セダン
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フランス語ではベルリーヌ(英語版)(berline)、ヨーロッパスペイン語(英語版)、ヨーロッパポルトガル語ルーマニア語イタリア語ではberlinaと呼ばれるがこれらはハッチバックを含むかもしれない。これらの名称は、セダンと同様に、自動車が登場する以前の旅客輸送形態に由来している。イタリアではクワトロポルテ(「4つの扉」の意) とも呼ばれる。ドイツ語では、セダンはLimousine(リムジー)、リムジンはStretch-Limousineと呼ばれている[25]

米国では2ドアセダンは(two-doorと語呂を合わせて) "Tudor"(チューダー)と呼ばれ、その延長線上でフォードは4ドアセダンを "Fordor "と呼んでいた。

日本およびアメリカ合衆国では一般にはセダンが一般名称で、サルーンは上級グレードの商標として用いられることが多いが、実質はイギリス英語アメリカ英語の呼称の違いであり、日本工業規格(JIS)や自動車技術会での技術的な扱いではまったく同じものを表す。日本のJISや自動車技術会では、「サルーン」という呼び名が基本で、「セダンともいう」と規定されている。日本では各自動車メーカーが、一時期英国高級車のサルーンをイメージして、大型上級セダンに「サルーン」と名づけたことから、「サルーン」に高級感のイメージが付加された[注 1]

日本の軽自動車の場合は形状がセダンでも分類としては「軽自動車」となる場合もある[注 2]
概要.mw-parser-output .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .trow>.thumbcaption{text-align:center}}日産・パルサーはファストバック型、2ボックス型、ショートノッチバック型で製造された時期があった(上から初代、3代目、4代目)。

一般的に「セダン」というと、リアデッキ(トランク形状)を持つノッチバック型の乗用車のことのみを指す。この形はボンネット・キャビン(居住空間)・リアデッキがハッキリと仕切りで分かれていることから、3ボックスとも呼ばれる。

一方で、広義にはメーカーの都合やカテゴライズの便宜上などでリアデッキを持たず、キャビンと荷室が仕切られておらず同じ空間を共有するノッチレスの2ボックスの型も含まれる。加えてトールワゴンミニバンSUVといった背の高いボディタイプが乗用車の主流となっている昨今は、それらと比較する上では「背の低いボンネットタイプの車」と広く捉えることも可能である。

3ボックスタイプは「2ドア」または「4ドア」、2ボックスは後ろをドアに見立てて「3ドア」/「5ドア」とも呼ばれる。2ドアセダンはかつて、小型大衆車を中心にオーナードライバー向けとして設定されていたが、使い勝手の乏しさなどの理由で需要が激減し1980年代に入ると日本国内ではほとんどが4ドアセダンとなり、現在では絶滅している[注 3]。2ドアセダンは1990年代以降において3ドアハッチバック、もしくはクーペにそれぞれ分類されることが通例となり、現在では用語としての2ドアセダンはほぼ使われていない。
セダンの種類
ノッチバックセダンBMW・3シリーズ (E30)
2ドアノッチバックセダンの例「ノッチバック」も参照

ボンネットと、独立したトランクリッド(荷室のふた)を持つトランクルーム(荷室)の間に車室を持つ。セダンとしてはもっとも伝統に則った形状となる。「3ボックスカー」と呼ばれることもある。

キャビン(車室)の前後に隔壁があり、NVHを抑えやすい(静粛性が高い)、車体剛性が損なわれにくい(安定しやすい)、衝突・被追突時における乗員への危険性が小さいなどの利点がある。北米では、荷室の中を覗かれないという防犯上の理由(車上荒らしの回避など)で独立したトランク構造が好まれ、バレーパーキング(英語版)では、トランクオープナーに施錠をするか、またはトランクを開けることができないスペアキーのみで車を預ける場合に都合が良い[注 4]

FR後輪駆動)や四輪駆動の場合はサスペンションアーム、プロペラシャフトデフドライブシャフトがトランクルームの前や下に位置するため、荷室がいびつな形状となったり、容量が限られる場合がある。FF(前輪駆動)の場合はリア周りのレイアウトに制限は少ないが、バルクヘッド貫通型のトランクスルー機構を持った車種以外では、大きな(または長尺の)荷物を積めないなどの欠点もある。

以前は多くの自動車メーカーの世界的な基幹車種では、企画時にノッチバック型セダンが最量販車種として位置づけられることが多く[注 5]、その設計を基本としてステーションワゴン、ハッチバックセダン、クーペ、コンバーチブルなどが生まれることもある。ただし、近年では車体剛性や後方の衝突安全性能の確保が難しいという理由でスバル・レガシィB4(BM型系以前)、およびスバル・WRX(VA型系以降)、トヨタ・カローラアクシオ(発売当初から)、トヨタ・アベンシスセダンなどのようにステーションワゴンを基にして逆にセダンを作る例[26][注 6]スズキ・SX4セダン(のちのスズキ・シアズ/スズキ・アリビオ)やスバル・レガシィB4(BN型系以降)インプレッサ(5代目GT系以降)のように、クロスオーバーSUVを基にして逆にセダンを作るという例もある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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