2014年5月時点で、主な事故原因は以下が指摘されていた。
過積載とバラスト水の操作
運航会社の問題
船長の離席と三等航海士の経験不足
不適切な船体改造
船体検査制度の不備
船体の故障
2014年10月6日、最高検察庁は、セウォル号惨事に対する最終捜査結果を発表した。「清海鎮海運が船を無理に増・改築し、過剰積載状態で出港した後、船員の運航の過失で沈没した。救助に行った木浦海洋警察署の問題ある対処、救護会社選定過程での不法行為で死亡者が増えた」としている[46]。一方、2017年に発足した「セウォル号船体調査委員会」の最終報告書では、機械の欠陥などの理由でセウォル号が沈没したという「内因説」と、衝突など外力による沈没の可能性を追加で調査しなければならないという内容の「外力説」の2種類の原因が併記され、結論は出なかった[58]。 セウォル号の沈没の最大要因は、過積載とバラスト水の操作と考えられる。
過積載とバラスト水の操作
船を運行していた清海鎮海運の当初の発表によると、事故当時、セウォルには車両150台、貨物657トンが積載されていた、とし、貨物も含めた総積載量は限度内に収まっていると釈明していた[64]。だが、発表内容には疑問がもたれ、聯合ニュースは「最大積載量を超過していた可能性が高い」と論じていた[65]。
最終的な発表によると、セウォル号の改造後の安全が確保される貨物量の上限は987トン(うち車両は150台)とされていたが、実際は大型トレーラー3台など車両180台で2451トン、大型鉄製タンク3基や鉄筋など貨物1157トンの計3608トンと、上限の3.6倍という過積載状態であった[66][67]。
セウォル号の運航では日常的に過積載が行われていた。仁川港資料によると、セウォル号は改造後、仁川から済州へ片道394回航行したが、246回が過積載だった。136回が2000トン、13回は3000トンを超過していた[68]。事故当日が最も積載量を超過していたと考えられている。
5月5日、韓国の聯合ニュースは、合同捜査本部の話として、セウォル号のバラスト水が、基準の4分の1しかなかったことを報じた。セウォル号の復原力を保つにはバラスト水が約2000トン必要と考えられているが、事故当時は約580トンしかなかった。一等航海士は、積み荷を多く載せるため、バラスト水を抜いた事を認めている[66][69][70][71](また、バラスト水をあらかじめ抜いてしまうと、緊急時に対応できなくなるとされている[72])。