東京湾の南部周辺[注釈 25]で確認される例もある[50][51]。
九州では、2014年に牛深港に入り込んだ事例が存在する[71]。
伊豆諸島と小笠原諸島は、過去半世紀において比較定期低緯度の海域で複数の個体(グループ)が数例確認されてきた唯一の地域である。また、特に小笠原諸島は水中撮影と定期的な確認が存在する唯一の地域でもある。
中国と韓国盤亀台岩刻画[注釈 26]には、セミクジラを含める古代の朝鮮半島の沿岸に回遊していたと思わしい鯨類相の一部が描写されている。
戦後において、日本海と黄海・渤海における記録は非常に少なく、日本が設立した捕鯨会社による長海県・海洋島(中国語版)周辺の1970年代の捕獲記録3例と、韓国における1974年の捕獲が1例、1982年の佐渡島での混獲[64]、2007年に福井県での腐乱死体の漂着[89]、2015年に韓国・南海郡での混獲からの放流などが該当する[63]。
韓国では、2015年の放流が同国では41年ぶりの確認であり、現在の朝鮮半島では大型鯨類の回遊が限られていることもあり、各報道機関が報道して社会的に大きな注目を集めた[63][90]。そして、本件が理由の一つになり、国立水産科学院(英語版)と海洋警察庁が主導する「鯨類救助部門」の設立が決定された[91]。また、それまでは同国における象徴的な大型鯨類はコククジラが主だったが、2015年の放流以降はセミクジラをクローズアップする事例も増加した[92]。また、韓国語ではセミクジラとナガスクジラの呼称が混同される事態が非常に多かったため[注釈 27]、この二種に限らず、国内における鯨類の呼称を改めて調整する事が決定された[16]。
中国では、上記の通り1970年代の捕獲以来の記録がなかったが、2015年に香港と深?の付近で目撃例がある[94]他、 2000年代(厳密な日時は不明)に山東省で漂着があったとされる[95]。
アメリカ合衆国とメキシコハーフムーンベイ[注釈 28](1982年)
上記の通り、アラスカ州とコディアック島の周辺が重要な生息海域に指定されており調査も行われているが、それ以外の海域における歴史的および現代の分布や回遊には不明な点が多い。
ハワイ諸島やアメリカ合衆国の沿岸およびバハ・カリフォルニア沖では1998年[47]以降の確認が無かったが[96]、未確認の目撃例が2014年1月に2度[注釈 29]、2015年2月にサン・ミゲル島(英語版)で本種の可能性のある鯨が2頭観察された[42]。
2017年には、4月にラホヤの海岸から観察された個体が当初はコククジラと誤認されて報道され、5月には別の個体がアナカパ島(英語版)で目撃された[99][100][101]。
2022年のアニョヌエボ(英語版)沖での観察と2023年のモントレー湾での目撃を含めて、カリフォルニア州では1955年から数えて(未確認の記録をふくめて)18例[102]、メキシコでは1856年以降は未確認の記録をふくめて4例の目撃しか記録されていない[96][42]。
2024年には、2023年に新たに確認された個体の愛称が一般公募で募集されることが決定した[103]。 カナダでは、2013年の6月(ハイダ・グワイ)[104]と10月(ファンデフカ海峡入口)[105]に別々の個体がカナダ沿岸警備隊の協力を受けていた生物学者と漁師によって撮影されたが、これら以前の最後の公式の記録は1951年の捕獲であり、同国内では約62年間に渡って確認されなかった。
カナダ