解放後の1945年1月15日、ポーランド国立銀行が設立され、ウッチに新たな造幣印刷所がつくられた[35]。紙幣のデザインも、リシャルト・クレチェフスキとヴァツワフ・ボロフスキ(英語版)の手により第二・第三のシリーズが生み出された。ただ戦前からの第一シリーズも含め、これら3シリーズの紙幣デザインは1950年10月28日に定められた新通貨法制により廃止された[36]。 1950年、第三ズウォティ (PLZ)が導入された。1948年までに発行された貨幣は、100旧ズウォティ=1新ズウォティのレートで交換された。またすべての銀行資産も100:3の比でデノミネーションが行われた。1948年以降の紙幣と1949年以降の硬貨が新ズウォティとされた。1950年に発効した法制度によれば、1ズウォティ=純金0.222168gと定められていた[37]。 1989年に共産主義体制が倒れ、1990年にハイパーインフレーションが発生したため、再度ズウォティのデノミネーションが行われることになった。1994年5月11日、デノミネーションに向けたポーランド国立銀行のプロジェクトが認可され、1994年7月7日にプロジェクトに実効力を与える法が制定された。これにより、1995年1月1日をもって、1万旧ズウォティ(PLZ)=1新ズウォティ(PLN)のレートによる移行が実施された[33]。硬貨や紙幣のデザインも、歴史上のポーランドの君主をあしらったものに改められた。紙幣の印刷は当初ロンドンのデ・ラ・ルー社が請け負い、1997年からはポーランドセキュリティ印刷
第三ズウォティ (PLZ)
第四ズウォティ (PLN)
2013年から2014年にかけて、ズウォティ紙幣に新たなセキュリティ対策が施された。デザインは1994年以来のものと大きく変わらないものの、透かしが入った白色の領域が追加されている点で識別可能である。また新紙幣には、偽造防止のためにランダムなドット(ユーリオンの一種)が書き込まれている[39]。
2017年2月10日、新たに500ズウォティ紙幣(肖像はヤン3世ソビェスキ)が流通し始めた[40]。2021年には、国立銀行総裁アダム・グラピンスキが、近い将来1000ズウォティ紙幣を導入すると表明した[41]。 2004年5月、ポーランドは欧州連合に加盟した。加盟国は将来的に統一通貨ユーロに切り替えるよう義務付けられているが、その期日は定められておらず、また切り替える前にはその国が収斂基準を満たさなければならない。ユーロ圏への参入をめぐっては、ポーランドでも激しい議論が交わされている[42][43][44]。ただしポーランドの場合、ユーロを受け入れるには先にポーランド共和国憲法 ズウォティ紙幣の大きさは、横120-150ミリメートル、縦60-75ミリメートルとなっており、額面が高額なものになるにつれて横が6ミリメートルずつ、縦が3ミリメートルずつ伸びていく。表には、鎧か戴冠宝器
ユーロ導入問題
紙幣
表面には、盾を抜いたポーランド共和国の国章と、ポーランド国立銀行(NBP)総裁の署名も配置されている[39]。
現行ズウォティ紙幣(1994年・2016年)画像額面寸法基調色意匠日付
表裏表裏発表流通
10ズウォティ120 × 60 mm茶色ミェシュコ1世デナリウス硬貨
ロマネスク様式の柱1994年1995年1月1日
20ズウォティ126 × 63 mm桃色、紫色ボレスワフ1世デナリウス硬貨
チェシンの聖ミコワイのロタンダ(英語版)とグニェズノの扉(英語版)の一部1994年1995年1月1日
50ズウォティ132 × 66 mm青色カジミェシュ3世ポーランドの白鷲とポーランド君主の戴冠宝器