複数のメディア評論家は、アメリカ同時多発テロ事件以降の西洋社会の政治的・社会的風土が新世紀におけるスーパーヒーロー映画フランチャイズの人気が高まった原因と見ており[21]、また特殊効果技術の進歩が重要な役割を果たしたという意見も見られる[22]。別の意見として、原作漫画のジャンルの柔軟性を活かした様々なストーリーを観客に提示していることが挙げられている。共通の要素としては全てのヒーローが特殊な能力を持ち独特なコスチュームを着ていることを特徴としており、ホラー(『ブレイドシリーズ』)、スリラー(『アンブレイカブル』)、時代劇(『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』)、スペースオペラ(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』)、ファミリー・コメディ(『Mr.インクレディブル』)、ティーンエイジ・コメディ(『スパイダーマン:ホームカミング』)、強盗映画(『アントマン』)、政治ドラマ(『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』)、西部劇(『LOGAN/ローガン』)など様々なジャンルが用いられている[23]。
この期間には『ブレイド2』『X-MEN2』『スパイダーマン2』『ブレイド3』『エレクトラ』『X-MEN:ファイナル ディシジョン』『TMNT』『スパイダーマン3』『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』『ダークナイト』『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』などのシリーズ続編やスピンオフ作品が製作された。続編やスピンオフ作品の製作が終わると、それまでの設定をリセットして新しく作り直すリブート作品が製作され、『バットマン ビギンズ』『インクレディブル・ハルク』『パニッシャー: ウォー・ゾーン』が公開された。2006年公開の『スーパーマン リターンズ』は第2作『スーパーマンII/冒険篇』の続編として製作され、第3作以降の設定は踏襲されていない[24]。
ハリウッド以外で製作されたスーパーヒーロー映画としては『Faust: Love of the Damned』『ULTRAMAN』『CASSHERN』『ガッチャマン』『Cicak Man』『クリッシュ 仮面のヒーロー(英語版)』『Drona』『ラ・ワン(英語版)』『クリッシュ(英語版)』『マーキュリーマン』などがある。
2010年代『アベンジャーズ』のキャスト『ジャスティス・リーグ』のキャスト
2010年代に入っても、スーパーヒーロー映画の興行収入は過去10年間と同じ高水準を維持した[25]。2010年に『キック・アス』『アイアンマン2』、2011年には『グリーン・ホーネット』『グリーン・ランタン』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』が公開された。