ゼップ・ブラッター
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UEFA会長レナート・ヨハンソンを上回ったゼップ・ブラッターの1998年FIFA会長選挙は、多くの物議がある中で実施された[27]

勝敗を決めたのは、アフリカにおけるワールドカップ開催の見返りのアフリカ票だった[28]。FIFA会長選挙ではあらゆる国が平等に一票を持つシステムであるため、ブラッターは弱小国の関係者に資金をばらまき、自らの陣営に取り込む戦術を採ったとされている[29]

2002年のブラッターの立候補は財政的不正行為と裏取引の噂で持ちきりとなり[30]、イギリスの報道が出した第三者による贈収賄の直接告発(アフリカサッカー連盟副会長にしてソマリアサッカー連盟会長のファラ・アドが語ったところでは、1998年にブラッターに投票する見返りに100,000ドルが提供された。)で最高潮に達した[31]
2006 FIFAワールドカップ

2006FIFAワールドカップでは、ポルトガル対オランダの決勝トーナメント試合で主審のワレンチン・イワノフがイエローカード16枚とレッドカード4枚提示という物議の記録が見られ、ブラッターがこの件についてイワノフは審判としての采配が下手なことについて自分にイエローカードを出すべきだと発言すると、ブラッターは主審の審判行為を非難したと言われた[32]。後に、ブラッターは自分の言葉を後悔していると主張し、イワノフに公式に謝罪することを約束した[33]

しかし、この謝罪は決して行われることなく、この主審は以降の試合審判から外された[33]チューリヒ駅でのブラッター。2013年11月
クラブチームでの海外選手「上限」表明

ブラッターは、サッカークラブが一度に出場可能な外国人選手の数に関する欧州連合の雇用法を変えようとして2007年と2008年に批判された。 ブラッターの計画は外国人選手の上限枠を5人と設定し、チームと同一国籍の選手が6人というものだった。これは自国リーグでプレーする国内選手をより多く持つことになり、ひいては各国の代表チームの強化につながると、ブラッターは信じていた。

ブラッターはサッカーの主要な問題の1つとしてイングランドプレミアリーグにしばしば言及し、それをトップチームにおける外国人選手、外国人コーチ、外国人オーナーの影響例として挙げた[34][35][36][37][38]
ワールドカップの開催地選考左からバラク・オバマ、ブラッター、ジャック・ワーナー2018/2022 FIFAワールドカップ開催地決定投票で2022年大会をカタール開催にしたFIFAは「間違った決定」を下した、とアメリカのオバマ大統領は発言した[39]

ヨーロッパが確実に2018 FIFAワールドカップ開催地になるよう、ブラッターは「UEFAのミシェル・プラティニ会長(当時)との非公式な契約を交わした」と報じられ、もしも欧州以外の入札が2018年から辞退しなかったら「非欧州の国々はFIFA最高権力者の後ろ盾を一切得られずに頓挫してしまい、次回大会 (2022) の真面目な候補者に挙げられる可能性も無くなるだろう」と報道された[40]

2009年3月、13か国に及ぶ11件の候補入札が提出されメキシコとインドネシアは辞退した。残りの入札9件ののうち5件(韓国、カタール、日本、オーストラリア、アメリカ)は2022 FIFAワールドカップのみで、他は全て2018と2022の両方で入札していた[41]

しかし、2018ワールドカップへの入札が全てヨーロッパ諸国からであるのは、直前2回の決勝トーナメントを開催した大陸連盟所属の国々には開催する資格がないとFIFA規則が言明していたためで[42]、イングランド、ロシア、オランダ&ベルギー共同、スペイン&ポルトガル共同の候補は、2018年大会だけを余儀なくされた。
技術的補助

2010年6月27日のイングランド対ドイツ戦で物議となったフランク・ランパードによる幻のゴールが起きた後、機運が深まったゴールライン・テクノロジーまたはビデオ再生(現在のビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入を許可しないブラッターの拒否態度に批判が高まった[43]

2日後、ブラッターはイングランド対ドイツ戦およびメキシコ対アルゼンチン戦における「明白な誤審」を咎め、イングランドサッカー協会メキシコサッカー連盟(誤審に直接関係する2つの組織)に謝罪すると述べた。実際には、ランパードがドイツに対して得点しメキシコ戦でのテベスのゴールがオフサイド・ポジションから得点されたことを認めた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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