ソーシャル・ネットワーキング・サービス
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ユーザーが友人を発見し管理できるような新しいSNSの方法が開発されたことを契機に、多くのサイトがさらに進んだ機能の開発を行い始めた[8]。この新世代のSNSは、1997年から2001年まで運営されユーザーが100万人にまで達したSixDegrees.com、そして2002年のFriendster(フレンドスター)の登場により本格的に普及し[9]、すぐにインターネットの主流の一角を占めるようになった。Friendsterに続いて、2003年にはMySpaceLinkedInが、そして2005年にはBeboが登場した。SNSの知名度の急速な高まりは、2005年の時点でMySpaceページビューGoogleを上回ったという事実が物語っている。

2008年にはさまざまなバラエティのソーシャルネットワーキングモデルが登場し、これらのモデルを使った200以上のサイトが稼働していると報告されている[10]

米最大級のSNS、Myspaceは公式の発表によると米国の会員数だけで6,000万人を記録しており、総ユーザー数は1億2,000万人と発表されている(2006年11月)。2006年には月に600万人のペースでユーザーを増やし続けていた。マドンナ、U2、ビヨンセ、マライア・キャリーなど300万のアーティストが参加しており、若者に人気が高い。なお、Myspaceは2006年11月に日本語版のベータ版を開設した。市場調査会社の米Pew Research Centerは米国のインターネット利用者の65%が米Facebookや米LinkedInのようなSNSを利用しており、3年前(2008年)の29%から2倍以上に増えたと公表した(現地時間2011年8月26日公表)。

2004年にはのちにビッグ・テックの一つとなるFacebook、2006年にはミニブログの元祖といえるTwitter(現X)が開始し、良くも悪くも世界に大きな影響を与える存在に成長していく[11][12]

2007年にはアメリカのSecond Lifeなど仮想世界のSNSが急成長を見せたが、技術の未成熟もあり一種のバブルで終わった[13]
日本

日本では従前から数多く存在していた「Web日記サイト」「グループウェアサイト」「インターネットコミュニティ」などの機能を上手に取り込みつつ、さらには各新聞社やマスコミの記事を取り扱うなど、一種のポータルサイトとしての機能も持っているものが見られる。企業・教育機関でも内部向けコミュニケーションから始まって、内定者や学校の卒業生の囲い込みなど、さまざまな用途に使われるようになった。熊本県八代市が運営する「ごろっとやっちろ」を皮切りに自治体や非営利団体・企業などが運営する地域型のサービスもある。

「ソーシャルネットワーキング」という概念を意識してフレンド相互リンク・私書箱・プロフィール表示という現在のSNSの主要機能を持つものとしては2002年に登場した内野晴仁運営のmyprofile.jp[14]が嚆矢であり、これに続いて2003年にはSFC Incubation Villageにてビートコミュニケーションによる期間限定のマッチング実験SIV Connectが、そしてネットエイジ社による有料の合コンマッチングサービスのGoccoなどのサービスが開始された。ただGoccoは長続きせず、最初から課金をするスタイルはハードルが高かったことが原因にあげられている(課金モデルは途中から変更)[15]

2004年、2月21日に田中良和の個人運営GREEと、イー・マーキュリー (現・MIXI) 提供のmixiがプレオープン、3月3日にオフィシャルオープンした。遅れて、Yubitomaのエコー、フレンドマップ、Miniiそしてキヌガサなどがスタートした。2004年の段階では、GREEがもっとも会員数が多く、イベント中心に盛り上がりを見せたが、当初はウェブメール機能や日記機能がなく、会員数が10万人あたりで、最初から日記機能のあったmixiに抜かれた(ただしmixiもリリース当初はまだコミュニティ機能などは実装されていなかった)。

総務省の発表では2006年3月31日時点の日本でのSNS利用者数は、716万人に達した。これは前年度(2005年3月31日)の111万人の約6.5倍の数字であり、急速に認知度が高まっていることが窺える。

YouTubeFlickrといった画像共有・動画共有サイトが人気になったことにより、日本でもニコニコ動画AmebaVision(終了)など類似のものが相次いで開設されている。2007年にはオタク文化・イラスト文化に特化したSNSのpixivが登場した。

2009年1月のSNS会員数は、7134.4万人に達した[16]2010年には、mixiのユーザー数(有効ID数)が2,000万人を超えたが、Twitter(現X)・Facebookなどの海外勢のブームの影に隠れる形となっていった[17]

国内勢では2011年より開始したモバイルメッセンジャーアプリのLINEが急速に普及。利用開始にあたり電話番号登録だけの単純さと、1対1のクローズドな空間でのコミュニケーションなどが、FacebookのようなオープンSNSに馴染めないユーザーをとらえたといわれている[18]
SNSの栄枯盛衰

SNS流行の移り変わりは早く、mixi、Twitter(現X)、Facebook、LINE、Instagramなどと次々に流行しては冷めていったり、逆に昔に流行したSNSが再評価されたりする[17]。ITジャーナリストの高橋暁子は若者が「大人があまりいない場所」を求めて流浪することが背景にあるとしている[19]

アメリカ合衆国でも2010年代に若者人気を誇ったTwitter(現X)、facebookが10年程度でsnapchatTikTokInstagramに取って代わられた[20]
問題点
犯罪被害・個人情報漏洩


写真や個人情報を不用意に公開してしまうことで、最悪の場合、犯罪に巻き込まれる恐れがある
[21]。一見個人情報には結びつかないものでも、過去の投稿内容や、写真に写っている被写体(背景や周囲、物体に反射して写っているもの)、写真データの位置情報などの断片的情報から、学校や職場、氏名や交友関係などが特定される可能性がある。2019年には、瞳に映る景色から住所を特定したストーカーに、女性が襲われる事件が発生している[22][23]

警察庁の発表によれば、2019年にSNSを通じて事件に巻き込まれた18歳未満の子供は過去最多の2,082人(対前年比271人(15.0%)増)で、被害者は高校生1,044人、中学生847人(対前年比223人(35.7%)増)、小学生72人(この10年間で5倍になった)など。罪種別では青少年保護育成条例違反844人、児童ポルノ671人、児童買春428人、強制性交等49人、略取誘拐46人、児童福祉法違反28人、強制わいせつ15人など。SNSではTwitter(現X)807人、ひま部307人、Instagram120人、LINE81人、マリンチャット70人など。フィルタリング機能の利用の有無を確認し得た1,772人のうち一度も利用していないのは77.4%だった[24]

誹謗中傷


SNS上では、匿名であることをいいことに、誹謗中傷が発生しやすい。誹謗中傷を受けた対象者は、情報がSNS上に残っている限り、ずっと誹謗中傷を受け続けることが多い。
ネットいじめ」および「木村花#テラスハウスにおけるコスチューム事件」も参照
精神衛生


よく知られているように、ハーバード大学医学部は2022年5月、ソーシャルメディアと若者のメンタルヘルスへの悪影響との間に関連性があることが知られていると発表した[25]

意外なことに、一部のユーザーにも気分的なメリットがあることを示す証拠がある。友人へのダイレクトメッセージの送信やプロフィール写真の更新など、積極的で自己中心的な活動は、気分を悪化させる可能性が低い[25]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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