セックス・ピストルズ
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

このプロモーションの成果は上々で、全英シングルチャートで最高2位(NMEチャートでは最高1位)を記録したが、ジョニー・ロットンとポール・クックが右翼に襲われて重傷を負う事件が発生し[注 4]、バンド活動はしばらく停滞した。
絶頂期と解散ノルウェー公演 (1977年)

1977年10月、唯一のオリジナル・ファースト・アルバム『勝手にしやがれ!!』を発売。このアルバムはロキシー・ミュージックピンク・フロイドポール・マッカートニーなどを手掛けた音楽プロデューサークリス・トーマスによってプロデュースされた[注 5]

マルコムはアルバムの販売権をヴァージン・レコードに独占させず、フランスの会社に1曲多い盤の製作を許可するなどの揺さぶりをかけた。アメリカでは大手のワーナー・ブラザース・レコード日本では当時ヴァージンと提携していた日本コロムビアから発売された[注 6]

1978年、ワーナーの企画により初のアメリカツアーを決行。保守的な傾向の強い南部からツアーを始めたが、サンフランシスコ、ウインターランド公演後に、もはや嫌気が差していたジョニー・ロットンがバンドを脱退。急遽、アメリカツアーは中止され、実質上バンドの終焉となった。
解散後

脱退後のジョニー・ロットンは本名のジョン・ライドンに戻し、自ら率いるニュー・ウェイヴ、ポストパンクバンドパブリック・イメージ・リミテッド」を結成した。

スティーヴ・ジョーンズとポール・クックは、イギリスの大列車強盗犯人ロナルド・ビッグズマルチン・ボルマン[注 7]の偽物とコラボレーションを行うなど、おふざけ半分でピストルズを延命させられたのち、活動は消滅した。

マルコムは、嫌がるシド・ヴィシャスにフランク・シナトラの「マイ・ウェイ」の替え歌をレコーディングさせ、レコード発売も行っている。その後シドはアメリカツアーを行うが、宿泊していたホテル恋人であったナンシー・スパンゲンを刺殺した容疑をかけられたまま、麻薬の大量摂取が原因で他界。結果的に「マイ・ウェイ」はシドの代表曲となった[4]

これらの時期収録の音源が、マルコム・マクラーレン主導で製作したピストルズドキュメンタリー映画『ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル (映画)』のサウンドトラック盤(『ザ・グレイト・ロックン・ロール・スウィンドル』)に使用された。
再結成

1996年、「俺達には共通の目的ができた、それは金だ!」とうそぶき、オリジナル・メンバーにより再結成。6月よりワールド・ツアーを決行し、翌7月にはライヴ・アルバム『勝手に来やがれ』を発売。実現した初来日公演は、異例の1か月間18公演を行っている。

2001年、かつてマルコム・マクラーレン主導で製作したドキュメンタリー映画『ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル』は、真実の内容とは掛け離れているとして、旧メンバー側が製作したピストルズドキュメンタリー映画『ノー・フューチャー』を公開した。

2002年 - 2003年、夏に2回目の再結成。イギリスとアメリカで2公演を行い、翌年にもアメリカ・ツアーを実施。再結成 UKブリクストン公演 (2007年11月)

2006年ロックの殿堂入りを果たす。しかし2月24日の朝、以前からロックの殿堂を皮肉っていたジョニー・ロットンを筆頭に彼らは、自身の公式サイトに直筆メッセージを掲載。その内容は、「セックス・ピストルズを除けば、ロックンロールもその殿堂入りも小便のシミだ。」と冒頭から罵倒。また1人あたり2万5,000ドル(約250万円)もの参加費用に関しても論難し、最後には「このクソみてえな系図に組み込まれねえのが、本当のセックス・ピストルズってもんだからさ」と締めくくった。これに対して主宰者は、怒るどころか、「彼らは非凡なパンク・スター。これこそがロックンロール」とさえコメントしている[5][6]。ロックの殿堂入りを蹴ったという事案は史上初である。

2007年11月に4回目の再結成を行い、ワールド・ツアーを展開[7]

2008年、日本のロックフェス『サマーソニック』に出演。以降、年内で再び活動停止した。
特徴

当時としては斬新且つシンプルなギターコード、イギリス政府イギリス王室・EMIのような体制や権威をこき下ろす歌詞、短い髪をツンツンに立てたり破れた服を安全ピンで留めるといった斬新なファッション、メディアでのインタビューで「shit」「fuck」「cunt」を連発するというスキャンダルにより注目された。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:44 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef