スーパーマーケット
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1937年にはキャスター付きショッピングカートが開発され、来店客はさらに多くの買い物をするようになった[1]
20世紀後半

第二次世界大戦後には、郊外の宅地開発が進むにつれて、アメリカやカナダではスーパーマーケットがさらに広まっていった。北米のスーパーマーケットの多くは、郊外のショッピングセンターにおける核店舗として建設された。スーパーマーケットのチェーンの多くは地域的なものが多く、全国的なブランドではない。クローガーはその中でもアメリカ全土で知られているが、傘下には多数の地域ブランド(Ralphs、City Market、King Soopers など)を抱えている。カナダでは Loblaw や Sobeys が全国的ブランドとして知られているが、運営している店舗は様々な地域ブランド名である。

1950年代には、スーパーマーケットは顧客への特典としてしばしばトレーディングスタンプを発行するようになった。最近では、各店専用の「メンバーシップカード」や「クラブカード」を発行したり「ポイントサービス」を実施したりしている。一般に支払い時にカードをスキャンすると、カード所有者が特定商品について会員割引を受けられるという形態のものが多い。

また、モータリゼーションによって自家用車で買い物に行くという文化が生まれ、駐車場を備えた大規模スーパーマーケットが確立した。こうして、商品の大量陳列と値引きによる薄利多売を実現し、チェーン展開による多数出店を進めたスーパーマーケットは、次第に流通業の中で影響力が大きくなり、これまでメーカー問屋が握っていた価格決定権に強い発言力を持つ存在となった。

1970年代には、POSシステムが導入され、レジは手打ち式に代わってバーコードスキャン式が普及した[1]

1996年には、売場だけでなく精算もセルフサービスで行う、完全自動セルフレジが登場した[1]

スーパーマーケットの普及により小規模な生鮮食品・雑貨店や旧来の商店街などは減少していった。「買い物難民」、「食の砂漠」、「焼畑商業」、および「シャッター通り」も参照
21世紀
他の小売業態との競合

スーパーマーケットのうち独立系スーパーマーケットは消費者主導型の基準に重点を置くのに対し、大規模なスーパーマーケット・チェーンは商品陳列や回転率など商品経済的利益追求型の基準に重点を置く傾向があるとされている[9]。しかし、量販店(ウォルマートなど)や会員制大型ディスカウント店(コストコなど)の出現で、これらの従来型のスーパーマーケットが価格競争に敗れシェアを奪われる傾向も出始めている[9]

従来型のスーパーマーケットは、量販店や会員制の大型ディスカウント店に対抗するため、有機食品や高級食品を扱う陳列場所を設置するなど新たな差別化戦略を導入するようになった[9]。米国ではアジア系移民とその子孫の多い地域やヒスパニック系が多く暮らす地域など、居住する消費者グループに合わせた食品の品揃えやレイアウトの変更も行っている[9]
電子商取引との競合

米国では消費者のスーパーマーケット離れと食料品のEC(電子商取引)販売の増加も指摘されている[10]

米国では新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、2020年4?6月期の米国小売売上高は前四半期比3.9%減の1兆3110億ドル(約138兆1000億円)となったのに対し、同期の米国EC(電子商取引)の売上高は前期から31.8%増加して2115億ドル(約22兆2800億円)となり、米国小売売上高に占めるECの比率は16.1%にまで拡大した[10]
日本におけるスーパーマーケット
歴史
1950年代:草創小倉・旦過市場入口の丸和小倉店(2017年2月撮影)

「スーパーマーケット」という名称を日本で最初に使用したのは、1952年京阪電気鉄道流通部門(現在の「京阪ザ・ストア」)が大阪の旧京橋駅に展開した店「京阪スーパーマーケット」である(1970年3月15日閉店)。ただしこの店舗は対面販売式であり、スーパーマーケットの特徴とされるセルフサービスを取り入れてはいない。また、米軍の売店(PX)ではセルフサービスが採用されているが、日本の一般消費者に開かれた店舗ではなかった(ただし、紀ノ国屋増井徳男はセルフサービス方式をここで実際に見て知ることになる[11])。

日本で初めてセルフサービスのスーパーマーケット業態が導入されたのは、翌1953年11月に紀ノ国屋東京都港区赤坂青山北町六丁目の神宮前駅(現在の表参道駅)至近でオープンした店である[12][13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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