セントポール_(ミネソタ州)
[Wikipedia|▼Menu]
西にはミネアポリスが隣接している。ミネアポリス・セントポル両市のダウンタウン間は約16kmである。そのほか、北側にはファルコンハイツ、ローダーデール、ローズビル、メープルウッドといった郊外都市がひしめいている。メープルウッドはセントポールの東側にもその市域が広がっている。ミシシッピ川を隔てた南側にはウェストセントポール、サウスセントポール、リリーデール、メンドータ、メンドータハイツの各市が位置している。

ミネソタ州はLand of 10,000 Lakes(1万の湖の地)と呼ばれるほど湖の多い州として知られているが、セントポールの周辺にも大小の湖が散りばめられたように存在する。その中でも大きいものにはピッグス・アイ湖、ファレン湖、コモ湖などがある。

セントポールの気候は中西部でも北のほうにあたる、アッパー・ミッドウェストと呼ばれる地域における典型的な気候である。乾燥して寒い冬と温暖で時折蒸し暑くなる夏に特徴付けられ、また気温の年較差が大きいという内陸性の気候である。冬の寒さは厳しく、最高気温でも摂氏0度に満たない日が続き、夜は氷点下15度まで下がる。ケッペンの気候区分では冷帯湿潤気候(Dfa)に属する。ミネアポリス・セントポール都市圏の平均気温は摂氏7度ほどで、アメリカ合衆国本土の主要都市圏の中では最も低い。セントポールの気候に関してはミネアポリス#地理も参照のこと。
政治 上: ミネソタ州会議事堂
下: ミネソタ州知事官邸

ミネアポリス・セントポールは民主党のミネソタ支部であるミネソタ民主農民労働党(DFL)の勢力が強い。2018年現在のセントポール市長もミネアポリス市長同様DFL所属である。また歴代市長のうち3人がアイルランド出身であり、現在の市長もアイルランド系である。市議会は市を7つに分けた各地区の代表1人ずつ、計7人の議員から構成されている[7]

ミネソタ州の州都であるセントポールには州の機関が集中している。市のシンボルともなっているミネソタ州会議事堂はセントポールのダウンタウンの北西部に立地している[8][9]。ミネソタ州会議事堂はミネソタ州上院・下院の各議院のほか、司法長官州知事の執務室を備えている。同議事堂はミネソタ州最高裁判所の法廷も併設しているが、ほとんどの裁判は隣接するミネソタ司法センター内にある法廷で行われる。カス・ギルバートの設計によるルネサンス調のこの議事堂は1905年に建てられ、1972年国家歴史登録財に指定された。議事堂の建物のモデルとなったのはバチカン市国サン・ピエトロ大聖堂であった。ダウンタウンの西約5km、サミット通りにある[10] ミネソタ州知事官邸も国家歴史登録財に指定されている。1910年に建てられたこのチューダー調の官邸はミネアポリスの建築家、ウィリアム・チャニング・ホイットニーが設計した。

セントポールはアメリカ合衆国下院のミネソタ第4選挙区に属している。同選挙区は1949年までは共和党が概ね強かったが、それ以降は民主党およびDFLの勢力が非常に強い。また進歩の気風が圧倒的に強く、進歩主義92%[11] に対し、保守はわずか4%[12] というバランスになっている。

セントポールにあるエクセル・エナジー・センターでは2008年9月に共和党の党大会が行われた。2007年9月26日、立候補していた他の3都市、クリーブランドニューヨークタンパを蹴って開催地をセントポールに決定した。その決定を受けて、民主党は党大会をミネアポリス・セントポールで行うことを断念し、ニューヨークとデンバーのいずれかから選ぶことになった。ミネアポリス・セントポールで共和党の党大会が開かれるのは1892年以来、116年ぶり2度目のことであった。
経済トラベラーズ本社ビル

政治面では州の中枢であるセントポールだが、経済面では地方中枢都市であるミネアポリスのほうが一歩抜きん出ている。ターゲットをはじめとするミネアポリス・セントポール都市圏の主要企業の多くはミネアポリスに本社ないし重要拠点を構えている。セントポールに本社を構える主な企業としては、保険大手のトラベラーズ、医療機器製造のセント・ジュード・メディカル、化学・衛生製品のエコラボ、医科・歯科・獣医科用品のパターソン・デンタル、相互会社のミネソタ・ライフ、ビジネス用ソフトウェアのローソン・ソフトウェア、アウトドア用品のガンダー・マウンテンなどが挙げられる。またメープルウッドには3Mが本社を置いている。

市の雇用は保健部門(男性6%、女性16%)、教育サービス部門(男性7%、女性13%)、金融・保険部門(男性6%、女性6%)、プロフェッショナル・科学技術部門(男性8%、女性6%)などによって支えられている。また州都らしく行政部門の比率も高く、男性5%、女性6%にのぼる[13]
交通ミネアポリス・セントポール国際空港ユニオン駅 コンコース

セントポールの玄関口となる空港は市の南西約15kmに立地するミネアポリス・セントポール国際空港IATA: MSP)である。同空港はデルタ航空ハブ空港の1つで、全米各地のみならず、日本成田国際空港オランダアムステルダム・スキポール空港など世界各地の主要空港からも直行便がある。年間利用客数は3,500万人を超え、全米第12位である[14]。また、ミシシッピ川の対岸にはセントポール・ダウンタウン空港がある。同空港は発着便数の多いミネアポリス・セントポール国際空港の補助的な役割を果たし、地元企業、航空学校、および陸軍の航空隊に利用されている。1970年代から1980年代にかけては、ミネアポリス・セントポール国際空港とセントポール・ダウンタウン空港との間にレイクステート航空の定期旅客便が飛んでいた。運賃は片道5ドル、往復10ドルであった[15]

2014年ユニオン駅の改修工事が完了し、40年ぶりに旅客扱いが復活した。アムトラックの長距離列車、エンパイア・ビルダー号は、シカゴシアトルポートランドとを結ぶ。また、ミネアポリスのライトレールのグリーンラインは、セントポールのミネアポリス・セントポール両市のダウンタウンを結ぶもので、ユニオン駅を東の起点/終点としている[16]

アメリカ合衆国内の他都市同様、ミネアポリス・セントポール都市圏における主な交通手段は自動車であるが、公共交通機関の整備も進んでいる。市の公共交通機関の主となっているのはメトロ交通局の路線バスである。同局は連節バス140台を含む821台のバスを所有し、ミネアポリス・セントポール両市およびその周辺に118系統のバス路線を縦横に走らせている[17]

ミネアポリス同様、セントポールにもダウンタウンのビルの2階を結ぶスカイウェイと呼ばれる屋内通路網がある。ミネアポリスほど大規模ではないものの、セントポールのスカイウェイはダウンタウンの25ブロックにわたり、総延長は8kmにおよぶ[18][19]。スカイウェイによってミネソタの厳しい冬の寒さや雪を気にすることなくダウンタウンのビル間を行き来できるだけでなく、1階の車道を通る車と2階のスカイウェイを通る人との通行路の分離もなされている。

ミネアポリス・セントポール都市圏では2本の州間高速道路I-35とI-94が交わる。I-35は州北東部のダルースに始まり、テキサス州のアメリカ=メキシコ国境まで合衆国中央部を南北に走る幹線である。ミネアポリス・セントポール都市圏内ではI-35は東西に分かれ、I-35Wはミネアポリスを、I-35Eはセントポールを通る。一方、I-94は東西に走る州間高速道路の中では最も北側を走っている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:96 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef