2014年1月に開催されたサンダンス映画祭での上映以降、批評家からの賛辞がやまず、特にJ・K・シモンズによる鬼気迫る演技は、「これぞ熟練の演技」などと非常に高く評価される。後にアカデミー助演男優賞受賞など賞を多数、受賞している[12][13]。
映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには241件のレビューがあり、批評家支持率は95%、平均点は10点満点で8.6点となっている。サイト側による批評家の意見の要約は「力強く、目が覚めるような作品だ。演技も素晴らしい。『セッション』は新鋭の監督デイミアン・チャゼルの労作にして、J・K・シモンズとマイルズ・テラーの演技が光る一本である。」となっている[14]。また、Metacriticには49件のレビューがあり、加重平均値は88/100になっている[15]。
バラエティのピーター・デブルージ
は本作を「音楽界の神童を扱った映画の定型を見事に壊している。伝統のある優雅なステージと最高の音楽学校のリハーサルスタジオという舞台で、スポーツアリーナや戦場で繰り広げられるような壮絶な心理ドラマが展開されている。」と評している[16]。ハリウッド・リポーターのトッド・マッカーシーは本作を称えて「第29回サンダンス映画祭に出品された『The Spectacular Now』においても、マイルズ・テラーは印象に残る演技をしていた。爆発的な演技というより、たまった感情を爆発寸前で押さえているような演技だ。」「J・K・シモンズは『はまり役を見つける』という個性派俳優として絶好の幸運をものにした。狂った外道ではあるが、他の名悪役のように、人の心を魅了するような役を見事に演じている」と述べている[17]。デイリー・テレグラフのアンバー・ウィルキンソンは「チャゼルの映画は鋭い切れ味を持ち、リズムをつかんでいる。また、トム・クロスによって編集された画面も美しい。」と評している[18]。インディワイアーのジェームズ・ロッキは本作に肯定的な評価を下し、「『セッション』はまさしく若手監督の作品といってよい。虚勢や尊大さが満ちていて、既存の枠組みや素晴らしい演技だけに頼ろうとはしない。チャゼルに偉大な監督の素質があることを証明した作品でもある。」と述べている[19]。ガーディアンのヘンリー・バーンズは「音楽への愛とキャラクターに対する愛着の両方を同程度に表明した数少ない音楽映画だ。」と評した[20]。一方、スレートのフォレスト・ウィックマンは、『セッション』はチャーリー・パーカーが駆け出しの頃にあるセッションに参加したところドラマーにシンバルを投げつけられたという有名なエピソードにちなんでいるのだろうが、実際はパーカーの頭ではなくドラマーの足元に叩きつけられたものであって、この映画は、体罰と過酷な練習が天才を生むという誤解を招くとして否定的に評価した[21]。また、ザ・ニューヨーカーのリチャード・ブロディもパーカーの伝記との比較をしたうえで、『セッション』はジャズに対しても、映画に対しても何の敬意も払っていないと指摘した[22]。映画監督のジェームズ・ガンが2014年のお気に入りの映画12本の中で本作を挙げている[23]。
日本でもキネマ旬報の2015年の外国映画ベストテンで、7位に入っている。 賞/映画祭カテゴリ対象結果
受賞
第87回アカデミー賞[24]作品賞ジェイソン・ブラム