2004年、2月21日に田中良和の個人運営GREEと、イー・マーキュリー (現・MIXI) 提供のmixiがプレオープン、3月3日にオフィシャルオープンした。遅れて、Yubitomaのエコー、フレンドマップ、Miniiそしてキヌガサなどがスタートした。2004年の段階では、GREEがもっとも会員数が多く、イベント中心に盛り上がりを見せたが、当初はウェブメール機能や日記機能がなく、会員数が10万人あたりで、最初から日記機能のあったmixiに抜かれた(ただしmixiもリリース当初はまだコミュニティ機能などは実装されていなかった)。
総務省の発表では2006年3月31日時点の日本でのSNS利用者数は、716万人に達した。これは前年度(2005年3月31日)の111万人の約6.5倍の数字であり、急速に認知度が高まっていることが窺える。
YouTubeやFlickrといった画像共有・動画共有サイトが人気になったことにより、日本でもニコニコ動画やAmebaVision(終了)など類似のものが相次いで開設されている。2007年にはオタク文化・イラスト文化に特化したSNSのpixivが登場した。
2009年1月のSNS会員数は、7134.4万人に達した[16]。2010年には、mixiのユーザー数(有効ID数)が2,000万人を超えたが、Twitter(現X)・Facebookなどの海外勢のブームの影に隠れる形となっていった[17]。
国内勢では2011年より開始したモバイルメッセンジャーアプリのLINEが急速に普及。利用開始にあたり電話番号登録だけの単純さと、1対1のクローズドな空間でのコミュニケーションなどが、FacebookのようなオープンSNSに馴染めないユーザーをとらえたといわれている[18]。 SNS流行の移り変わりは早く、mixi、Twitter(現X)、Facebook、LINE、Instagramなどと次々に流行しては冷めていったり、逆に昔に流行したSNSが再評価されたりする[17]。ITジャーナリストの高橋暁子
SNSの栄枯盛衰
アメリカ合衆国でも2010年代に若者人気を誇ったTwitter(現X)、facebookが10年程度でsnapchat、TikTok、Instagramに取って代わられた[20]。
問題点
犯罪被害・個人情報漏洩
写真や個人情報を不用意に公開してしまうことで、最悪の場合、犯罪に巻き込まれる恐れがある[21]。一見個人情報には結びつかないものでも、過去の投稿内容や、写真に写っている被写体(背景や周囲、物体に反射して写っているもの)、写真データの位置情報などの断片的情報から、学校や職場、氏名や交友関係などが特定される可能性がある。2019年には、瞳に映る景色から住所を特定したストーカーに、女性が襲われる事件が発生している[22][23]。
警察庁の発表によれば、2019年にSNSを通じて事件に巻き込まれた18歳未満の子供は過去最多の2,082人(対前年比271人(15.0%)増)で、被害者は高校生1,044人、中学生847人(対前年比223人(35.7%)増)、小学生72人(この10年間で5倍になった)など。罪種別では青少年保護育成条例違反844人、児童ポルノ671人、児童買春428人、強制性交等49人、略取誘拐46人、児童福祉法違反28人、強制わいせつ15人など。SNSではTwitter(現X)807人、ひま部307人、Instagram120人、LINE81人、マリンチャット70人など。フィルタリング機能の利用の有無を確認し得た1,772人のうち一度も利用していないのは77.4%だった[24]。
誹謗中傷
SNS上では、匿名であることをいいことに、誹謗中傷が発生しやすい。誹謗中傷を受けた対象者は、情報がSNS上に残っている限り、ずっと誹謗中傷を受け続けることが多い。
「ネットいじめ」および「木村花#テラスハウスにおけるコスチューム事件」も参照
精神衛生
よく知られているように、ハーバード大学医学部は2022年5月、ソーシャルメディアと若者のメンタルヘルスへの悪影響との間に関連性があることが知られていると発表した[25]。
意外なことに、一部のユーザーにも気分的なメリットがあることを示す証拠がある。友人へのダイレクトメッセージの送信やプロフィール写真の更新など、積極的で自己中心的な活動は、気分を悪化させる可能性が低い[25]。
SNS上で、他人と自分を比較して鬱状態になるユーザーが多い傾向にある。例にすると、Facebook上では多くの人が生活の中のよい出来事のみを投稿してしまうため、ユーザーは相手のハイライト・シーンと自身を比較してしまい、相手の生活がよいものに見え、そのギャップで精神的な悪影響を及ぼす恐れがある[26][27]。
一部のSNSでは、会社の幹部が部下に対し、友達になることや「いいね」を入れることを強要するなど、「ソーシャル・ハラスメント(ソーハラ)」行為が問題となっている[28]。
SNS上での誹謗中傷による被害が深刻化している。ソーシャルメディア利用環境整備機構、総務省、法務省は、SNS事業者と共同で適正な利用を呼びかける特設サイトを2020年7月に開設。「#No Heart No SNS」をスローガンとして啓発活動を行うことを発表した[29]。
情報の信頼性
地震や風水害などの災害時や、社会的に注目を浴びる事件・事故の発生時などに、SNSを通じてさまざまな嘘が拡散しやすい[30][31]。SNSの流言は爆発的に拡散する[32]。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の大阪北部地震、2019新型コロナウイルス、2020年アメリカ大統領選挙などでデマ拡散が問題視された。流言を打ち消す否定情報には拡散抑制効果があるが、否定情報が浸透するスピードは流言によって異なり、恐怖感情を伴った流言を打ち消す場合は浸透スピードが速い[32]。Twitter(現X)の場合、デマを拡散するユーザの特徴として、ツイートに占めるリツイートの割合が高いことが確認されている[33]。自分がデマ拡散者にならないためには、(裏が取れている)デマ拡散ユーザーリストにあるユーザーと、リツイートの多いユーザを排除することが有効である[33]。