)
台湾 - 豬血?(中国語版)
朝鮮半島 - スンデ
タイ王国 - ネーム、サイクローク・イーサーン
トルコ - シェフターリ・ケバブ(トルコ語版)
マグリブ諸国 - メルゲーズ
リビア - オスベーン
原料別
ブラッドソーセージ - 血を腸に詰めたもの。
レバーソーセージ - 材料の肉の一部をレバーに置き換えたもの。