基本的に一つの兵器廠で単一の兵器が大量生産されていると見られ、劇中にもその種の描写、台詞がある。戦闘などで生産ラインが破壊されると兵器廠自体の修復も不可能なのに加え、「整備」「修理」の技術が失われているため、既存生産分の部品の共食いも含めやはり不可能となり、該当する兵器は修復されることもなく使い捨てられて、以降は消耗する一方となる。例えば、戦闘ポッド・グラージは、28万周期前にロイコンミ兵器廠の生産ラインが監察軍の総攻撃により全壊したため、ゼントラーディ全軍を通じて希少品となっている[23]。また、一部の兵器廠は新統合軍によりゼントラーディ軍から奪取され、地球近辺へ移動して終戦直後の早急な戦力増強に活用されている。
第一次星間大戦後、地球人類によりこれらの兵器の基幹技術が調査解明され、それらを導入した地球製兵器の開発も進められた(YF-21など)。また逆に地球の修理・改良技術を習得したゼントラーディ人により、ゼントラーディ兵器に改造や改良を加えた機体も登場する(バリアブル・グラージなど)。
核兵器の一種である反応弾に至っては、地球暦の紀元前38万年にすべての生産プラントが戦火で失われ[10][8]、幻の兵器として言い伝えのみがゼントラーディ全軍に伝わっていた。 ゼントラーディ軍ではマイクローン・システムの応用により、その役割に適した能力を特化した個体が製造されており、おもに量産性の高い「一般兵士タイプ」、戦闘能力が低い代わりに知能の高い「記録参謀タイプ」、真空中でも耐えられるほど強化された「指揮官タイプ」の三つに分けられる[7][注 8]。 ゼントラーディ軍固有の役職・階級である「記録参謀」は、艦隊指揮官の補佐をするために、非常に高い記憶力、知能を持たされている。その代わりに体格は小さく戦闘力も低い。エキセドル・フォルモは「ゼム一級記録参謀」であるが、ほかの階級があるかどうかは不明。『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』においてはテレビ版と違い、巨大な大脳と機器操作用の触手を持つ外見になっており、これに近いデザインは『マクロス7』や美樹本晴彦の漫画『超時空要塞マクロス THE FIRST』にも引き継がれている。 テレビ版における基幹艦隊司令長官は『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』では機動要塞の制御中枢となっており、有機的に結合され要塞そのものとなっている。PlayStation用ゲーム『マクロス デジタルミッション VF-X』には、通常のゼントラーディ人のサイズをはるかに上回る司令官クラスのゼントラーディ人が登場する。 クローニングにより生み出されたゼントラーディおよび、第一次星間大戦後、ゼントラーディ同士による男女間の交配によって生まれたゼントラーディ。 超時空要塞マクロス その他の作品 第一次星間大戦後に生まれたゼントラーディ人の血を引く地球人。 ハーフ世代 クォーター世代 漫画『マクロス7 トラッシュ』などで「ゼントラ」という略称が用いられることがあり、『マクロスF』や関連媒体では「大きい」や「大盛り」の意味で用いることがある(「ゼントラ盛り」「ゼントラ丼」など)。
役職・階級
代表的なゼントラーディ人
純粋なゼントラーディ
ブリタイ・クリダニク
エキセドル・フォルモ
カムジン・クラヴシェラ
ワレラ・ナンテス、ロリー・ドセル、コンダ・ブロムコ
ボドルザー
ミリア・ファリーナ
ラプラミズ
その他のキャラクターについては「超時空要塞マクロスの登場人物一覧#ゼントラーディ軍」を参照
ビヒーダ・フィーズ(『マクロス7』)
アルガス・セルザー(設定のみ。『THIS IS ANIMATION Special マクロスプラス』など)
ジェビル・ルクソール、マーヴィン(『マクロス7 トラッシュ』)
ティモシー・ダルダントン(『マクロス VF-X2』)
モアラミア・ジフォン(『マクロスM3』)
クラン・クラン(『マクロスF』)
チェルシー・スカーレット(『マクロス・ザ・ライド』)
アイシャ・ブランシェット(『マクロス30 銀河を繋ぐ歌声』)
ゼントラーディ系地球人
マクシミリアン・ジーナス、ミリア・ファリーナ・ジーナス夫妻の子供(「マクシミリアン・ジーナス#家族構成」を参照)
ガルド・ゴア・ボーマン(『マクロスプラス』)
アーネスト・ジョンソン(『マクロスΔ』)
シルビー・ジーナ(『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』)
ランカ・リー、ブレラ・スターン(『マクロスF』)
ホシムラ・ユイ(『マクロスアルティメットフロンティア』、『マクロストライアングルフロンティア』)
ミラージュ・ファリーナ・ジーナス(『マクロスΔ』)
ゼントラ
脚注[脚注の使い方]
注釈^ a b 一般的なゼントラーディ人は身長10m前後、艦隊指揮官クラスは13mを超えるという設定であり、一般兵は主役メカであるVF-1 バルキリーのバトロイド(人型ロボット)形態 (12.68m) よりも小さい。設定書におけるメカとの対比図でもバトロイドやデストロイドより二回りは小さく身長9m弱に描かれているが、劇中ではほとんど同じサイズで描かれており、彼らの乗る戦闘ポッドとバトロイドのサイズの対比に矛盾が生じている。
^ 劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』ではマクシミリアン・ジーナスが巨人化してメルトランディに帰化する。
^ 小太刀右京の小説『マクロス・ザ・ライド』では、帰化した際、もしくは帰化後に地球式に改名する者も多数いたとされている。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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