1989年に共産主義体制が倒れ、1990年にハイパーインフレーションが発生したため、再度ズウォティのデノミネーションが行われることになった。1994年5月11日、デノミネーションに向けたポーランド国立銀行のプロジェクトが認可され、1994年7月7日にプロジェクトに実効力を与える法が制定された。これにより、1995年1月1日をもって、1万旧ズウォティ(PLZ)=1新ズウォティ(PLN)のレートによる移行が実施された[33]。硬貨や紙幣のデザインも、歴史上のポーランドの君主をあしらったものに改められた。紙幣の印刷は当初ロンドンのデ・ラ・ルー社が請け負い、1997年からはポーランドセキュリティ印刷
(ポーランド語版)社(PWPW)が担当している[38]。2013年から2014年にかけて、ズウォティ紙幣に新たなセキュリティ対策が施された。デザインは1994年以来のものと大きく変わらないものの、透かしが入った白色の領域が追加されている点で識別可能である。また新紙幣には、偽造防止のためにランダムなドット(ユーリオンの一種)が書き込まれている[39]。
2017年2月10日、新たに500ズウォティ紙幣(肖像はヤン3世ソビェスキ)が流通し始めた[40]。2021年には、国立銀行総裁アダム・グラピンスキが、近い将来1000ズウォティ紙幣を導入すると表明した[41]。 2004年5月、ポーランドは欧州連合に加盟した。加盟国は将来的に統一通貨ユーロに切り替えるよう義務付けられているが、その期日は定められておらず、また切り替える前にはその国が収斂基準を満たさなければならない。ユーロ圏への参入をめぐっては、ポーランドでも激しい議論が交わされている[42][43][44]。ただしポーランドの場合、ユーロを受け入れるには先にポーランド共和国憲法 ズウォティ紙幣の大きさは、横120-150ミリメートル、縦60-75ミリメートルとなっており、額面が高額なものになるにつれて横が6ミリメートルずつ、縦が3ミリメートルずつ伸びていく。表には、鎧か戴冠宝器
ユーロ導入問題
紙幣
表面には、盾を抜いたポーランド共和国の国章と、ポーランド国立銀行(NBP)総裁の署名も配置されている[39]。
現行ズウォティ紙幣(1994年・2016年)画像額面寸法基調色意匠日付 現在流通している硬貨の額面には、1・2・5・10・20・50グロシュ、1・2・5ズウォティがある。 最新版の材質については、1・2・5グロシュは黄銅張り鋼鉄、10・20・50グロシュと1ズウォティは白銅、2・5ズウォティはバイメタル貨である。
表裏表裏発表流通
10ズウォティ120 × 60 mm茶色ミェシュコ1世デナリウス硬貨
ロマネスク様式の柱1994年1995年1月1日
20ズウォティ126 × 63 mm桃色、紫色ボレスワフ1世デナリウス硬貨
チェシンの聖ミコワイのロタンダ(英語版)とグニェズノの扉(英語版)の一部1994年1995年1月1日
50ズウォティ132 × 66 mm青色カジミェシュ3世ポーランドの白鷲とポーランド君主の戴冠宝器
クラクフ カジミェシュ地区(英語版)1994年1995年1月1日
100ズウォティ138 × 69 mm緑色ヴワディスワフ2世 (ヨガイラ)ポーランドの白鷲とグルンヴァルトの剣、ドイツ騎士団の甲冑
マルボルク城1994年1995年1月1日
200ズウォティ144 × 72 mm金色、黄色ジグムント1世ポーランドの白鷲
ヴァヴェル城1994年1995年1月1日
500ズウォティ150 × 75 mm水色、桃色、金色、茶色ヤン3世 (ポーランド王)ポーランドの白鷲
ヴィラヌフ宮殿2016年2017年2月10日
硬貨
為替レート1ユーロに対するズウォティの推移(1999年以降)