ソーセージ
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また、メットをソーセージの中身のように調味して、パンなどに塗りつけ食するという料理法もある(メットヴルスト参照)[8]


オーストリア - もっとも簡単な食事としてソーセージを茹でて甘いマスタードとパンを添えて出す。茹でるソーセージには数種類ある。日本のウィンナーソーセージを2倍の長さにし、赤く染めていないものであり、子供も大人も好むフランクフルター(「フランクフルトのソーセージ」という意味)が最も一般的である。これはドイツの「ヴィーナー・ヴュルストヒェン」(ドイツ語版)と同類である。伝説ではフランクフルトでソーセージつくりを学んだ肉屋がウィーンで売り出したからお互いに「フランクフルトから来た」「ウィーン名物の」ソーセージと呼ばれるという。日本のウィンナー・ソーセージの長さのものは「ミニ・フランクフルター」、非常に長いものは「ザッハー・ヴュルステル」と呼ばれる。他にはチーズが入った1960年代に考案の ケーゼクライナー(ドイツ語版)や、香辛料のパプリカが入ったハンガリー東部発祥の「デプレツィーナー」(ドイツ語版)などがある。

オランダ - メトヴォルスト

フランス - ブーダン、トゥールーズ、リヨネーズ、アンドゥイエット(英語版)

イタリア - サラミ、チポラータ(英語版)、モルタデッラ(ボローニャソーセージ)

東ヨーロッパ諸国およびイスラエル - キシュカ

スロヴェニア - クランスカ・クロバサクランスキーソーセージ

ポーランド - キェウバーサ(英語版)

ハンガリー - ハンガリーサラミ(コルバース(ハンガリー語版)

ロシア - カルバサー(ロシア語版)

スペインおよびラテンアメリカ諸国 - チョリソ

ポルトガル - リングィーサ

イギリス - ブラックプディング

イギリスのソーセージに似た郷土料理に、羊の内臓を羊の胃袋に詰めてゆでたスコットランドハギスがある。



南北アメリカなど

アメリカ合衆国カナダ - ペパロニアンドゥイユ、ブレックファスト・ソーセージ(ケーシングを使わないソーセージ)


アジア・中東・北アフリカなど

日本 - カルパス(※ヨーロッパのドライソーセージをアレンジした日本独自の加工食品)、魚肉ソーセージ

中国 - 中国ソーセージ(臘腸(中国語版)、紅腸香腸

台湾 - 豬血?(中国語版)

朝鮮半島 - スンデ

タイ王国 - ネームサイクローク・イーサーン

トルコ - シェフターリ・ケバブ(トルコ語版)

マグリブ諸国 - メルゲーズ

リビア - オスベーン



原料別

肉は、食のタブーに合わせた種類が用いられる。北アフリカでは豚肉の代わりにハラール羊肉を使い赤唐辛子をきかせた腸詰があり、移民の多いフランスでも一般的である。ユダヤ人人口の多いニューヨークでは、牛肉製のフランクフルトやサラミが市販されている[9]

ブラッドソーセージ - 血を腸に詰めたもの。

レバーソーセージ - 材料の肉の一部をレバーに置き換えたもの。

魚肉ソーセージ

肉を使用しないソーセージ「en:vegetarian hot dog」も参照

ベジタリアンヴィーガンのために、肉を使用していない、ソーセージの味や食感を模倣した食品があり、国によっては市販されている[10]。これは、豆腐セイタンナッツ豆果、マイコプロテイン(英語版)、大豆タンパク質、野菜などでできており[11]、他の肉代替食品と同様に、肉の味や食感に近づけるための形状や味付けがされている。

また、ベジタリアン向けというわけではないが、伝統的な料理の中にも「ソーセージ」を称しながら肉を使用していないものがある。ウェールズグラモーガン・ソーセージは肉の模倣はしておらず、野菜の味が生かされている[12]。大豆のソーセージは1916年にドイツで発明されたものであるが、ベジタリアン向けに作られたわけではなかった。当時ケルン副市長で後にドイツの首相となるコンラート・アデナウアー第一次世界大戦中の肉不足の対策として考案したもので、ケルナー・ブルスト(ドイツ語版)(Kolner Wurst、ケルン・ソーセージ)と命名された[13]
日本

日本農林規格ではソーセージは、「肉を動物の腸などに詰めた食べ物」の総称であり、ウインナーフランクフルトチョリソーなどの種類がある。昔は[いつ?]、羊の腸を使ったソーセージをウインナー、豚の腸を使ったソーセージをフランクフルト、牛の腸を使ったソーセージをボロニアソーセージと定義していたが、製法が発達してケーシングには人工の薄い皮を使っている製品も誕生して以降は動物の腸の種類ではなく、ケーシングの太さによって、呼び名の区別をしている。羊の腸より豚の腸の方が太いので、ウインナーよりフランクフルトの方が見た目が太く、牛の腸を使うイタリアのボロニアはさらに太くなっている。

現行の定義でウインナーは「羊腸のソーセージ」又は「太さが20mm未満のソーセージ」の最小サイズ、フランクフルトは「豚腸のソーセージ」又は「太さが20mm以上36mm未満」、あまり普及していないがボロニアは「牛腸のソーセージ」又は「太さが36mm以上」の最大サイズとなっている。チョリソーは肉の製法が異なるソーセージの種類であり、一般的にソーセージがひき肉を使用するのに対して、刻み肉を使用したソーセージである。

更に階級があり、特級を「豚肉、牛肉のみ使用。結着材料を一切使用していないモノ」、上級を「豚肉、牛肉のみ使用。結着材料は5%以下、でん粉含有率が3%以下」、標準を「羊、うさぎ、鶏など、牛豚以外を混合。結着材料は10%以下、でん粉含有率が5%以下」と定めている[14][15]
日本のソーセージ史

1970年(昭和45年)に日本ハム・ソーセージ工業協同組合より発行された『食肉加工百年史』においても、今日肉製品と呼ばれているハム、ベーコン、ソーセージ類の製造がいつごろから開始されたかは明確には知りがたいとされている。食肉加工に関する文献では、1892年(明治25年)に博文舘より発行された農学士、今関常次郎の著書『農産製造?』に腸詰の製法の記述がある。本格的な製法は、1910年(明治43年)2月1日から3月2日に渡る30日間、農商務省種畜牧場渋谷分場にて開催された豚肉加工講習会で、農商務省嘱託技師であった飯田吉英により都道府県派遣の技術者に公開された。飯田は米国イリノイ州に留学して豚肉加工技術を学んでおり、この加工技術は主に米国式のものである。

一方民業では、1910年(明治43年)にドイツ人コックであったマーチン・ヘルツが横浜市山下町にて小規模ながら純ドイツ式のハム・ソーセージの店を開き、外国人に販売していた。千葉県匝瑳郡東陽村(現・山武郡横芝光町)から、山下町にあった豚肉卸問屋であった江戸清に見習いに来ていた大木市蔵(以下、市蔵)は、1912年(明治45年)、マーチン・ヘルツに弟子入りドイツ式ハム・ソーセージの加工技術を学ぶ。1914年(大正3年)、第一次世界大戦が開戦となると日独は交戦国となり、ドイツ人であったマーチン・ヘルツは収容所へ入れられそうになったが、市蔵が当時の神奈川県知事に掛け合い、最小規模の食肉加工業を知事より許され、ヘルツと市蔵はハム・ソーセージの製造販売会社、合資会社サシズヤ商会を設立し市蔵が代表者となる。


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