スーパーコンピュータ
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

さらに龍芯2においては、MIPS社の互換CPUとの相似性が95%を超えるとの指摘[40](問題化した際のMIPS社の指摘によると、NEC東芝が製造していたR10000およびR12000のほぼ完全なデッドコピーであったとのこと)もあった。この指摘に基づき、国際的な不正競争を防止するパリ条約(ヘーグ改正条約)違反を欧米・日本が主張し、公式の場での中国の知的財産権軽視への批判が高まったため、中国政府および龍芯の製造メーカは否定に躍起になっていたが、最終的に2009年6月にMIPS社にCPU周りのライセンシーの有償提供を求め、2010年6月に一部株式を取得することで決着している。また、ストリーム・プロセッシングの分野では、2010年11月のTOP500では中国NUDT天河一号Aが日米以外で初めて1位を獲得した。GPUを大幅に採用しているのが特徴であり、7,168個のNVIDIA Tesla M2050 GPUと14,336個のインテル製CPUを使用している。NVIDIAによれば天河の計算速度の8割をGPUが担っているという[26][41]。なお、NUDTは中国人民解放軍直属の機関で、開発の背景に軍事があるという見方は少なからずある。また、市民監視システムのグレート・ファイアウォール天網などにもNUDTやTOP500上位ベンダーの曙光のスーパーコンピュータが使われていることから治安維持も背景にあるとされる[42][43][44][45]。中国首脳部はサイバー技術を制する者が世界を制する、との考えから積極的に投資を行っており2016年6月には中国はTOP500における各国の計算力総計で日米を超えた。
韓国
韓国では、ソウル大において汎用PCとLinuxおよび日米製のクラスタソフトを用いた研究用スーパーコンピュータを作成していたが、導入時に150位程度であり、現在はTOP500圏外となっている。実務面で使用するスーパーコンピュータにおいては、すべてを日米ベンダ各社から購入して数を増やしつつあるが、あくまで利用者としての対応であり、もともとの国力からの判断で自国での開発は行っていない。なお、利用も気象や自動車などの民需系の利用が急速に増えたものの、軍事的な開発・設計に注力しているとの指摘もあり、先がまったく見えない。また、肝心の気象予測においても、強化された計算能力を十分に生かしきることができず、一般国民においては、隣国の日本の気象庁予測を確認する風潮が根付いている[要出典]。さらに韓国の問題点として、スーパーコンピュータにおいて使用されるアプリケーションソフトの多くが、正式購入ではなく試用版やすでにライセンシーの切れたソフト、不正コピーによるソフトを使用していることがある[要出典]。この知的財産侵害について、近年、特許協力条約知財関連の条約に加盟したこともあり、自国内の複数の新聞(天気予報:最新スパコンで17年前のプログラム運用:朝鮮日報 2007/10/01など複数[要出典])にて批判も高まっている[要出典]。
台湾
スーパーコンピュータの発展に寄与したスティーブ・チェンの出身地でもあり、スーパーコンピュータと縁の深い台湾では、軍事的な側面でスーパーコンピュータを導入する動きはほとんどない。基本的に民需系や公共サービス系を中心に産業界や科学分野においての導入が進められている。特に汎用PCを使用したLinuxのクラスタ系コンピュータが多く、半導体産業におけるCAE系や中央気象局などのほか、台湾が生き残りをかけて投資している遺伝解析系においては、世界でも有数のレベルでスーパーコンピュータが取り入れられ、使用されている。たとえば、日本産のメダカ遺伝子改造して、深海魚などから取り出した発光する遺伝子を組み込み、発光魚として世界各地に輸出しているが、この遺伝改造もスーパーコンピュータを使用して検証され、実際に行われている。このように台湾自体、韓国と同様にスーパーコンピュータの開発を行うことはないと思われるが、産業による貿易(ただし、輸出と輸入のバランスを取った)立国を続ける立場から、欧州と同様に一般的なスーパーコンピュータの利用とアプリケーションの提供という面で、日米欧と肩を並べる存在としての存在感を示しつつある。また、日本のGRAPEプロジェクト(GRAPE-DR)に対しても、複数企業が参加し、サポートを続けている。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 但し、大抵の場合は市販品そのままではなく、スーパーコンピュータ向けに設計の一部修正は行われる。それでも既存の設計・製造手法が流用できるため、大きなコストダウンになる。
^ : capability computing
^ : capacity computing
^ SGIは2006年5月に連邦倒産法第11章の適用を申請し受理されたが、2006年11月に第11章適用対象から外れ再生を果たした。その後2016年11月1日にHPEがSGIを買収した
^ 2019年にヒューレット・パッカード・エンタープライズ (HPE) に買収されHPEの子会社となった
^ ただし、半導体開発競争を中止したのみであり、基礎的分野における研究開発の継続は行われるはずである。また、アメリカ・日本を見習い、近年ではマイクロコンピュータ用のアプリケーション開発などにも力を入れている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:107 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef