ソーセージ
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日本語では、腸詰め(ちょうづめ)と表現される[1]ドイツ語ではヴルスト(ドイツ語: Wurst)、フランス語ではソシス(フランス語: saucisse)と総称するなど、各地で同様の製法をとる食品にはさまざまな呼称がある。
メリット

下記のような多くのメリットがあるため、定番の人気商品となっている。
製造工程におけるメリット


ミンチにするため、肉の部位にあまり拘ることなく、肉質が多少悪くても加工できること。

異なる部位の肉や、豚肉と鶏肉などを混ぜることで、味に深みや個性を出したりコストを下げられること。

肉のうまみを逃がさず凝縮できること。

香辛料や
燻製などで風味を加えられること。

使用におけるメリット


冷蔵庫でも長期保存でき、肉よりも日持ちがすること。

一般家庭でも保管がしやすいこと。

短時間に調理でき、調理ミスが少なく美味しいこと。

肉よりも柔らかく、子供や高齢者にも食べやすいこと。

比較的に低価格で購入でき、どの店でも入手がしやすいこと。

加熱調理後に冷めても美味しいうえ、再加熱もできるためお弁当にも使えること。

歴史

この節の加筆が望まれています。 (2020年10月)

後期ラテン語のサルスス(salsus、「塩漬にした」)に由来するサルシキウス(salsicius)の単数女性形サルシキア(salsicia)から転じた古北部フランス語ソーシッシュ(saussiche)が語源[2]

紀元前8世紀の古代ギリシアの、ホメロスによる長編叙事詩『オデュッセイア』には、山羊胃袋脂身を詰めた兵士携行食として登場している[3]

美食家として知られるアルピウスが書いたとされる有名なレシピ集には、ルカニカ(lucanica)と呼ばれる燻製ソーセージが含まれる。その名前は、ギリシャ人によって一部植民化されたルカニアという地域にちなむ。[4][5]

2007年にドイツのヴァイマールの研究者が、チューリンガー・ロストブラートヴルスト(Thuringer Rostbratwurst)に関する1432年の法律を発見している。[6]豚肉でつくるソーセージはつくった朝のうちに食べなければならないという法律。[5]
製法ソーセージフィラーを使ったソーセージ作り(ハンガリー)
温度管理に気を付ける
ひき肉は事前まで冷蔵庫に入れて冷やしておき、家庭で手作りする場合には、スタッファーやボウルも冷凍庫で冷やしておき、肉をこねるときにも「氷」を数個入れてミキサーを使うなど、低温を保つ必要がある。肉が温まると、赤身と油がうまく混ざらずパサパサになるためである。
カッターで混ぜる
「ひき肉」に、香辛料、塩、氷のほか、食中毒防止のため亜硝酸ナトリウムを加えて、食品用カッターに入れる。香辛料は、ホワイトペッパーなどをベースに、オニオン、カエンペッパー、ナツメグキャラウェイコリアンダー等を好みに応じて入れる。3000回転でかき混ぜてから、「ブロック肉」と塩を加えて、さらに混ぜていく。これが「粗挽きソーセージ」の歯応えになる。刃を逆回転にして練っていく。
空気を抜く
上記において完成したものを、何度か叩いて空気を抜く。
ケーシングに詰めて成型する
原則として、肉・塩をケーシングに詰めて成型する(ケーシングを用いないものも存在する)。塩を入れる理由は、有害な微生物の増殖を抑制することと、筋繊維タンパクを溶解させ肉同士を結合させるためである。種類によってはパン小麦粉オートミールコーンミール春雨など、デンプン質の素材を混ぜることもある。調理時にこれらが肉から出る水分や脂肪を吸収することで、ソーセージを縮みにくくさせるためである。肉をケーシングに詰める作業には、絞り袋、もしくは専用の絞り器や「ソーセージフィラー」と呼ばれる機械を用いる。ソーセージフィラーはシリンダー状の本体に何らかの動力が組み合わされたもので、ケーシングを口金にセットして圧力をかけると挽肉が押し出される仕組みになっている。加熱したときに膨張して破裂しないよう、小さい針でところどころに穴を開けておく。
吊るして乾燥させる
上記が出来上がったら、吊るして少し乾燥させてから、燻製などを行う。
保存処理をする
保存食とする場合、こののちにしかるべき保存処理を行う。保存のための加工方法は乾燥、燻製、発酵、煮沸など多岐にわたる。このように、製造過程ですべての処理を済ませ、そのまま食べられるものを調理済みソーセージと呼ぶ。これを行わず、製造後数日経って食べることを想定したものを生ソーセージと呼ぶ[7]。日本のソーセージ業界では、ボツリヌス菌の繁殖を抑える目的で、亜硝酸ナトリウム(発色剤)の添加が食品衛生法により義務付けられている。
種類「ソーセージの一覧(英語版)」を参照

大きさ、原材料の動物、中に詰める肉の粗さ、調味料とその有無、肉と脂肪との比率、血液の有無、保存方法とその有無などは、地域や用途によって大きな差異が存在する。
製造法別

ドライソーセージ


セミドライソーセージ

産地別

ヨーロッパ・ロシアなど

ドイツ - ドイツのソーセージ参照

ドイツのヴルストは、地名を冠して呼ぶことが多い。地方ごとに多種多様な形態があり、フランクフルト産の場合をフランクフルター・ヴルスト(フランクフルト風ソーセージ)と呼んでいる。

細くて長いテューリンガー・ヴルスト、短いニュルンベルガー・ヴルストやミュンヒナー・ヴルストなど、様々な種類がある。

ドイツのソーセージに似た郷土料理に、赤身肉やジャガイモをメス豚のに詰めてゆでたプファルツ風のプフェルツァー・ザウマーゲンがある。また、メットをソーセージの中身のように調味して、パンなどに塗りつけ食するという料理法もある(メットヴルスト参照)[8]


オーストリア - もっとも簡単な食事としてソーセージを茹でて甘いマスタードとパンを添えて出す。茹でるソーセージには数種類ある。日本のウィンナーソーセージを2倍の長さにし、赤く染めていないものであり、子供も大人も好むフランクフルター(「フランクフルトのソーセージ」という意味)が最も一般的である。これはドイツの「ヴィーナー・ヴュルストヒェン」(ドイツ語版)と同類である。伝説ではフランクフルトでソーセージつくりを学んだ肉屋がウィーンで売り出したからお互いに「フランクフルトから来た」「ウィーン名物の」ソーセージと呼ばれるという。日本のウィンナー・ソーセージの長さのものは「ミニ・フランクフルター」、非常に長いものは「ザッハー・ヴュルステル」と呼ばれる。他にはチーズが入った1960年代に考案の ケーゼクライナー(ドイツ語版)や、香辛料のパプリカが入ったハンガリー東部発祥の「デプレツィーナー」(ドイツ語版)などがある。

オランダ - メトヴォルスト

フランス - ブーダン、トゥールーズ、リヨネーズ、アンドゥイエット(英語版)

イタリア - サラミ、チポラータ(英語版)、モルタデッラ(ボローニャソーセージ)

東ヨーロッパ諸国およびイスラエル - キシュカ

スロヴェニア - クランスカ・クロバサクランスキーソーセージ

ポーランド - キェウバーサ(英語版)

ハンガリー - ハンガリーサラミ(コルバース(ハンガリー語版)

ロシア - カルバサー(ロシア語版)

スペインおよびラテンアメリカ諸国 - チョリソ

ポルトガル - リングィーサ

イギリス - ブラックプディング

イギリスのソーセージに似た郷土料理に、羊の内臓を羊の胃袋に詰めてゆでたスコットランドハギスがある。



南北アメリカなど


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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